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イランの報復攻撃、中東戦争に発展しないことを祈る。 [外交・防衛・海外]

中東地域がこれまでになく緊迫している。
イスラエルのやり過ぎるほどのガザ地区への攻撃。今度はこれがブーメランのように帰ってきかねない。
この地区の歴史を肌で知らない我々は、何が起きて、何が真実なのか理解不能であろう。
 
いま日本はアメリカという世界に君臨する大国のもとで、一蓮托生として生きている。
戦後、アメリカからもたらされた民主主義や自由主義、資本主義を忠実に遵守し、欧米のアングローサクソン的な生き方にならって、いまの日本は回っているといっても過言では無い。
イランとアメリカやイスラエルの対立は、単に専制主義と民主主義の違いからくるものではない。
もっと根源的な宗教や人種の違いからくるアレルギーであり、もっと言えば、生理的に相容れないものがあるように思える。さらに欧米の軍事産業が兵器を大量消費して、一儲けしたいという思惑もチラリと観える。
とにかく危険なにおいがプンプンしており、一触即発の危機が迫っている。
 
そのアメリカがイランを悪の枢軸と決めつけ、民主主義国家に同調を呼び掛けている。
G7をはじめとする欧米諸国は連携の意を示しているが、日本はどのような姿勢を示すのか。
日本は、イランをはじめ中東諸国から多くの原油を輸入しており、その恩義がある。
また、欧米諸国のようなイスラム諸国に対する嫌悪感などまったくない。
政治的に悪の枢軸と敵対しなければならないのだろうか。 
 
さて、一般の日本人の本音はどうなのか。
推測であるが、ほとんどの人たちは、普段接することもない遠い異国の国であり、「わからない」というのが実感と思う。でもそんなイランの人たちが日本に来たら、人種、宗教に隔てなく受けいれる、それがこの国のいいところだ。
また、イランや中東の国の人たちは、日本に対するイメージは悪くない。むしろ友好的にする思っている。それが敵対するアメリカに同調するとなれば、何か裏切られた気持ちになるに違いない。なんとも心苦しい気持ちだ。
 
日本は戦争に負けて、戦勝国の属国になったがすでに75年も経ち、そろそろ精神的にも脱却してもいいのではないだろうか。目先の損得勘定からすれば、アメリカ抜きには考えられない。しかし、現在の世界情勢は大きく変わり、国力による均衡も数十年前とまったく違う次元だ。その中でいかに平和で安全に生きていくのか、高度な外交力が求められる時代になってきていることを自覚すべきだ。
 
日本は小さな島国であり、エネルギー資源も豊富でない、また食料も自給不可能であり、世界中の恩恵を得ながら生きていかなければならなことを、すべての国民はもっと認識しなければならない。
いまは敵対国と対立することでなく、融和することが大事であり、そのために何をすべきなのか。
こんなことを論じられるのは政治家しかいない。
ただ、動向を見守るだけでなく、未来を見据えた議論をしてほしい。もしかしたら国家存亡のがかかっているかもしれない。明治維新の時の同じような時代の波が押し寄せているのではないか。そんなことを思うこの頃である。

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混迷深まるロシア、ウクライナ戦争に思う。 [外交・防衛・海外]

ロシア・ウクライナ戦争はロシアの報復攻撃でさらに混迷を極め、悪化の一途を辿っている。
そもそも、この地域の紛争は根が深く、歴史的に観ればどちらにも非があり、正義などどちらも言えない。
ただ、プーチンが仕掛けた戦争であり、今日もロシア軍の攻撃でウクライナの街を破壊している。
やはり、ロシアにこの悲劇の責任は大きい。
 
この戦争、ロシアが引けばそれで終わるのか?
いまウクライナの東南部はロシアのミサイル攻撃、ウクライナの反撃でがれきの山。
多くの人たちが、傷つき、いのちや財産、それから生活の場を失った。
ここに残ったものは何か。
失望、悲しみ、怒りや怨み、そして復讐心など・・・。
戦争が生み出す最悪のシナリオだ。
おそらく、ウクライナの人たちの心にこの怨念は消えることはないだろう。
そして、これは負の火種として燻り続け、今後の世界に大きな不安を残していく。
 
また、さらにもうひとつ懸念されることがある。
それは、西側諸国がウクライナに提供した大量の武器弾薬、そして最新兵器である。
正式な軍隊でない、パルチザン(民間部隊)、実態はゲリラ戦を展開する非正規部隊の手にそれがわたっている。いまのウクライナには武器管理などの国家管理統制が十分に実施されているとは考えにくく、西側諸国は慎重な対応が必要だ。ただ、いまはロシアの攻撃による反撃が精いっぱいで、こうした重要なことが無防備になっているのが実態ではなかろうか。
   
