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円安で、目先の損得勘定ばかりしている時期では無いのでは。 [経済・財政]

円安が止まらない。
今日は1ドル148円、今年の初めは110円-120円で推移していたから、3割近い円安だ。
当然のことながら、輸入に頼っているガソリンや小麦などの食料品や生活必需品は一斉に値上げに踏み切り、庶民の家計を圧迫している。しかしながら、他方、輸出企業などは為替メリットで得しているはずだが、目立った値下げなどの努力は観られない。一方、外国人による爆買いがはじまったようだが・・・。
 
かつては「円安株高」の構図があり、円安は日本経済にとって有利に働くと言われていた。だが、最近では「悪い円安」と呼ばれ、株式市場や景気にも不安が煽られ、嫌な空気が漂っている。
 
はたして、「円安は悪いのか。」
ある経済学者や評論家の話を聞いていると緊迫感はさほど感じられない。米国が利上げをして、日銀が金融緩和をしているのだから、円安なるのは当たり前で、原因が明らかなのだから問題はないという。むしろ、日本政府の外貨準備高が為替差益で約40兆円のプラスになっており、一番得しているのは日本政府だと言っている。だから、このお金を財源にして、円安で不利益を被っている人たちや、今後、日本の活力を創るための投資など行うべきと主張している。そんな話を聴いていると、いまは心配しなくても良いのかと思ってしまう。
 
だが、そんな悠長な話ではない。いまの日本、「豊かさ」は間違いなく低下している。
ひと昔前、1億総中流社会と呼ばれていた時代、中流という言葉にちょっと悲しさを感じたものの、貧乏でないという自負があったものだ。しかし、現在はそれが総崩れで、半数以上の人たちが低流の渦に喘いでいる。おそらく、社会や経済の仕組みが狂い始めているにもかかわらず、政治がそのまま放置したのが原因だ。
 
いまの政治は高度経済成長期から基本的に変わらず、大企業を中心とした資本主義システムの維持にある。大企業が頑張ることで、中小企業に資金が行き、そのお金が個人へ流れることでみんなが潤うという仕組みが信じられていた。けれど、それは工業など第二次産業が中心であった時代のシステムであり、そういう時代は終わった。そもそも円高のときに、大企業は中小企業を見限り、海外への工場移転や安い海外企業へ投資先を変えてしまった。その結果、日本の産業の80%を占めていた中小企業はガタガタになり、倒産も相次いだ。実はそのときに社会構造が大きく変わり、現在もなおその負の遺産を引きずっている。であるから、社会構造の再構築は必須であると考える。
 
ところで、豊かさとは何か。
お金があることが豊かなことか。
いままで、そう信じられて、日本の経済や政治、そして社会は回っていた。
 
身の回りには、必要以上に建物や車があり、まだなお膨大な量を生産している。また、スーパーに行けばありとあらゆる品物に溢れ、食品の多くは消費期限切れとなり処分される。
これがいまの日本の豊かさの実態だ。どこかおかしいけど、みんなそれを当たり前と思い、疑問を感じていない。
 
この豊かさをつくったのは政治である。  
政治が本当に悪いのかと言えば、日本は民主主義の国であり、国民が選んだ政治家がこういった政策を進めてきた。選んだ人たちにとっては、ほどよい社会なのだろう。しかしながら、国会議員選挙の投票率はいつも半数にも達しておらず、ほとんどの人たちが選挙を放棄している。特に若者や本当に困った人たちは政治に関心が薄く、自分たちの味方になってくれる政治家や政党に投票することもない。だから、弱者にやさしい社会にはならず、また社会が変わらない構図はここにあるように思える。
  
でも、いまは資本主義の恩恵を受けている人たちにも、かつてと違う状況が訪れてきているような気がする。だから、政治を本気で考えなければならない。いまは円安で目先の損得の話ばかりしているが、もうそんな時期では無いのではなかろうか。

タグ:円安
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日本経済が怪しくなってきている。 [経済・財政]

日本経済が怪しくなってきている。
世界的に不況になれば安全資産として円が買われていたのが、これまでの通説。それがいまは違う。円が売られ円安になっている。現在、まだ世界第3位の経済大国と言われている日本であるが、実力は年々低下し、一人当たりのGDPは24位(2020年ランキング)と先進国の中では下位に位置している。ただ、国内を観ると街には新しい車や商品が溢れ、まだ豊かさの中にある。
 
しかし、どうだろう。本当に豊かな国なのだろうか。
少子高齢化が進み、年金は年々減る一方、これからの高齢者は不安だらけで、かつ若者はその負担が大きくのしかかり、自分たちの生活もままならない。国の豊かさと個人の豊かさに大きなギャップが生じ、皆が生きにくい社会になっている。
 
どこかで日本は、進路を間違えたのではないだろうか。
自分は昭和30年代に生まれ、高度経済成長、オイルショック、金融バブル、ITバブル、リーマンショック、この数年の金融緩和によるバブルなど、さまざまな経済変化の波に乗ってきた。
 
ひとつ言えることは、これまで日本は資本主義社会の中で先頭を走ってきた国であった。発展途上国と言われた国は競争相手になることはなかったが、これからはライバル国として戦わなければならない。つい10年前まで経済、技術で格下と見下げていた中国はもう見上げる存在であり、そろそろその立ち位置を自覚しなければならない。インド、インドネシア、ベトナムなども、いまは途上国とは言えないところまできている。
 
とにかく、世界の状況は大きく変わり、日本が取り残されつつあることだ。
それに対して、多くの国民や日本の政治家たちは無関心である。これから、さらに取り残されていく危機はそこに潜んでいるように思う。世界的に資源や食料が手に入らなくなり、いつ地震などの災害が起こるかわからない。ロシアとウクライナの戦争を遠い国の戦禍として観ているが、この東アジアでも同じような緊張はある。安全と豊かさを維持していくためには、食料やエネルギーの自給率を高める必要があり、もちろん強い経済力を保持していかなければならない。
 
テレビを観ると、どの番組もバラエティーのお笑いばかり。それも大事かもしれないが、どこか国民がのんきで、平和ボケになっているように思えてならない。政治家も他党のあげ足取りに終始し、日本の針路に対する本質的な議論はしていない。
それよりも国民の政治に対する関心の希薄さが根本的に大問題だ。
 
まだまだ平和なのか。ただ、最近の新聞を読んでいると、これまでと違った不安な社会が訪れるような気がしてならない。心配し過ぎだろうか・・・。

タグ:日本経済
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政治は金融テクニック論よりも、夢や安心を提供してほしい。 [経済・財政]

  2013年年初め東証日経平均株価は1万700円で東日本大震災以来の高値更新、円相場も87円台後半で2年5か月ぶりの円安である。新政権になってから、経済はすこぶる順調なすべり出しだ。

  まるで、安倍首相の経済政策が相場に好循環をもたらしたように観えるが、実際はアメリカの財政の崖の回避(先送り)によるところが大きい。何しろ日本政府はまだ何もやっていないのだ。

  この先も順調に進んでくれれば良いが、懸念材料は山ほどある。まず国内情勢では増え続ける社会保障費に、税収の落ち込みによる歳入不足、それに赤字国債の発行が重なり、国の財政は破綻寸前の域にきている。企業も苦しい。中国での反日デモの影響で大打撃を食らい、さらに海外勢との熾烈な競争などで収益が大幅に悪化している。また、世界経済でも、これまでけん引約の中国経済が失速し、ユーロの経済危機とアメリカの財政危機など世界中で歯車が狂っている。そういう状況の中で日本丸は舵を取らねばならない。

