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景気対策に必要なことは将来のビジョンと覚悟だ。 [経済・財政]

 日本はデフレで景気が悪い。誰もが頭に浸み込んだ概念である。

 その根本の原因は何だろうか。円高、市場にお金が回らない、あるいは所得が減って購買力が落ちていること、色々あげられるが、どれもすべて正解であり、見方によっては不正解でもある。

 では現実の世界、たとえば街を見渡すとどうか。歩行者の数よりも駐車台数を含めると車の数の方が遥か多く観える。また、マンションや住宅がひしめき合い、すべての住戸が本当に入居しているのか疑わしい。ある場所では数十年前に田畑で家が一軒しかなかったはずだが、いまでは大型マンションが立ち並んでいる。世の中少子化が進み、人口減を辿っているのだから不思議でたまらない。

 つまり産業構造に大きな矛盾があるのだ。一般的に会社は成長するために前年度よりも売り上げを伸ばす目標を立てる。だが市場(需要)は減っているのに、さらに拡大しようとしているのだから、計画通りいかず業績が悪くなるのは当たり前だ。海外に目を向ければ売上を伸ばす余地もあるのかもしれないが、当然リスクを伴うし、また安いものでなければ売れない。だからみんな裕福な国内にターゲットを求めるが、結局過当競争になり採算性も大きく崩れる。

 前からも言われ続けていることだが、日本は高度済成長期から現在の成熟期に向けて、産業構造を大きく変えていく時期にあるのだろう。当然、新陳代謝的に廃業に向かう企業、職種もあろう。だが、そうした過程を経なければ新しい産業体制は構築できない。実は非常に苦しい、また難しい時期に差し掛かっているのだ。

 先ほどの建設業も新しいものを造るばかりでなく、リニューアル主体に変えていくべきと思うし、その他の産業もいま本当に求められているものをつくっていく方向に目を向けなければならない。むしろ、環境(新エネルギー)や文化、芸術を含めた日本ブランドを確立して、世界に輸出していくのもひとつであろうし、日本のこだわりの技術、最新の科学技術など更なる特化を目指すべきであろう。そうした潜在能力があるのだ。

 これらは今すぐに成し遂げられるものではなく中長期の目標である。だがいま日本で一番求められていることは、そうした将来のビジョンであり、それをやり遂げようという意思、覚悟であると考える。

 そのための明確なビジョンづくり、そしてそれを誘導する決断こそが、政治の大きな役割ではないだろうか。


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