かつて、アメリカが旧ソ連のアフガニスタン侵攻の時、純真な放牧民に武器弾薬を提供し、ゲリラ戦法でソ連と戦わせた構図に似ている。
 
その結果、何が起こったか。
政治不安定が続く中、ゲリラとして戦った一部の人たちが武力集団として力をつけ、やがてアルカイダやイスラム国など世界を震撼させるまでの存在になった。その脅威に晒されているのが現実の世界だ。そうした事実を真摯に受け止め、過ちを繰り返してはならならい。ウクライナで同じようなことが発生するかどうか、いまはわからないが、その懸念は十分あることを受け止めなければならない。
   
混沌とする世界の中で、怒りや怨念は人々を間違った方向に駆り立ててしまう。武力では平和は勝ち得られないものであり、戦争は絶対にやってはならない。いまだプーチンは力で抑えつけようとしているが、やがては、その反作用が同じ大きさと威力でロシアにも痛烈に効いてくるだろう。
 
今後、どうなるのか、まったく観えない。ただ、いまは鎮まる方向に向かうことを願うばかりだ。

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ウクライナ、ロシア戦争はもはや意地の張り合いのようだ。 [外交・防衛・海外]

ウクライナの戦争はどうやら長期化が避けられなさそうにないようだ。これはロシア、ウクライナのどちらにも利がないことは明白である。ロシアには大国のメンツがあり、ウクライナに屈することはあり得ない。
また、ウクライナは民主主義国家群の砦として、西側諸国から大きな支援を受けているから決して弱小とは言えない。
 
当初は相撲で言えば横綱と十両レベルの戦いに観えたが、実際は横綱と前頭。戦争が長引くとロシアは消耗弱体化して、ウクライナは西側の軍事援助を受けて、大関と小結のレベルでの競り合いになってきている。
さらに西側の最新兵器を手にすればウクライナは関脇レベルになり、ロシアを相当苦しめることだろう。
しかし、そんなに張り合い、得るものは何か。大地は荒れ果て、人々の生命が脅かされている。ロシアとて多くの兵士の命が失われている。
 
ウクライナ人もロシア人もそこに住む人たちにとって、食べて生活ができれば、国の旗の色など、本当はさほど気にならないのではなかろうか。ロシアもウクライナも歴史上いろいろあったが、いまでは国家的、民族的には類似して共通点の多い国である。ウクライナの戦闘地域になっている場所も、どちらかと言えば親ロシア派の人が多く住む地域であり、ここがなぜロシアの爆撃にあうのか疑問である。
 
そういった意味でも、今回の戦争は非常に歪んでいる。プーチン大統領とゼレンスキー大統領の張り合いが混沌とした戦争を作り出している。とにかく、戦争はやってはならない。日本も戦争ができる国を目指す声が大きくなりつつあり、少しづつ軍事力強化が進んでいる。世界情勢がそうした方向にあるから、仕方ないのか、しかしながら、危険な方向に進んでいるのは間違いない。日本も戦争体験者は稀少になり、その悲惨さを切実に訴える人はもう殆どいない。この戦争を映画やゲームのように解説している軍事専門家の言葉は極めて覚めており、何か勘違いしそうになる。
 
平和が当たり前と思っているのは大きな間違いで、それを維持することが大変であることを自覚しなければいけない。いまの日本人に一番足りないところだ。先人たちの験や訴えを風化させないように、この終戦の日、我々はあらためて、平和の重みと戦争への警戒を肝に命じることが大事だ。

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ウクライナ侵攻、かつてのアフガニスタン侵攻を彷彿させる。 [外交・防衛・海外]

ウクライナの戦禍は相変わらず激しさを増している。
ロシア軍の苦戦とウクライナ軍の善戦は当初の予想から大きく外れ、それがゆえに混沌状態が続く。このウクライナ善戦の背景には西側諸国から武器や弾薬が援助という形で送り込まれている事実がある。民主陣営の国家を守るという大義のなかでは道理もあるが、その副作用でどんな問題が起きるか、我々はそこを無視してはならない。
 
最近の新聞記事で読んだが、ウクライナ側はこの支給された武器、弾薬が混乱の中、管理できていないというのだ。つまり、これらの軍事物資が第3国やテロに行きわたる可能性も十分あるらしく、非常に懸念されるところである。この中には最新鋭のミサイルや新兵器などが含まれているからさらに深刻を増す。そうなると、このウクライナ問題だけでは済まされず、もっと違った脅威が生じて、我々の身近な危機問題になってくる。
 