  そう考えると慎重になり、どしても守りに入りたくなる。だが、そんな保守的な構えでは経済が落ち込む一方だ。景気は理屈だけで動かない。まさに「気」である。だから他力本願の人任せ、国任せの経済でなく、自分たちで好景気をつくる努力もしなければいけない。日本はいまでも世界第3位の経済大国であり、国民所得も高いのだから、内需でそれなりに経済を押し上げる力を持っている。貯蓄ばかりしていても、経済は決して活性化しない。まず国民が消費することだ。

  政治は金融のテクニック論を語ることよりも、景気の「気」を上げるために人々に「安心」と「夢」を持たせることが大事だ。そのためには、子供の養育費と教育費の負担を軽くさせること、もう一つは老後に安心して生活ができる補償をすること、その2つの政策をしっかりやることが重要と思う。民主党前政権では当初果敢に立ち向かったものの、国民の支持も得られず、官僚や既成勢力にあっけなく惨敗。さて、安倍内閣はどういうスタンスでこの問題に取り組むか。目先の景気ばかりでなく、抜本的にこの国を立て直してもらいたいものだ。


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ソニーやパナソニックは老年を迎え、最盛期を過ぎただけ。 [経済・財政]

 ソニー、パナソニック、シャープ等これまで日本を牽引してきたスーパー企業に元気がない。ムーディーズやS&P等の米国の格付会社が軒並み格下げを行い、いまでは「投機的水準レベル」に迫っている。

 円高の影響も大きいが問題はそれだけではない。以前にもブログに書いたがアップルやサムスンの製品と比べて消費者に惹きつける魅力が低下し、新規性でも先を越されている感じが否めない。ただ商品の品質や機能面は間違いなく抜群で申し分ない。だからそこにジレンマがある。

 ここ数年で世界の情勢は大きく変わった。かつての「made in japan」だけでは世界に受け入れられない状況になりつつある。もっと刺激的で安いものが求められ、そこに突くように韓国、中国勢が大きく躍進してきた。さらにそれを追うように東南アジアの新興国が続々参入し世界市場は壮絶なたたき合いの場に化し、日本企業はコスト競争から脱落を余儀なくされた。ある意味、当然のプロセスを辿っているに過ぎない。

 こうした状況下で日本はどう生きていくか、発想を変えていかなければならない。何も世界中に日本製品を売りつける必要もなく、日本が食べていける分だけ商売すればいいのだ。それ以上儲けても使いきれないし、働き過ぎて疲れるだけで、高度経済成長を復活させることはない。

 日本の特徴は企業群の層の厚みにある。ソニーやパナソニックのような超トップ企業のほかにも競うように次々大企業もひしめき合っている。それから中小企業と言われる会社も世界水準から観れば相当高い技術を保有している。もし韓国でサムスンがコケれば国家の一大事であるが、ソニーやパナソニックがそのような状況に陥っても、おそらく東芝、日立、三菱、NECが次の座に変わるだけで日本としてのダメージは思うほど大きくないのではないか。また一つの企業が常にトップを走り続けることも難しい。アメリカでもかつてコンピュータの巨人と言われたIBMもいまでは滅多に耳にすることはない。やはり盛衰があるのは世の常。いつまでも企業は成長し続けられるものではなく最盛期を過ぎれば老年期に向かう。だから次なるバトンタッチできる体制が必要となる。その点では日本は世界で類のない「ものづくり大国」のしくみが構築されており、そうした企業の変遷をゆるやかに吸収できる基盤が出来上がっているように思える。

 とは言っても、日本企業は全体的に元気が無く、経営面で苦境に陥っているのは事実である。一生懸命良いものをつくっても売れなければ何もならない。いずれにしても製品の価格の半分は人件費であり、安い新興国と競わなければならないのは大きなハンディーであり、さらに円高のダブルパンチは強烈に痛い。

 ではどうすれば日本企業を元気にさせることができるのか、その答えを導き出さすことは容易ではない。

 一つはやはり消費者が安い海外のものを選ぶことよりも自分たちの作った良いものを買うことだろう。少なくとも工業製品の80%は自国の製品で自給することはものづくり国家としては大事なことと思う。あからさまにする保護貿易になってしまうが消費者が自ら選ぶ分には問題ない。ガラパゴスと言われてもそのスタンスは大事と考える。かつての日本はその仕組みで製造業を安定させていた。

 もう一つは日本が世界で一番優れ、憧れになること、つまり日本ブランドを磨くこと。その為には無理にヒット商品をつくることよりも、優れたものを作り続けることが重要であろう。まずは大企業から中小企業すべてどんなものでも誇りを持てる製品つくりが大切と思う。

 最近は日本はモノづくりだけではなくアニメや食文化等のソフト面でも人気が上がり、世界中で日本に対する高感度、憧れが表れてきた。さらに東日本大震災時の日本人の冷静な対応や姿勢が賞賛を浴び、日本に対する評価も上がった。こうしたことも、日本製品の信頼性やブランドにもプラス効果が期待できる。

 そうしたことから、日本は総合的に新興国とは「格」が違うのだ。自信を持ち小手先の政策ではなく、己ずの道を着実に歩む方がいい。そうすれば日本の未来は決して暗くなくない。必ず強い日本が再生できると確信している。


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景気対策に必要なことは将来のビジョンと覚悟だ。 [経済・財政]

 日本はデフレで景気が悪い。誰もが頭に浸み込んだ概念である。

 その根本の原因は何だろうか。円高、市場にお金が回らない、あるいは所得が減って購買力が落ちていること、色々あげられるが、どれもすべて正解であり、見方によっては不正解でもある。

 では現実の世界、たとえば街を見渡すとどうか。歩行者の数よりも駐車台数を含めると車の数の方が遥か多く観える。また、マンションや住宅がひしめき合い、すべての住戸が本当に入居しているのか疑わしい。ある場所では数十年前に田畑で家が一軒しかなかったはずだが、いまでは大型マンションが立ち並んでいる。世の中少子化が進み、人口減を辿っているのだから不思議でたまらない。

 つまり産業構造に大きな矛盾があるのだ。一般的に会社は成長するために前年度よりも売り上げを伸ばす目標を立てる。だが市場(需要)は減っているのに、さらに拡大しようとしているのだから、計画通りいかず業績が悪くなるのは当たり前だ。海外に目を向ければ売上を伸ばす余地もあるのかもしれないが、当然リスクを伴うし、また安いものでなければ売れない。だからみんな裕福な国内にターゲットを求めるが、結局過当競争になり採算性も大きく崩れる。

 前からも言われ続けていることだが、日本は高度済成長期から現在の成熟期に向けて、産業構造を大きく変えていく時期にあるのだろう。当然、新陳代謝的に廃業に向かう企業、職種もあろう。だが、そうした過程を経なければ新しい産業体制は構築できない。実は非常に苦しい、また難しい時期に差し掛かっているのだ。

 先ほどの建設業も新しいものを造るばかりでなく、リニューアル主体に変えていくべきと思うし、その他の産業もいま本当に求められているものをつくっていく方向に目を向けなければならない。むしろ、環境(新エネルギー)や文化、芸術を含めた日本ブランドを確立して、世界に輸出していくのもひとつであろうし、日本のこだわりの技術、最新の科学技術など更なる特化を目指すべきであろう。そうした潜在能力があるのだ。

 これらは今すぐに成し遂げられるものではなく中長期の目標である。だがいま日本で一番求められていることは、そうした将来のビジョンであり、それをやり遂げようという意思、覚悟であると考える。

