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若者が使う「やばい」という言葉、どうも気になる。

最近、若者がやたらに「やばい」という言葉を発する。
例えば、おいしいものを食べたとき、「これ激やばー」とか、
コンサートで涙が出るほど感激したとき「ほんと、やばい!!」
仕事で出来過ぎるほどうまくいった時、「まじで、やばくないっすかー!」とか。
いずれも、「最高!!」とか、「すごくいい!!」とびっくりマークが2つ付くくらいの良い意味に使われている。でも、本来の意味は、それと逆なのではないか。
「これはやばいよ!」と言ったら、「これはまずいよ。危険だよ。」という否定的な意味を表すのが一般的でマイナスのイメージが強い。しかし、若者は違う。むしろポジティブな感覚に使っている。
 
これは正しい使い方なのか。辞書で「やばい」を調べてみると、「身に危険が迫るさま。あぶない」とあり、自分が思っている意味そのものであった。そうなると、若者が使う「やばい」はいつからなのか。最近の傾向なのか。そして、どのように誕生したのだろうか。
 
おそらくの推測であるが、発信元はアニメあたりではないか。そしてSNSを通じて若者の間で拡散し、いまや本拠本元のネガティブな意味を凌ぐほど、「最高、感激」といったポジティブな意味のことばとして認知されるようになったのではないか。
 
でも、よくよく考えると、単に反対語ではなく「気持ちが危険なくらい最高で、感激!」という否定と肯定を混在した意味で、より感性を豊かでアクティブに使っているようにも思える。決して的外れな悪い使い方ではないように思える。この「やばい」を一方的に若者ことばで「けしからん」と敬遠せず、年配者もその意味で使ってみるのもいい。言葉にはその時代を反映させる精神性のようなものが乗ってくるものだ。生きた言葉は、化石のように固定したものではなく、さまざまな人たちの会話の中で新陳代謝を繰り返し、新しい息吹が吹き込まれ、少しづつ変化していくものだ。言葉はつねに新鮮さを求めている。
  
そして、その「ことば」が本物であるか、それには試練がある。
十数年後の歳月を経ても、人々の中で依然と残っているか。ただ一時の流行であればその意味は抹殺される。はたしてどうか。
 
10年後、「やばい」の姿を、もう一度検証してみよう。 

タグ:やばい
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