歴史を振り返れば1979年、アフガニスタンにソ連が侵攻した時も、西側諸国の経済制裁やモスクワオリンピックのボイコット、そして戦争をゲリラ戦にもつれ込ませるために、アフガニスタンに大量の軍事物資の支援するなど、現在の構図とほぼ似ている。
当時、それによりソ連は苦戦の末、撤退を余儀なくされた。この地も一時的には平穏さを取り戻したが、その後、どうなったか。農耕もできない、山羊を飼う程度の貧しい温厚な放牧民に、溢れるほどの武器、弾薬が手渡され、そして戦闘訓練でゲリラとして戦った人々は、すっかり生き方が変わっていく。のちのタリバンもここが原点である。そしてアルカイダやイスラム国などにも大きく影響したのは言うまでもない。
そんなアフガニスタンの凄惨歴史を知るにいは、トムハンクス制作・主演の「チャーリー・ウィルソン・ウォー」という映画を観ることをお勧めする。ここでは勝者なき戦争がリアルに描かれ、この問題の本質が見えてくる。
 
21世紀、平穏な生活をしていたウクライナに、突然襲った戦渦の嵐。
容赦ない爆撃で街も家も焼かれ、愛しい家族や友人、知人を失い、苦労して築いた財産も一瞬に消失し、何もかも失った人々に何が残るか。無念さや憎しみ、または怨念、そうした冷たい負のエネルギーが、いずれ何かのカタチになって現れる。戦争が創り出す一番、醜く、そして恐ろしい魔物だ。
アフガニスタンが紛争の地に変貌したように、この地域からも世界を震撼させるようなことが起きないことを祈るばかりだ。そのためにも、アメリカや西欧諸国、そしてロシアも将来を見据えた平和的解決に向けて対処してもらいたい。国家の威厳や存亡よりも、人の存在が一番大事である。

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ウクライナ問題、人の命を第一に考える。 [外交・防衛・海外]

ウクライナ問題は収束の糸口を見つけられず、戦況は長引く状況が続いている。
そうしている間にも街は破壊され、多くの尊い命が失われている。
何とも言い難い状況だ。
その悲惨な状況を観ていると、お互い主義主張や正当性は空しく、意地の張り合いのようにも観えてくる。むしろ現場で起きている悲惨な実態を直視し、いま何が一番大事かを決断する時期に来ているのではないか。
 
歴史を顧みると、日本でもしばしば同じような場面、状況に遭遇している。
ひとつは幕末の江戸城無血開城。いわゆる幕府の大譲歩。まだこの時期は幕府にも十分戦える戦力はあったが、時の将軍徳川慶喜はあえてその道を選ばなかった。新政府軍との大事な交渉に幕閣の重鎮でなく、今でいう行政役人の課長レベルである勝海舟にすべてを託した。おそらく、慶喜には幕閣では意地の張り合いに終始し、そのために日本人同士が血を流す最悪の事態を回避したいと考えていたのではないか。
 
それから、もう一つが、第二次世界大戦での天皇による玉音放送。いわゆる戦争の終結宣言。軍部の暴走により引き起こした戦争であり、日本の非も大きいが、後半は日本中が火の海になり、戦闘には無関係な女性や子供たちも同様に大きな犠牲を受けていた。当時の軍部は敗北を認めようとせず、たとえ戦禍に飲み込まれようとも最後まで戦う決意でいたようだ。天皇はこの惨烈を極めた戦いを止めるため、また国民の命を守るため、自らを投げ捨て、敗北を宣言することで戦争を終結する道を選んだ。ここでも日本は救われた。
 
当時の日本といまのウクライナ問題を同等に扱うことはできないが、無駄に人の命が失われ、悲惨な戦禍を受ける状況という点では似たところがある。戦争の回避という日本の教訓をウクライナには生かすことはできないものか。
 
日本の2つの戦争終結方法のその後を観てみると意外な結果になっている。。
負けるとすべてが終わると信じて戦い続けていたが、負けてみれば新たな体制が変わり、庶民の生活はまた平和が戻っている。むしろ、以前より良くなったと言っていい。
 
ウクライナは果たしてどうなのか。我々から観ると同じロシア系の顔をしているし、アジア人やアラブ人とは明らかに違う。言葉も文化も共通したところがあるのではないか。おそらく、庶民にとって、ロシアもウクライナも日々の生活をするのに変わらないのでは。たとえ国が変わってもパンの味が変わるわけでもなく、仕事や言葉も変わることはなかろう。はっきり言って、どれだけの人が国家のメンツを持っているか。むしろ、日々の生活が安定していれば、それでほとんどの人たちは満足ではないだろうか。
 
この戦争も一部の国家権力者や国の恩恵を非常に得ている一部の人たちのためのものであって、一般庶民にとってはどうでもいいような気がする。そもそも、そんなものだ。
 
いまの日本人はすっかり洗脳されているが、当時の敵対国アメリカに負けてよかったと思っている人が圧倒的に多いと思う。今日の平和はすっかりアメリカに頼る国になるほど、一般国民には国家感はない。ただ日々の生活が大事なのだ。
 