 そのための明確なビジョンづくり、そしてそれを誘導する決断こそが、政治の大きな役割ではないだろうか。


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安倍晋三総裁の「金融緩和」とは日銀に借金を押しつけることか。 [経済・財政]

 自民党安倍総裁が「大胆な金融緩和」で建設国債を全額日銀に引き取らせるという横暴に近い発言をした。つまり、借金の証文を渡して、この分の札束を擦れと日本の中央銀行に迫ったわけだ。さらに言うことを聞かなければ、言うことを聞くやつを送り込むぞと脅しまでかけている。おそらく次期首相であろう人がとんでもない事を口にしている・・・。

 経済学者がよく口にする手法であるが、日本も戦時下にやむを得ず、この禁じ手を使いハイパーインフレで苦しんだ経験がある。現在は日銀法を改正しない限り、その麻薬といっていい「打ち出の小づち」を使うことができない。しかし、今回の安倍総裁の発言はそれに踏み込んだものだから波紋も大きい。

 私もこの手法を少々使ったからといってハイパーインフレなど起こらず、若干は良い効果がもたらされると考えている。けれども、これを実行したらどうなるか、おそらく世界で一番頑固な日銀のイメージは一挙に総崩れし、欧州と同様にグローバル社会で翻弄する銀行に成り果てるのではないかと危惧してしまうのだ。一度失った信用を取り戻すことは極めて難しい。中央銀行は国家そのものであり、円が弱くなることはつまり安倍総裁が常に主張している「強い国家」の真逆に進もうとしているように思える。

 ただ、言っていることもわからないこともない。現在の日本はデフレと円高に苦しみ、超優良企業であったソニーやパナソニックもいまや倒産を覚悟しなければならない状況にある。その特効薬としては市場に金をばら撒くことは自民党時代からの王道であり、選挙で票は稼げる。しかし、日本人もだんだん賢くなり、それがどういう結果をもたらすのか、バブルで十分体感しているので、その甘い言葉に違和感を覚えている人たちも大勢いるのではないだろうか。

 また、金が回らないから不況が続くのも事実であるが、市場にいくら金をバラ撒いても、日本人特有の習性から最終的に貯蓄に回してしてしまう問題もある。年金の不安や老後の生活を考えるとそうなるのは当然である。そこを政治家が解決しなければ一歩も進まない。経済評論家が説くようなテクニック論で解決しようとするのは政治の道から外れている。

 「金融緩和」は計画的にまた思うように通貨を操れればよいがそうならないのが現実であり、また大きなリスクを抱える。アメリカのように無制限に札束を刷っても、世界で一番強い国であり、共通通貨(基軸通貨)であるドルをほしいという国がある限り、ドルの価値は維持できる。でも日本円は根本から違う。資源もなく軍事力もない、ただ国民が真面目で世界第3経済大国というだけでアメリカやイギリス、ドイツ、ロシアの真似はできない。その日本円に価値が評価されているのは、日銀があらゆる外国や国内の政治的圧力にも屈せず、世界の中で「円の価値」を維持する努力を続けているからだ。やはり中央銀行のやるべきことは「通貨の価値」をどんな状況下においても守ることだと思う。

 現在、円高は悪になっているが、日本経済は内需が主体であり、逆に円高で恩恵を受けていることを無視してはいけない。エネルギー面ではどれだけ助かっているか、そこも見極める必要がある。輸入と輸出が同時に得することはありえないのだ。

 今回の選挙ではデフレ脱却が大きな争点になろうが、こうした点で安倍総裁の日銀法改正にはストップをかけなければならないと思う。こうしてみると自民党は以前の借金政治の反省が全く無いのかもしれない。


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また世界恐慌の津波がくるのか。日本は財政再建を急ぐべし。 [経済・財政]

 世界経済が危なさそうである。マヤ歴では2012年で世界の終わりが示されているが、まさにその年に世界的経済恐慌が起こりそうだ。

 現在、ギリシャ国債などの相場下落が続けば、欧州系銀行は巨額の損失を被り、銀行の経営が破たんすれば、リーマンショック以来の大金融危機の再来である。また、イタリア、スペインなど欧州各地にも同様の危機が広がる可能性があり、欧州連合(EU)の統一通貨ユーロの金融システムも崩壊寸前で、一歩先を読むことはできない。

 経済不安は欧州だけでない。世界最大の経済大国アメリカも病んでいる。米国の負債額は天文学的数字だ。政府の財政赤字だけでも14兆ドル、地方の州政府の借金が24兆ドル、老後年金や老後医療費の使いこみが20兆ドル、さらに政府が関係している住宅関連企業の負債を合わせると約100兆ドル(PHPVoice10号記事より)。世界のGDP総額が約60兆ドルであるから、地球を呑み込むような話であり、異常としか言えない。

 さらに日本も同様に大きな財政赤字を抱え、立ち行かなくなっている。国民の預金総額が借金の倍あるから大丈夫という声もあるが、もし、外資が破たんし、金融各社がその損失を補てんするため日本国債を売却することになれば、日本の財政は破たんの道へまっしぐらである。つまり、国民は薄氷を踏むような極めて危険な財政状況にいることを十分認識、自覚しなければならない。

 現在、日本国内は、被災地の復興と原発処理、そして円高による中小企業対策で頭がいっぱいだ。どれも予算が必要であるけど財源不足。財源確保のための税の議論は必要不可欠であるが、なかなか進まないのが政治の世界。

 津波が来るといっても、危険な地域から離れないという人もいる。その声で、同調せざる負えない多くの人達が犠牲になることもありうる。今の税制論議にも同じ空気を感じる。目前に大津波的な世界恐慌が迫っているのに、税による財政再建よりも、さらなる赤字国債や政府紙幣など借金で景気回復を主張する意見も根強い。直接的な痛みを伴わないから心地良い意見であるが、結局、先送りでしかない。それはこれまでと同じで、問題を深刻化させるだけの話だ。

 まず増税ありきではなく、税金の無駄使いが先だという意見も正論である。しかし、破たん危機はタイムリミットで秒読み開始に来ている。増税と削減を同時にやらなければ間に合わない段階だ。

 民主党政権でダラダラになった財政再建を一刻もはやく立ち直らさなければ明日は無い。

 日本が原発事故で経験した重い教訓を、財政でも活かさなければならない。そのためには開かれた議論で国民の理解を得て、はやく財政再建の道筋を立てることだ。国民が実感しやすいように、将来の姿や、世界経済の危険リスク等を数字でシミュレーションするなど工夫も大事だ。

 そうした中で、消費税10%、15%で安心社会が得られるなら、賛成する人も少なくないと思う。国民が素直に賛成できない大きな理由は、消費税を上げても、福祉はよくならず、経済危機も解消されず、結局何も変わらないという、これまでの政治に対する疑心暗鬼である。

 この問題に対して、もう与党も野党もない。しっかり議論して国民の納得のいく政策を実行してほしい。


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1ドル75円台。国債格付が低く、借金だらけでも、世界で最も安定した日本の通貨。 [経済・財政]

 1ドル75円台、戦後最高の円高になった。

 新聞やテレビ等のメディアは、輸出の為替損失のダメージばかり強調し、日本経済がどん底に陥るようなイメージを国民に植え付けている。確かに、波乱の世界経済で、日本の経済運営の舵取りは難しい。しかし、ズルズル円安になるより、頑として円高の方が良いのではないだろうか。

