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スローフード文化の時代 [文化・歴史・芸術]

 スローフード。その土地の伝統的な食文化、食材を見直す運動で、1986年イタリアのカルロ・ペトリーニさんによって提唱されたという。

いま日本はまさにスローフードブーム。和食や地酒、地元の特産品を活かした郷土料理、B級グルメ などなど。日本の食文化、食材のレパートリーは世界に類を見ない豊富さであろう。また、伝統的なものばかりでない。新しい発想のものも次々あらわれる。日本人のお家芸である和洋折衷。世界中からいろいろなものを取り寄せ、アレンジし、自分たちの好みにあったものに仕上げる才能は古来から健在である。

 そうした文化が、いま外国人に注目され、日本への観光人気につながっている。

 これまで当たり前と思っていた日本文化、特に食文化はおそらくダントツ世界ナンバーワンではなかろうか。経済は中国に抜かれ世界第3位、さらに数年後にはインドにも抜かれると予想されているが、この食文化は、質と深さの面で100年かけても覆されることはないだろう。

 日本の食文化は人々の食に対する思いだけで築き上げられたものではない。四季折々の気候、周囲は海に囲まれ豊富な魚介類や山間部から湧き出る良質な水、農作物が育つ土地など、世界中でも稀にみる自然環境に恵まれたからこそ、おいしい食材を得ることができたのだ。その幸のおかげといっても良い。

 しかし、20世紀以降、日本のそうした豊かな自然も経済効率から徐々に破壊されつつあり、かつてほどの恩恵も危うくなりつつある。

 スローフードは、食文化を中心に、環境を見直す良いきっかけである。やはり、食卓が文化の中心にあり、人が集い、街や産業が栄えていく構図が、もっとも居心地のよい社会である。ギスギスしたストレス社会とはちがった生活が見えてきそうだ。スローフード文化こそ、いま日本が最も目指す道に思える。 


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