つまり、一般庶民にとって国家のカタチよりも、日々の食事と住むところ、そして仕事ができ、生活ができればそれ以上望むことはない。それが素朴な平和といえよう。
実は国家よりも目の前の幸せを求めているのが庶民の本当の想いであろう。
そう考えると、ウクライナ問題も見方が変わってくる。もちろん、強国ロシアが撤退することを一番望むところだが・・・。

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ウクライナの戦禍に思う。 [外交・防衛・海外]

毎日、報道されるウクライナの戦禍は悲惨だ。
なぜ、理性を備えた大国が、このような暴力を罷(まか)り通そうとするのか。
単に大国の独裁者1人の判断なのか。
この単純な問いに世界中の人たちが翻弄されている。
何より、当事国であるウクライナ国民、そして攻めるロシア側もその暴力と無謀さに圧倒され、ドン底に苦しんでいるのではないか。
 
ウクライナとロシアは、歴史を遡れはずっと紛争続きの地域というが、それでも同じような顔をした民族同士、大多数の民衆レベルでは、言葉や習慣が違うかもしれないが、お互い通じ合うところも多いと言えよう。
ただ、国家となるとそれぞれの政治的、経済的な主張、別の言い方をすれば思想や思惑など、譲れない姿勢が強くなってくる。譲り合えば上手くいくが、そこに権力者のエゴも重なると事は複雑化してくる。まさに今回の災難は、そこに根っこがあるような気がする。
いかに自分が損をしないで、得につなげるか。お互いが、そんな損得ばかりを尺度にしていければ、いずれは争いが生じ、どちらも譲らなければ、お互い取り返しのつかないダメージを被ることになろう。歴史を振り返れば必然だが、いまだそこから抜け出れないのが、人間の愚かさ、悲しさなのか。
 
これから、プーチンとゼレンスキーはこの戦争を収束させるために全力を尽くさなければならない。他国の力を借りなければならないだろうが、この2人の度量と本気度が試される時にきている。
我々は固唾をのんで見守ることしかできないが、一つ言えることは、全世界が平和な世をつくること、維持することを最大の目標にしなければならないということだ。
そのためには、まず損得だけが尊ばれる社会から脱すること、譲り合う社会を構築し、それを広げていくことが、いま求められていると感じる。

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対韓輸出規制、これまでとは次元が違う展開になりそうだ。 [外交・防衛・海外]

日本と韓国が不毛な争いをしている。今回は日本が対韓国に対する姿勢を180度とは言わないまでも90度以上変えたことで、これまでとは全く違う次元の争いになった。しかし、韓国政府やメディアの論調を聞く限り、相変わらず国民や国際社会に反日姿勢を変えていない。とにかく、日本の怒りを全く気にすることなく、自分たちの被害意識が大きい。交渉するにもスタートラインがまだまだ先にあるようだ。だが、日本の押したボタンは着実に実行モードで進んでおり、このままいけば経済戦争の域にはいってしまう。国と国の乗り越えなくてはならない試練といえばそれまでであるが、お互いの国益を考えればダメージが大きい。

韓国も日本もいま席巻している技術や企業力も絶対的なものではない。代替えが効かないと思っていても、意外とそうでもないように思える。特に半導体をはじめITの世界ではものすごい勢いで技術革新が行われ、欧米や中国、あるいは発展途上とされている国でさえ凌ぎを削る競争を行っている。世界NO1、2といってもオセロゲームのように一瞬にして色が変わることだってあり得そうだ。また、日本も長年培ってきた技術といえども、今度の敵はAIである。経験工学をもろともせず踏み倒す力がある。ここも隙があればあっという間に埋められてしまう可能性もある。ともあれ両国の企業が、ここまで苦労と努力を重ね、今日の基盤を築き上げたのに、それを駆け引きの道具にしなければならない状況にしたのは、政治の愚かさである。政治は国の面子ではなく、実の利益の上に立つべきである。

恐らく、国民レベルでは、こうした話はウンザリで、もう聞きたくないというのが本音であろう。どちらが正しく、どちらが善か、それで判断していけば永遠に決着はない。そんなことを追及しているうちに、どちらも間違っており、どちらも醜く悪であることをお互いが証明し合い、そうしているうちに国際社会で笑いものにされるのが落ちだ。

 まずは、お互い寛容になり、中庸の精神で努力しなければこの問題の解決は難しい。その前提として、お互いの信頼信用、約束を守ること、それを確認してからスタートを切ることが大事だろう。まずはその第一歩の努力からはじめなければならない。ただ現実は厳しそうだ。