 アメリカをはじめとする欧米では国債の格付けが1つでも下がると、急激に貨幣価値が変動する。それに比べて、日本の国債はあれだけ低い格付されたにもかかわらず、トリプルA並みの信用は崩れていない。

 それは世界で一番信用のある国、日本が日本国債を買っているからだ。国債の格付けをいちいち気にしている国民はおそらくいないだろう。例え、さらなる格下げがあったとしても、通貨価値に大きな影響は無いのではないだろうか。

 また、日銀も景気対策のため、アメリカのように金融政策とか言って紙幣をジャブジャブ刷ることには慎重であったことが、いまの強い円を支えていることのように思える。

 よく経済学者がマクロ経済学を持ちだして、財政と金融のあり方を説明し、日本の財務省と日銀の政策批判を繰り返してきたが、実はこのマクロ経済こそがアメリカ主軸の経済システムであって、これにうまく乗ることが、アメリカの思い描く経済シナリオの一端にハマることのように思えてきた。

 そう考えると、現在の財務省や日銀の政策は必ずしもアメリカの経済思想とはそぐわない方向に進んでおり、世界の中では結構独立した動きをしているのではないかと思う。ドル基軸の自由貿易圏で生きていくために、アメリカの仕組みにある程度合わせているものの、本質の魂までは売っていなかったような気がする。

 前回のブログでも記載した個人預金残高約1400兆円のうち、約900兆円は赤字国債で消失されている。これに対する国民の怒りは大きいが、世界経済全体から観れば、一歩間違えば、すべてアメリカに持っていかれるお金を、日本人が日本の為に使ったとも考えられる。アメリカが中心に作った世界共通の経済システムの帳簿上、イエローカード、いやレッドカードが出ているが、全体から観れば、日本は賢明なお金の運用をしているような気もする。

 ただ、問題はこれからである。日本は経済大国3位の規模を持ち、自国の事ばかりも考えていられない。世界経済は間違った方向に進んだと考えられるが、世界GDPの約10%弱の影響力のある国がいつまでも内向きなことばかり言っていられない。

 やはり、経済の帳簿はきちっとしていなければならないし、安直な方法での解決は、逆に破たんの道に進む。国民も苦い思いをするかもしれないが、税の負担をもう一度考え、国内の問題、国際の問題を分けて進めるべきであろう。厳しい世の中、痛みなく楽に進めることはない。

 経済について全く素人なので、内容について御了承を。別に財務省と日銀の肩を持っているわけではないが、これまでの信じていた経済学者や評論家の言動が、ここにきて、あまりにも違っていたように思えてならない。何が正しいのか、実際のところ益々解らなくなってきたのが本音で、これからも注意深くみていきたい。


タグ:円高 日銀
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赤字国債の話ばかりでなく、約1400兆円の個人金融資産をどう活かすか論じるべき。 [経済・財政]

米国債格下げ以降、世界経済は波乱が続いている。アメリカが主導しているドル紙幣を基軸とした経済システムに狂いが生じているようだ。

 最近、経済について、当たり前のことに疑問を感じ始めている。例えば、日本は現在約1400兆円の個人金融資産に、約900兆円公的債務があり、その結果、国民の一家庭当たり約1720万円の借金を抱えているという実態がある。バランスシート上、いつも財政破綻の危機が叫ばれている。

  この公的債務(赤字国債)の話ばかり注目されているが、別の視点で、いつも疑問に感じることがあるのだ。

  「そもそも、一つの国が1400兆円を超える巨額な資産を抱え込んで良いものであろうか。」 健全な経済システムは、世界中に至るところにお金が流通し、かつ適切に循環することが必須条件である。だが、その流れに対して、日本の保有資産は完全に逆らっている。

 日本人にとってこのお金は、一生懸命働いて蓄えたもので、文句言われる筋合いは何一つないと言い切るだろう。しかし、世界の国々はどう観ているのか。みんなの共有すべき財産(富)をひとり占めしている、そんな捉えられ方があるのではと思う。

 世界経済の全体を考えるならば、世界総GDPの10%以上のお金を滞らせていることは、やはり正常ではない。世界経済への影響もあるのように思えてならない。 (これは個人的推測)

 では、その巨額なお金を滞らせないためには、どうしたらよいのか。結局は以下の3つの方法に集約されると考える。

(イ) 国民の過度な貯蓄志向から、適度な消費志向に転換させる。

(ロ) 米国債等、他国の国債を買う。

(ハ) 国が国民に代わってお金を使う。すなわち、赤字国債の発行。

 本来、(イ)が最も好ましい姿と思うが、将来の不安が根強く、自己防衛のため、多額の貯蓄に走る人達が多い。従って、年金や医療制度の補償、また、現役世代では子育てや教育の安心できる社会基盤がなければ、思いきった消費活動はできない。現状の進まぬ政治では、なかなか実現は難しいだろう。

  (ロ)は主として米国債の購入があげられる。しかし、日本にとってリスクも大きい。為替や米国債の価値変動、あるいは、国債売却を自由に出来るかなども難しい問題だ。米国債を買っても、利子だけは受けられるものの、元本は寄付同然という結果も考えられる。あまり、良い選択肢ではないと考えた方が良い。(これは郵政民営化で問題になったこと)

  (ハ)は、現在の日本のやり方である。公共事業の無駄使いと将来の子供たちへの借金に対して、ほとんどの国民は怒っている。ただ、財務省は、単純に赤字国債はダメなのか、それとも、条件付きならばやるべき事なのか、もっと詳しく説明するべきだ。

 個人的には、この方法(ハ)しかないと考えるが、いままでのお金の使い方には非常に疑問を感じている。使うならば弱者に対する社会基盤の整備に、もっと重点を置くべきだったと考える。

  いずれにしても、金持ち日本の贅沢な悩みである。この1400兆円の巨額保有資産をどう扱うか、赤字国債の事ばかり論ずるのではなく、日本にとって真剣に考えなければならない課題だと考える。

  円が強く、膨大な保有資産があるという強みを最大限発揮できれば、デフレ脱却、日本経済再生の道は開けるものと考える。少なくとも、66年前の敗戦直後からは考えられないくらい恵まれた状況だ。それを決して無駄にはしてほしくないものだ。


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世界中の通貨が暴落。なぜ、日本の円だけが高い。 [経済・財政]

 ドル、ポンド、ユーロなどの主要通貨が下落している。

 ただ、日本の円だけが強い。不思議である。

 言うまでもなく、日本の公的債務残高は対GDPの2倍(900兆)であり、危機的な財政状況である。そんな不安定なはずの日本の円を、世界中の投資家たちが最も安心できる通貨として買っている。

 今回のロンドン暴動も、原因はやはり経済不安だ。世界金融危機以降、ポンドの価値は大きく暴落し、失業率の増大も重なり、庶民の生活は極めて厳しい状況に陥っている。だが、国家財政から観れば、イギリスの公債債務残高は対GDPの7割、英国債の格付けはトリプルA、日本と比較すると遥かに健全である。そうなると通貨の価値というものは、国の借金や国債の格付で決まるものではなさそうだ。

 では、何で決まるのか。専門家たちは「日本円の強さは、まわりの通貨が弱いから、相対的に上昇しているだけ」と、簡単に言う。しかし、それでは実態がつかみにくい。

 最大の原因は、度重なる不況対策に紙幣を刷り過ぎ、その供給過剰が通貨価値の下落をもたらした構図と考える。金融政策という聞こえの良い言葉の実態は、単なる通貨のバラマキで、とても高度な経済政策と言えるものではなかったのではないか。

 思えば数年前、日本がずっと不況に苦しんでいた頃、欧米では妙に好景気が循環していた。その時、日本の経済学者や評論家たちが、日銀に対して痛烈な批判をしていた記憶がある。特に日銀総裁を無能、犯罪者扱いにしていたが、今となっては、安易に紙幣を造刷しなかった日銀の判断は正しかったように思える。通貨と国債の暴落は国家の存亡に関わる危機である。日銀の舵取りは極めて慎重であってほしい。

 ただ、あまりにも円が強過ぎても、輸出産業のダメージが大きいため、出来れば程々の強さが良い。また、円が強く、安定していても、国全体の経済が疲弊していては意味がない。

 経済活性化をどうするか、これまでと同じように通貨安定政策を取り続けても、経済が一向に好転しないのは、過去20年で実証済みだ。結局、政治がやることを、やらなければ解決できない。

 老後、子育て、教育に安心できる社会基盤を整備し、安心してお金を使えるような環境をつくることが、日本経済の一番の活性化につながる。わかっているが、進まないのが政治の世界である。 


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米国債格付引下げ。いまドルに何が起きているのか。 [経済・財政]

 アメリカの長期国債がついに格下げされた。歴史的出来事である。米格付け会社S&Pが、米政府の強い反発の中、断行したとのことだ。

 米国債の格付けをトリプルAに維持するには、とても耐えられない状況だったのだろう。数年前、サブプライムローン事件では、格付け会社に非難が集中された。いくら金融工学を駆使して細工されたといっても、単なるいかさま債権にトリプルAを評価していたのだ。そこには投資会社、保険会社、そして米国政府の政治的な意図もあったに違いない。しかし、その結果、世界がどん底に陥った。格付け会社の社会的責任は極めて大きく、債権投資相場の信用は根底から崩れてしまった。

 そういう意味で、今回の格下げは一時的な影響があるものの、米政府に対する強い警告を発し、経済システムの秩序が少し正常に保てたように思える。

 そもそも、米国債の評価が下がった理由は何か。新聞やニュースでは、アメリカの14.6兆ドル(1140兆円)借金が原因との報じている。どうして、そういう状況に陥ったのか。根本的にサブプライムと同じ過ちが潜んでいるのではないだろうか。

 その1つに、「ドル紙幣のバラマキ」に原因があると思う。ドルは世界の基軸通貨であるから、どの国でも当然欲しがる。つまり、アメリカは自分の本来の資産を削らなくても、ドルを刷って渡せば、それで取引は成り立つ。しかし、調子に乗って、ドル紙幣を刷り続ければ、当然ドルは世界中に溢れ、その価値は低下する。結果として、その元本的役割をする国債にも連動し、その価値は下がったのでは。一説によるとアメリカの累積財政赤字は6500兆円(?)と言われている。尋常ではない錬金術に問題があったように思える。

 むろん、私は経済学の素人なので、ピント外れなことを言っているかもしれない。ただ、この米国債は、サブプライムローン債権と同じ匂いがプンプンする。

 「価値の低いものに、高い評価を与え、高い価値に見せかける」 

 まさに、サブプライムローンと同じ手法である。考え過ぎかもしれないが、どうも我々はアメリカに騙され続けているように思えてならない・・・。


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日本国債格下げ、なぜ日本は怒らないか。 [経済・財政]

 日本の国債格付けがまた引き下げられた。

 アメリカの民間格付企業の1つであるスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)によって、日本国家の価値が決められた。「AA」から「AAマイナス」へのステップダウンである。ちなみに世界中を金融危機におとしいれ、双子の財政危機を持つアメリカは、AAA(トリプルA)の最上級ランクの格付けである。日本は主要先進国の中で、下から2番目、中国、サウジアラビア、クウェートと同格の位置で、いずれも自由経済、民主主義国家としては後進国である。まあ、ナメられたものだ。

 そもそも、アメリカの格付会社がサブプライムのクズ債権をトリプルAで格付けし、それを信用した世界中の人々が多大な被害を被ったのは記憶にあたらしい。つまり、公正公明な評価基準でなく、何か政治的、政策的の目的に基づいて、評価を決めているのは明らかである。

 そんなデタラメな格付会社が出した日本国債の評価を、日本中だれも怒らない。野党自民党谷垣総裁は菅首相の政治音痴を追求する前に、まず日本人として、そのS&PにNG、もしくはレッドカードを出すべきだ。日本がバカにされて悔しくないのか。メディアも中国ばかり批判するのではなく、こうした横暴なアメリカの姿勢も正すべきである。この国は完全にアメリカに飼いならされている。

 しかし、ひとつ判ったことがある。日本国債の価値は、外からこれだけ大きなダメージを受けても、ちょっとグラつく程度で、本質的にはビクともしない。つまり、最上ランクのトリプルA並みの信用があるに等しい。

 逆にアメリカやイギリスの国債が、日本と同じランクに格下げされたらどうなるだろう。たちまち、大暴落が起き、世界中が、また金融危機の渦に巻き込まれるのは必至であろう。

 この日本国債の信用の高さには、カラクリがある。それは国債を保有する95%が日本人で、あとの5%も海外の優良企業や機関で占められている。つまり、日本国債の債権者は、決してその時の損得で動かない、世界で最も信用できる人達で成り立っているのだ。それに対して、アメリカ国債の債権者は主に日本と中国、そして世界中の国々に広がる。今は中国が一番の債権者になっているため、彼らがこのS&Pのように勝手にランクを変えれば、アメリカ国家をグラつかせることもできる。したがって、信用できる債権者が買い支えている訳でないから、はっきりいってトリプルAの信用できる債権とは言い難い。

 そう考えると、日本は国債に対して、世界でいちばん頭のいい戦略を取っていたのかもしれない。ただ、日本の国債も借金だらけの財政では決して褒められたものではない。早急に財政再建を進めるべきであろう。

 国債の価値は、日々の金融、経済の営みに左右するものあるが、それと同時に国家の安全に関わる大事なものだ。とにかく、海外に甘くみられないように、政治の舵をしっかりとってもらいたい。


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与謝野さんのヘッドハンティング、企業、スポーツの世界では当たり前だ。 [経済・財政]

 菅首相の第2次改造内閣が発足した。小幅ながら、政策課題に向けて手堅い布陣を敷いた人事である。目玉はやはり経済財政大臣の与謝野さん、社会保障制度と税制を担当する。藤井裕久元財務大臣の官房副長官というのも面白い。

 私は個人的に良い内閣だと思っている。野党からは「たらい回し内閣」「リサイクルにもならない廃材内閣」などボロクソの評価がでている。しかし、自民党の谷垣総裁、みんなの党の渡辺代表、その顔にはあきらかに焦りが見えている。それはそうである。自民党の中でも派閥に頼らず、実力で政権中枢に登りつめた与謝野さんを、ライバルの民主党がヘッドハンティグしたのだから。民間企業やスポーツの世界ではよくある話であるが、政治の世界では衝撃的だったのだろう。

 与謝野さんの大臣就任について、賛否両論あるのは確かだ。だが、政治家のだれもが避けてきた社会保障と税制の改革を真面目に、しかも真正面から取り組んできた人材である。それを評価せず、つまらない話だけで足元をすくうのはあまりに惜しい。特にマスコミがそれを火種にして、世間を煽りそうな気がしてならないず心配だ。

 今は「政治家の資質くらべ」で遊んでいるほど日本にはゆとり、余裕はない。いずれにしても、日本人すべての考え方が同じでないのだから、政治の考え方、進め方に異議がでるのは当然である。また、うまく進まないのも成熟した民主主義の宿命、国民はそれをもう少し認識し、しっかり腰を据えて見守ることが大事だ。