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日本、韓国の歴史問題を考える [外交・防衛・海外]

日本の歴史認識、この問題に対する韓国の言動や行動が益々激しくなっている。

特に従軍慰安婦問題は尋常ではない。ソウルの日本大使館前に慰安婦像を設置しただけでなく、アメリカ各地で慰安像や石碑の設置計画が進められている。反省を促しているのか、あるいは嫌がらせなのか、しかし、一番恥をさらされているのは当の慰安婦本人だと思うのだが・・・。「思いやりのない反日宣伝活動」としか観えない。

韓国政府自ら、現代の韓国は世界有数の売春大国であることを認めているし、他国と比較しても性犯罪は極めて高く、大きな社会問題になっているのは海外でも知られた話だ。元慰安婦は女性としての尊厳を傷つけられたとしているが、現代の売春婦(昔ならば慰安婦、性奴隷?)ならば問題ないのか。きちっと報酬で解決しているから良いのか。そんな問題ではない、女性の尊厳とは。日本人にはそのギャップが理解できない。

今日の日本人は過去の歴史をほぼ直視しているし、決して愚かな行為を繰り返してはいけないと心に刻み込んでいる。また、被害を与えた国々にはこれまで多額の賠償(外務省HPに記載)をしている。また、日本は戦争の加害国でもあるが、原爆や大空襲で国内は壊滅し、また戦地に赴いた殆どの若者は戦闘や餓えなどで命を落としている。すべてが倍返しになり、その地獄のような苦しみを他のどこの国よりも経験している。

加害国の悲劇は罰として当たり前と言われても、真摯に受け入れるしかない。だが、すべて日本が悪く、最も憎むべき国、東日本大震災の時には、インターネット上で「喜び」や「お祝い」の書き込みがあるなど、そういう風潮が現在の韓国の中に蔓延しているのは非常に嘆かわしいことだ。

しかし、日本が大陸に進出しなければ韓国はハッピーだったのか。必ずしもそうではないと思う。当時の状況からすればロシア帝国が極東全体の領地を奪取し、現在の韓国はあったかどうか想像できない。さらなる悲劇とて十分考えられる。

過去の歴史について、韓国は一方的な被害者であり、すべて日本の悪意で進められたという論理が正しい認識かどうか、そこを疑い検証する必要もある。大体、どこの国も政治は胡散臭いところがあり、こうした経緯に至るには何かしらの問題があるものだ。

仮に、当時の韓国に強力な軍事力があったならばどうのような行動をとったか。おそらく日本と同じ道を辿ったのに違いない。そこは似た者同士で、韓国軍の従軍慰安婦や日本への侵略とて十分考えられる。結局AがBに、同じ状況が逆転しただけかもしれない。気質の激しさは日本人以上であるから、恐ろしさも半端ではないと想像してしまう。

こうして考えると、19世紀後半、日本が一歩先に先進国になっただけの差。結局、両国とも当時の植民地時代に巻き込まれた被害国であり、当時の弱肉強食の時代に戦くしか術(すべ)がなかったのも事実だ。「勝つか負けるか、生きるか死ぬか」で世の中は動いており、現在のような民主主義的な思考で物事を進められなかった時代の悲劇といえよう。

そうしたことも、歴史問題を考える大きな背景であり、お互いその上で理解していかなければならない。歴史の問題は政治的利害関係や一般人の感情が入れば解決は難しい。2国だけでなく、欧米など第3国の学者が入り、学術的に進めていくことが、最も公平で適正な判断ができるだろう。そうした結果を踏まえて、教科書に反映していけばよいのではないか。

ただ、お互い不利な事実ばかり出て来て、きっと歴史から目を反らしたくなるだろう。それも歴史問題の解決の一つかもしれない。


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中国、韓国はやめて、これからは東南アジア諸国にシフトすべき。 [外交・防衛・海外]

 1.理解し合えない隣国の中国、韓国

今年の尖閣諸島、竹島の領土問題による中国、韓国の反日運動は、たとえ隣国であっても真面に付き合える国であることを痛切に感じさせられる出来事であった。

 戦時中の日本の行為には、確かに反省すべき点もあろう。だが、現在の中国や韓国で子供たちに教えている反日教育はいかがなものか。その内容は度を超え、悪意にさえ満ちている。日本人という民族を賤しく、この地球上の中で最も劣る人種と洗脳させているようさえ思える。戦時中、ナチスドイツのユダヤ人に対する人種感とそう変わらない。

 ここ数年、韓流ブームで、日本人にとって韓国は親しみやすい国のひとつになった。また、サムスン、LG電子、ヒュンダイ自動車など、世界的な企業も育ち、文化と経済面でも強力な新しい友好関係が築けると思い込んでいた。