 今回の閣僚メンバーは実務的な人が多い。おそらく、今の野党では揃えられない人材であり、すべての国会議員を眺めても、ベスト、またはベターの人材をセレクトしたと言ってもいい。つまり、スポーツでは一軍の選手であり、それをどうこう言っても、次にもっといい人材がいるわけではない。結局は国民が選んだ人材なのだ。文句を言っても始まらない。

 とにかく、この日本丸はこの人達に託すしかない。政治の最大の目標は最大の不幸、戦争を無くすことである。そして貧困を無くすことである。菅内閣はそれをしっかり見据えてほしい。

 現在のアジアは中国、北朝鮮と不穏な空気が漂っている。また一億総中流社会と言われていたが、実は貧困も忍び寄ってきている現状がある。すぐ隣に不幸がきているのだ。国民はそれを自覚して、政治を見守り、そして前向きな姿勢で、協力していくことが大事であろう。そうしなければ、一歩進まず、良くなっていかない。


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名言に「変化はチャンスの源泉」とあるが、円高はチャンスか。 [経済・財政]

 この夏、猛暑と円高のダブルパンチで、日本はすっかり疲弊している。

 長期にわたる猛暑は経済にプラスマイナス大きく影響を与えた。、エアコンや清涼飲料水など予想を超える需要でホクホクであろうが、暑さと乾燥で農業をはじめ、大打撃を受けた企業や個人事業者などの方がはるかに多そうだ。まあ、大自然の猛威には逆らえなし、多少のあきらめもある。

 しかし、円高はそうはいかない。これまで90円台で推移していた円レートが一気に80円前半まで買われた。急激な円高は、輸出企業にとって深刻な問題である。1円の円高でさえ苦労して得た利益がただ空しく消えていく。一方輸入業者は逆のパターンであるからメリットの方が高い。全体を見ればプラスもあり、マイナスありで良さそうであるが、自分の責任でないところで損をするとなれば穏やかにはなれない。しかも日本は今でも製造業中心の輸出経済である。むしろ円安を望む声の方が大きくなるのは当然かもしれない。

 政治に要求されることは、円レートの安定である。つまり円の変動がなければ為替での損得が生じなくなり、安定的な経済活動ができる。確かに、為替の安定は望まれるが、多少の変化も必要である。政府や日銀の絶妙な政策で1円たりとも為替が変動しなかったら、経済は活発化し、景気は良好になるかと言えば、必ずしもそうなるとは限らない。おそらく企業の体質は温室の中で弱体化し、世界の中で競争力が低下してしまうのではないかと推測する。強い競争力と変化への適応力は、やはり厳しい環境で育まれる。

 ただ企業は利益第一であるから、厳しい円高をかわす為には、工場の海外移転の選択も余儀なくされる。それでは企業の業績が幾ら好調でも、国内で雇用の創出がなければ、日本にとってメリットが低い。前回の円高騒動では110円台から90円台まで一気に変化し、各業界が壊滅的と言われたが、最も心配された自動車業界も現在利益を出している。血の出るような努力でその成果を得られたと思うが、それによって企業の体質はさらに強化されているように思える。

 今後、日銀と政府は何をするべきか。まずは、お互い歩調を合わせ、景気対策も含め、為替相場の安定に努めることは重要である。しかし、それだけでは十分とはいえない。企業がそうした状況に迅速に対応できるような環境整備、また弱体化した企業にはフォローする体制など、全体的に円高対応できるしくみが必要だろう。また、輸出中心の企業もドル建だけでなく、円建てやユーロなどで取引する体制づくり、あるいは円高を利用してM&Aを行うなど、為替変動を利用してビジネスに結び付けていく仕組みづくりも求められているのではないだろうか。

 1990年代の最も優秀な経営者として世界の称賛を浴びているジャック・ウェルチ米ゼネラル・エレクトリック(GE)会長が「変化はチャンスの源泉」と唱えていた。変化に対しては色々備えは必要である。しかし、それだけでなく前向きに捉えればもっと別の世界も見えてくるのではないか。この厳しい円高の変動もチャンス到来として見れれば、きっと新しい展開もあるはずだ。そうすれば、日本の経済も元気がでそうだし、また、そうありたい。
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消費税、まずは議論を開始することが大事だ。 [経済・財政]

 ようやく消費税引き上げに向けた税制改革の話が出てきた。
借金漬けから、自力再建に向けて、やっと1歩踏み出したところだ。ただし、国民の理解はそう簡単に得られるものではない。社会保障費が増加している中、このまま進めば、日本の財政破たんは目に見えている。誰もが分かっていたのに、政治は相変わらず各党の足の引っ張り合いで、大事な国民の問題になかなか着手されない状況がつづいていた。そんな中での菅総理の税制論議の一言は批判もあるが、意義は大きい。とにかく、この問題は道は険しいしに、残された時間も少ない。早く着手することが重要である。

 ただ、頭で分かっていても、いざ、自分の生活の中で10%の消費税がかかるとなると、それは、待ったと言いたくなる。ここ数年、給料も上がらず、この先雇用の不安もある。まだ、自分は恵まれていると思うが、5%が耐えられない人達も多いはずだ。

 そんな状況で、消費税を論議するのだから、大いに揉めることは当然である。少なくても、消費税を上げることで、将来の安心が保障されない限り、みんな納得するはずがない。おそらく、年金、医療など社会保障制度と合わせて議論を進めなければ将来の姿が見えなてこない。いままでにない総合的な政策を視野に入れ議論しなければならない。そんな税制改革ができるのか。

 まずは、議論無くしては何もはじまらない。各党は、つまらない足の引っ張り合いをやめて、はやく日本が安心できる将来をまじめに議論してほしいものだ。
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アメリカはトヨタのリコールを偉そうに言っているが、世界中は、サブプライムのリコールを求めているはずだ。 [経済・財政]

トヨタ、ホンダがアメリカで狙い撃ちされている。
安全性が問題で、その対応に迅速性がなかったのは否めないが、
アメリカもここぞとばかり攻めに入っている感じがする。
ここは、日本としてはしっかり対処し、信頼回復につなげなければならない。

しかし、アメリカは実に偉そうだ。
1年間のサブプライムローンはどうなったのかと言いたい。
サブプライムローンこそ、欠陥品であり、不良品だ。
これを手にした人達はどうなったのか。
大損と嘆くだけなら、まだいいが、人生を狂わせた人もおそらく数え切れないくらいいるだろう。
中には、それを苦に命をたった人も世界中で大勢いるはずだ。

本来ならば、アメリカのこれに関わった会社はすべてに、
リコールとして、損害分を返済しなければならないのではないだろうか。
しかし、結局は踏み倒し同然。
それが原因で、現在も苦しい経済状況にある欧州の国々をよそ目に、
アメリカは徐々に経済を回復させている。
とくに、手をさし伸ばせることはなく、
アメリカの経済回復こそが世界経済の安定だと言い切っている感じがする。

アメリカという国は、本当に同盟国として信頼できる国なのだろうか。
実際は、自分の損得だけで日本と付き合っているのではないだろうかと思ってしまう。
たぶん、普天間問題も、アメリカの損得で、また日本が翻弄することが予想される。

鳩山首相が、国連の演説で対等な日米関係を宣言した時は、
アメリカに対等とはおこがましく、防衛の面でもそんなこと言っても大丈夫なのかと思ったが、
最近、日本が抱く日米同盟とアメリカの考えは全く違うのではないのかと疑問を感じるようになってきた。

アメリカが自国のことばかり考え、仲間の国々を踏み台にするならば、
少し考えを改めなければならない。
戦後65年経ち、日本はGDP2,3位の経済大国であり、技術力の面では世界のトップといっても過言ではない。
世界主要国の中でも、十分実力のある国である。
いつもアメリカの後ろばかり見ているのではなく、
むしろ、アメリカの敵対とする中国、ロシア、あるいは中東諸国とも日本独自の付き合いをして、
日本らしい生き方をするのも1つではないだろうか。

これまでの国のあり方と発想を切り替えなければんらないが、
明治維新の時代ならば、そう考え方が強かったのではないかと思ったりする。
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財政計画に必要なのは、歳出のダイエットと借金スパイラルのストップ、それに国民の財布を緩めること。 [経済・財政]

 日本の国家予算を一言でいえば肥満だ。

 事業仕分けでダイエットを試みても、せいぜい、おやつを少し減らした程度で、贅沢な食事は殆ど変っていないと言っていい。問題はこれだけ贅沢を借金で支える財政になっていることだ。本当にどうなっているのか、家計を預かる主婦の感覚ではありえないことが、この国の財布で起こっている。財政規律ということばはあるが、今は国債を発行しても、景気を刺激するべきだという大臣や経済専門家もいる。何が正しいのか、わけがわからない。

 いま、日本には1400兆の貯蓄があるが、その殆どが65歳以上のお金だという。年金をもらって、さらに貯金している人も結構いるようだ。一方、若者や働き盛りの人はというと、就職難、派遣切り、リストラなど社会の荒波は高く、生活に苦しんでいる人達が多く、子どもいる家庭では経済的な苦しさに、さらに拍車がかかっている。どこか歪んだ社会構造だ。

 もういちど冷静に経済を見れば、今の日本、借金も多いが、貯蓄も多い。
65歳以上の人達が貯金の5%を使えば約70兆円が市場に回り、理屈の上では国債を1円も発行することなく、解決する。つまり100万円の貯蓄の内、5万円である。この程度ことで世の中上手くいくならば、政府が国民に協力を呼びかければいい。しかし、年金など、将来の不安があるかぎり、貯蓄を減らすことに抵抗があるだろう。つまり、政治を根本的に直さない限り、経済は上手く回らないのだ。

 来年度の予算では、国債発行額を約44兆円になったようであるが、結局、「約」という文字を加え、財政規律の上限をぼかした事で落ち着いたようだ。借金して、その金利をまた借金で返す構図は、滑稽としかいいようがない。デフレスパイラルを阻止するために、借金スパイラルをしていてはますます経済の悪循環が進む。

 国家戦略室の動向を見ているが、なかなか戦略の展望が見えてこない。そこで、私が勝手に考えてみた。

①財政ダイエット計画
  歳入と歳出を同じくらいにするよう、大胆な歳入カットをする。
  本年度、歳入(税収入)が40兆以下ならば、歳出は60兆以下にする。
  また、一般会計と特別会計をあわせて、予算をつくる。
②借金スパイラルのストップ計画
  国債は歳入の20%以下にする。
③財布の紐緩め計画
  65歳以上の人で100万円以上の買い物をした人は消費税をゼロにする。(1年間の期限付き)
  多少、税収が減っても、大きな景気対策になる。

 こんなことができれば、おそらく、日本の経済に活気が戻ってくると思うのだが、いかがであろうか。
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赤字国債は単なる借金か。 [経済・財政]

赤字国債のことが、どうもよくわからない。

 現在、日本の赤字国債は約800兆円。
しかし、毎年貿易黒字、国家としての貸借対照表によれば250兆円の黒字で、世界最大の債権国家と言われている。国内で「大赤字」と言われながら、世界の中では「黒字」、実に不思議である。

 これだけ借金しても国債が暴落しないカラクリは何か。
その大きな要因は、貯蓄残高1500兆円という莫大な国民の資産が、国際的な信用を繋いでいるからだろうか。
 極端に言えば、まだ差し引いても700兆円ある。まだ、ガタガタする状態でないのか。
専門家の中には、景気回復するために、まだ赤字国債を発行すべきだと平然と主張する人もいるので、こんな事も考えてしまう。

 でも、不思議だ。自分達の将来からお金を借り、さらにその金利も将来から借りて、経済が成り立っている。
個人レベルでいえば既に破綻状況であるが、国ではまかり通るのか。それとも借金にもテクニックがあるのか。

こうした、国債に対して、政府としてはどういう道をとるのか、次の2通りを考えると
①国債の価値が崩れず、経済が順調であれば、借金を上手く使うべき。
②経済が苦しくても、国民が我慢して借金をしない方がよい。

①の上手くというのがクセモノ。国債を日銀が金利政策などで操作して、価値を維持できるのかよくわからないが、そうした方法で、いままでそれが選択されてきたよな気がする。しかし、借金から抜け出せない。
②は正しい考えであるが国民の理解を得るのは難しそうだ。
そうすると、①と②の中間的政策で落ち着くのか。いずれにしても、厄介な代物だ。
 
 以上、国債の不思議さを書いてみたが、もうひとつ別の角度から眺めて思うことがある。
たとえば、世界から日本を観るとどうのように映るか。
1500兆円の貯蓄残高は、世界の富をひとりじめにして、しかも蔵にしまい込んでいることを意味する。当然、海外の国々は黙っていないだろう。世界の大部分の国は貧困に苦しみ、それが戦争の種にもなっている。世界的に見れば非常に不公平な状態だ。ただ、日本の国民は、そんなことは考えていない。自分たちの将来の不安の備えて、ひたすら貯め込んでいる。日本の中にも貧困が大勢いるが、統計的にみれば日本は、豊か過ぎるくらいである。国際的に見れば、「独り占めするな、困っているところへ金をよこせ。」となる。
 私の全くの推論であるが、そこで財務省は、国にお金がないことを見せかけるため、赤字国債を乱発し、海外から財産を奪われることを阻止しようとしたのではないか。国民が使わなければ、国が使うしかない。そんな途方もないことも想像したが、これは全く根拠がない。
 でも、個人レベルで考えれば、たとえ、お金を持っていても、苦しいふりをした方が、安全であるし、対外的には得である。

 いろいろ考えると、赤字国債は「悪玉」と「善玉」があって、実は日本の場合、いまのところ「善玉」でさほどの心配はない。ただ、「善玉」も気をつけないとすぐ「悪玉」に変わってしまうので、今後の取り扱いは要注意と言ったところなのだろうか。

 取りとめもなく書いたが、国債について、まだよくわからない・・・




 
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消費税の増税の論議の前に、まず特別会計を洗え。 [経済・財政]

 新政権は子ども手当てなどの生活支援のための財源を確保するため、公共事業をはじめ、各省庁の無駄使いの洗い出しに懸命だ。何とか2.5兆円程度の財源は確保できそうだが、さらなる上乗せを目標に頑張っている。けれども削減を宣告された側の反発は激しい。ダムや高速道路の凍結に対して、連日、自治体の首長たちの政府に異議を唱えている姿が報道されている。多くの人達の利害関係が絡んでいる為、簡単には収拾がつきそうにない。そんな状況に対して、マスコミや経済の専門家たちは、財源がなければ増税(消費税アップ)を考えるべきと口をそろえて指摘する。