 しかし、今回の竹島問題の一件で、韓国人の本当の姿を知ってしまった。「日本人は絶対許すことができない。地獄の底に落としてやろう」という念の入った感情を、国民のほとんど、いや若い世代ほど抱いていることだ。私も若干の親しみを感じていたが、実態を知るにつれ、ショックと絶望に近いものを感じざるをえない。彼らの言っている歴史問題の内容は、我々の常識的な内容を遥かに逸脱している。むしろ、お互い話し合うことすら恐ろしい。

 こうして考えると、日本に来ているミュージシャンやスポーツ選手は、日本に好感を持っているように観えたが、実は金目当てだけで、2重の仮面をかぶっていたのではないかと疑ってしまう。

 中国においても、日本は頭痛のタネだ。工場という工場は殆ど中国に移転している。この10年、政治もマスコミもこれからは中国の時代と大きく持ち上げ、また、中国も日本企業の進出を歓迎するかのように受け入れた。たしかに、中国の安い人件費で日本企業も潤った面も否めない。だが、今回の反日運動で受けた傷跡は、今後の中国での経済活動を慎重に考えていかなければならないことを強烈に示唆している。

 この2国の日本対する主張、感情はあまりに極端であり、政治的な思惑が強すぎる。結局、望んでいることは謝罪ではない。日本の凋落と滅亡であろう。

2.東南アジアの親日の国々と真剣に向き合うべき

 日本が太平洋戦争で植民地化したのは中国と韓国だけではない。タイやビルマ(ミヤンマー)、台湾、インドネシア、マレーシア、シンガポールなど東南アジアのほとんどを含む。けれど、これらの国はみな親日と言っていい。国民の過半数以上が日本を親しみを感じると言っている。中にはパラオのように、日本の国旗をあやかって、日の丸のような図柄(青い海に浮かぶ、黄色の満月)を採用したところもある。ここは日本崇拝に近い国だ。

 彼らが日本に対して抱いている親日感情は、戦時中の日本の軍隊、いや日本という国にあるようだ。ある記事で読んだ内容だが、土着民である自分たちを、欧米諸国のように奴隷あつかいせず、同じ東洋人として接してくれ、さらに教育や病院などの普及にも力を注いでくれたこと、それから、日本が欧米諸国を追い出したことにより解放され、自立の糸口を見出すことができたことなど、日本あって現在の祖国があることを、代々語り継がれているという。

 そうしたことが、現代人の彼らの心にも刻み込まれ親日へと結びついている。そんな話を知ると、我々は未開の地で、命懸けて戦ってくれた祖父世代の人たちに感謝しなければならない。また、逆に中国や韓国はなぜ真逆な反応を示すのか理解に苦しむ。それには両国の歴史と政治が大きく絡んでいることは間違いない。北朝鮮を合わせて、これらの国々は清や李朝時代からのドロドロしたものが続いているのだろう。

 3. これからは日本+ASEANの時代を創るべき

 さて、今日の東南アジアASEANの国々は経済的にも力を付けてきている。ミヤンマーも軍事独裁政権から民主化の道が開け、新しい新興国として歩み始めようとしている。ここも真面目で非常に親日的な国民だ。日本政府も経済援助を含め、企業の進出を促進させる方向を打ち出したことは、よい判断だと思う。ベトナム、カンボジア、マレーシア、フィリッピン、そしてインド。もう、中国と韓国をやめてこれらの国々と手を取り合うべきであろう。

 これまでのように「日中韓」中心でアジアを考えるのではなく、日本+東南アジアの視点で経済圏、文化圏を築くことに力を注ぐことも、これからの日本の生きる道であろう。

 日本の若者も東南アジアに行き、新しい世界を開拓するのもいい。次なる新しい世界に懸けるのも良いではないか。中国、韓国の存在は無視できないが、ほどほどの付き合いでやっていくしかないのが現状であろう。


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竹島問題、ガキのケンカは辞めよう。 [外交・防衛・海外]

  日本と韓国が国のメンツと意地をかけて、不毛な争いをしている。お互い侮辱し、傷つけ合い、何ひとつ良いことはない。こんな事では、両国の多くの人たちが力を注いできた日韓親善の努力が空しくなる。

  今回の発端は、韓国の李明博大統領が歴史問題と慰安婦問題を掲げて、竹島に上陸したことから始まる。まだ、そこまでなら日本も従来の枠組みの中での対応であっただろうが、天皇への謝罪のひと言は、国民感情を一気に逆なでさせてしまった。そこから政治レベルでのガキの喧嘩が始まった。

  しかし、冷静に考えてみると、韓国側にとって大統領の竹島訪問で得たものは何だったのだろうか。

  これまで韓国の竹島の実行支配に対しても、日本は極めて冷静に対応を続けてきたと思える。今回の件で、日本政府は改めて自国の領土であることを強く主張せざるを得なくなり、世界に対して日本の立場を発信することになった。結局、韓国に帰ってきたものは「不法占拠」という腹ただしくなる言葉と「国際司法裁判所への共同提訴」という最も避けたい「突きつけ」である。

  韓国側がいくら不当な言動、行為だと主張しても、それはあとの祭り。言えば言うほど、国際社会は冷たく観る。(両国とも思っているほど同情してくれる国はない。)特に国際司法裁判所への共同提訴は一種の「踏み絵」である。勝ちの勝算がない者は絶対に避けたい。「既に自国の領土であり、裁判をやること自体意味がない」と言い切っているが、第3者には理解できない。結局は裏付け根拠が弱く、真面にやれば勝てる見込みがないと観られてしまう。何しろ裁判所というのは嘘を暴くところだから。そういう意味でも共同提訴し、勝つ自信があるならば、そこで日本を打ち負かせばいい。

  それから、ロンドン五輪で韓国のサッカーの選手が「独島はわが領土」とアピールした件があったが、これも彼らの思惑とは逆に、世界中に日本と韓国が領土問題で紛争していることを宣伝したに過ぎない。「自国の領土で、まったく日本が関与する余地がない」というならば、世界中の人たちのいる前で、あのような大げさなパフォーマンスをすること自体矛盾している。たぶん他国の多くの人たちの目には、「日本が島を支配していて、自分たちの領土を返せ」と訴えているにしか映らない。皮肉にもその程度だろう。韓国メディアはこの件を賞賛しているが、結果は大きな誤算だったと思う。

  こうして考えると、無理に事を進めれば、逆の方向に大きく進む。日本も韓国も同様であるが、自国の政治的ミスを相手に押し付けて、国民感情をいたずらに刺激している。韓国メディアの「自国がすべて正しく、相手国が一方的に間違っている」という論調は、どこか戦時中の日本を思わせる空気が漂っている。これは韓国が最も軽蔑する思想であるが、いつの間にかそれに蝕まれているようでならない。日本も気を付けなければならない。

  結局、この問題は以前より複雑、かつ難しさが倍増した。日本も経済的な対抗措置など、一種の嫌がらせのようなことも視野に入れている。やれば必ず自分に跳ね返るだけでなく、アジア、あるいは世界経済にも迷惑をかけることは必至である。慎重に対応してもらいたい。

  過去の歴史問題や領土問題は国民感情が絡んでくる極めて難しい問題だ。たぶん、うまい解決が不可能に近い問題である。日本も韓国も妥協できない点は最初から分かっている。だが、それをどう扱いながら、友好関係を維持し、お互い利益を享受していくか、それを中心に考えなければいけない。国のトップはそれを国民にどう説得しながら、国民の平和と暮らしの安全を確保するかが問われている。両国ともアジアの主要国として、冷静な政治体制に舵を切り、お互い思いやりの心を持って外交を進めていけるよう努力してほしい。


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石原都知事の「尖閣諸島購入」発言、領土問題に一石を投じる。 [外交・防衛・海外]

   「東京都が尖閣諸島を購入する」という石原都知事の発言に驚いたが、それよりも、国家危機管理上超A級のこの島が、一個人の所有物であることを知り、さらに驚いた。

  その所有者の話では、これまで島の購入には様々な人が打診してきたという。その中には外国人もいたそうで、もし、それに応じていたならば、日本が領有権を主張するどころの話ではない。そんな危うい状況が続くならば、東京都でもいいから、早く買ってもらいたい。そうしてみると、いままで国が尖閣諸島問題に本気で取り組んでいたか非常に疑問を感じる。

  石原知事のこの過激発言は民主党政権にも一石を投じ、藤村官房長官も国有化に対して、前向きの姿勢を示した。どう考えても、国家が直接的に安全管理しなければ、日本の領土として、とても守りきれない。誰もが国防と外交の力を必要としていること、また、それ自体も脅かされていることを危惧している。一個人の権利で、所有権が左右されるなど絶対あってはならないことだ。

  さて、都や国が島を購入するには、いくらかかるのか。無人島といえども、周辺は豊饒な漁場で、レアメタルをはじめ海底資源も豊富にあり、かつ海洋領有権の要になる島である。途方もない価値があると思うが、ここはお国の為と考え、所有者には大それた要求をしてほしくない。この島の持つ意義は、個人のレベルを遥かに超えて、国民全体の財産でもあるのだ。

  一方、外交問題も頭を悩ます。この発言は、日本と同じように領土権を主張する中国でも、当然火がついた。インターネット上では怒りで炎上し、反日感情が燻り始めている。いまのところ、政府は冷静な対応をしているが、武力を持って主張してくる状況に追い込まないようにしなければならない。とにかく、神経を尖らすデリケートな問題だ。