 たしかに国に予算がなく、国債で借金をするならば増税もと考えなてしまう。だが本当にそれでいいのか、まだ、やるべきことがあるのではないか、もう一度真剣に見直す必要がある。
 小泉さんの時代に、当時財務大臣であった塩川さんが、「母屋(一般会計)ではおかゆを食べてケチケチ節約しているのに、離れの座敷(特別会計)では子供たちがすき焼きをたべている。そういう状況が実際おこなわれているんだ。」といったことが頭に浮かぶ。今の新政権でもまさにその状況が続いている。

 現在の税の内訳をみると、一般会計が80兆、特別会計が230兆である。特別会計の内容をみると主たるものは年金や健康保険料、その他、電気や石油、ガソリン料金の上乗せ分や高速道路料金など様々なところから徴収されたものである。実は、「税金」と呼ばれない「税金のようなお金」がもうひとつの財源として莫大にあることが国民にはきっちり説明されていないのだ。また、この会計は一般会計と異なり、政府で歳出を決めているわけでない。各省庁の采配で切り回されており、どこにどれだけ使われたか不明なものも多い。いわゆる政治の意思が効かない「官僚の財布」なのである。
 
 それはさて置き、日本の財源は80兆円でなく、310兆円なのである。その中で、年金などの社会保障関係は安易にいじれないとしても、融通がきく財源もあるはずだ。はっきり言って、3兆円は全体からすれば1%誤差にちかい数字ではないだろうか。社会保障費も高齢化に伴い年々増大し、2025年は141兆円と言われている。でも、300兆円あれば約半分だ。ただ、数字だけ見ると、消費税を上げなくても、実はやっていけるのではないかと思ったりする。

 いま消費税の増税論議が始まろうとしているが、なぜ、この特別会計を先に論議しないのだろうか。
とにかく、以下のことをもっと深く知りたい。

・埋蔵金(歳入ー歳出額)がいくらあるか。(元財務官僚の高橋氏が、たしか30~50兆円くらいと指摘していたが、そんなすごい金額が本当にあるのか。)
・お金の流れをチェック。(会計監査を入れてチェック)
・特別会計と天下り団体の関係
・特別会計をすべて一般会計に一元化できないか。

以上のようにお金は隠れたところにまだまだありそうだ。消費税の増税論議の前に、まず特別会計の洗い出しが先決なのではないだろうか。
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経済システムの転換に大いに期待する。 [経済・財政]

 円高、株安で、日本経済はパッとしない。
地方経済の疲弊、中小企業の倒産、失業率の増大、リーマンショック以降、日本の実体経済は相変わらずひどい。しかし、最近では株価やGDP成長指標からは、景気が底打ちし、日本経済は回復の基調も見られるとの話である。この実態との乖離は一体何なのだろう。

 マクロとミクロ経済のギャップなのか。なぜ、そこまで開きがでるのか。
今の経済を見ていると、日本のGDPの莫大な資産の殆どが、大企業と金融機関の間のみで潤滑し、中小企業や個人企業にはその一部しか回っていない。人のからだで例えるならば、血液が動脈や静脈では勢い良く流れているが、毛細血管には行き届かず、末端の組織では瀕死の状態を引き起こしている。つまり、末端組織である中小、個人企業は倒産寸前で非常に深刻な状況である。

 今までの経済対策では、****政策という制度をつくり、まず官僚の天下り先にお金をプールし、そこから特定の団体や企業に資金が廻る仕組みが取られてきた。その結果、マクロ的な効果は一時的に得られたが、ムダなハコモノや特定行政法人やそれに関連する諸団体が増殖し、長期的には金を食い続けるシステムまで作り上げ、それが今日財政を圧迫させる原因になっている。

 景気回復について、これまでの政府の説明では、まず、けん引役の大企業や金融が立ち直り、経済基盤がしっかりしてくれば、すべて底上げし、国全体の経済が良くなる。だから、第一に大企業の活性が重要なのだという主張であった。しかし、実態はマクロ経済がよくなればミクロ経済がよくなるという図式ではなく、一部の活性化だけで、むしろ力のあるところと無いところの格差が広がり、社会的混乱を増幅しただけのような気がする。これは決して国民が望んでいる社会ではない。やはり、弱者や本当に働いている人達が正当な対価を得られる社会でなければならない。

 では、どうすればそれを変えられるか。今回の政府は、子ども手当て等の諸手当、雇用の最低賃金、職業訓練者の生活保障など、バラマキと言われているが、基本的には弱者に資金が回るしくみ作りを考えている。これで解決とはいかないだろうが、経済の流れとしては良い方向になると考えられる。だが、今まで資金が流れていたところにいかなくなる訳で、それがどのような支障を及ぼすか、不平不満がでてくることも必然であろう。政治的に調整していかなければならない課題が多々でてきそうだ。

 でも、これまで硬直したシステムが、一歩変ることは大いに期待したい。すべての人がすべてハッピーになれる社会なんてありえないが、少なくともまじめに働き、社会に責任を持っている人達、また社会の中で真剣に生きている人が、より良く生きていける社会でなければ意味がない。

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どうする郵政民営化。 [経済・財政]

 現在、郵政民営化が大きな暗礁に乗り上げている。

 2年前、小泉構造改革の本丸として実施された郵政民営化、「郵便」、「貯金」、「保険」の三事業を民営化を柱に4分社化(日本郵便、郵便局、ゆうちょ銀行、かんぽ生命)。最後に株式を売却し、完全民営化というシナリオで進められた。だが、リーマンショックが引き金になり、日本の経済は急激な不景気に陥いり、これまで小泉・竹中路線で進めてきた経済対策も、弱肉強食の競争社会、格差を広げたなど批判が相次ぎ、郵政改革もそれと同様、負の政策とされ、一気に見直し論が噴き上がった。

 結局、今回の選挙では与党、野党ともに、郵政見直し論が大勢を占めた。この先、民営化がどうなるのか解らなくなった。

 特に見直しで問われているのは次の2点であろう。
①事業の採算割れによる郵便サービスの低下(地方の切り捨て論)。
②巨額な資金が外資系(禿げたかファンド等)に流れる恐れ。

 選挙では①についての懸念を訴えている候補者が多いが、実は②の問題が最も重大ではないか。現在は郵貯、簡保あわせて約300兆が国債、地方債に塩漬けになっている。おそらくアメリカはその資産を狙っている。当然、民営化になれば資産運用上外資に資金が流れる可能性は高い。経済の活性化に繋がるかもしれないが、リーマンショックのような事態が起これば、資産を一気に失うこともなりかねない。

 それでは、どうすればいいのだろうか。個人的には、民間銀行のような資産運用は反対、従来のような無駄な公共事業に投資するのもダメ。できれば資金繰りの苦しい中小企業や地方の活性化につながるところに資金が回るようにできればいいと思うが、これも一歩間違えば、つい最近破綻した新東京銀行と同じ道を歩むこともあり得る。考えれば、考えるほど良い答えが出てこない。

 しかし、どのようにやっても上手くいかないのであれば、最も人に役に立つ郵便局、いわゆるユニバーサルサービスを主体とした機能を目指すのも1つの方法だ。すでにクロネコヤマトや日通などの運輸会社や銀行、保険など民間の会社が殆ど地域を網羅し、そうしたサービス面ではこれらの企業に勝てるものではない。超優良企業のJRやNTTを目指すのではなく、もっとオリジナルな、昔から喜ばれ、頼りにされてきた地域の郵便局の姿が一番日本のシステムに馴染むように思える。

 民主党が政権をとったら、どんな展開で進むのか。今後も注意深く見ていきたい。


タグ:郵政民営化
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