  果たして、野田政権はどのように対応するのだろう。平和的解決のシナリオを描けるのか。あるいは日本古来の領土として主張を貫き通せるのか。あるいは実行支配を強める方向に突き進むのか。早々に都と国は方針を決めて、国民にわかりやすく説明していく義務がある。

  この問題は国益ばかり主張すれば、必ず反作用が起き、逆風が強くなる。日本は寛容に、しかしながら、主張するべきことは主張し、さらにはアジア全体の利益につながることを視野に入れて、この問題を世界に向けて発信することが重要と思う。


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TPPはやはり問題だ。関税自主権を保つことが独立国家の基本ではないか。 [外交・防衛・海外]

  TPP(環太平洋経済連携協定)を巡って、与野党の混乱が続いている。その昔、明治の政治家たちは幕末時に締結された日米修好通商条約などの不平等条約に苦しめられ、その改正のためには、日露戦争、日清戦争など幾多の苦難を乗り越えなければならなかった。それで勝ち得たのが「関税自主権」である。これにより、やっと日本が西欧諸国と肩を並べられる一等国になれたと、歴史の授業で学んだ。

  しかし、時は変わり、完全に平和ボケした平成の今日、今度は関税自主権を放棄して、あきらかにアメリカ有利な不平等条約の締結を目指している。これを伊藤博文や条約改正に命をかけた小村寿太郎が知ったらどんな思いになるだろうか。それにしても、今の政治家は目前の損得勘定に重きを置きすぎている。それより大事な自立した独立国家であるために、何が大事かと主張する人が少ない。

  今回のTPP参加も、独立自尊の精神を持っていれば受け入れ難い問題だ。だが、日本はアメリカの傘下にいなければ生きていけない。それには多少の犠牲もやむを得ないという思想がどこか根底にあるように思える。沖縄基地にしてもTPPと同様、日本政府は自国の主張をあまりにも譲歩し過ぎて、どうもスッキリしない。

  世の中が、すべて利益優先、利己主義に走る中、長期的視点でものを判断する姿勢が重要だ。常に同じ状況が継続するとは限らず、周囲が一転した時、何が大事か考えなければならない。

  このTPPのメリットは、工業製品の輸出など関税が撤廃されれば新興国との価格競争で大きな強みがでてくること。しかし、それは関税よりも、むしろ円高の問題も絡んであり、TPPにより解決されるものではない。

  しかしながら、食糧は関税が撤廃されれば、ひとたまりもなく、国内の農業は押しつぶされる。特に主食(コメ)の自給が総崩れする可能性が大きいことだ。これは国の一番安全に関わる部分で簡単に受け入れるべきではない。

  たとえ経済力のある国でも、防衛と食糧を他国に依存する国はとても危なく、国民は安心していけない。これからは水や食糧難で苦しむ時代が来るのは間違いない。なおさら、農業などの一次産業は防衛以上に大切ではなかろうか。まず、食べなければ人は生きていけないのだ。

  そういう意味でもTPPは、やっと国民に関心が高まった問題である。これからは国の存亡という観点で、もっと深く議論する必要がある。まして、次の世代に大きく波及する問題であり、その責任は重大だ。まだ、時間はある。国会でしっかりやってもらいたい。また、国民も声を大にしていかなければならないと思う。


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ギリシャの悲劇は他人事ではない。 [外交・防衛・海外]

 ギリシャ内閣が信任され、最悪の政治空白は回避された。しかし、危機の火種は燻りつづけ、世界中の金融が、大パニックにいつ襲われるかわからない。

 しかし、なぜ、ギリシャがこんな財政危機に陥ってしまったのだろうか。確かにギリシャの国内にも問題がある。ドイツやイギリスのように大きな企業、また産業がなく、また、農業もそれほど盛んでない。どちらかというと観光が主産業のような国だ。さらに、国民の職業の中で、公務員が占める割合が圧倒的に多く、とても輸出等で外貨を稼ぐ構造になっていない。そんな国がEU参加とともに、グローバル経済の渦に巻き込まれ、致命的大やけどをした。

 一時的には、バブル経済を味わい、国民生活も向上し、良い思いをしたかもしれない。しかし、結末は、財政破綻、これから先の展望が見えないほどの悲劇的状況である。

 アメリカの金融工学が引き起こした巨額のカネ余りが、EUを初め、世界中の国々の経済を狂わせている。最上の目的が利益のみという投資家たちは、国家の事情など関係なく、国債や通貨を売り買いする。それによる損害、被害は尋常ではない。ギリシャもその犠牲のひとつであろう。

 日本は国家の経済力が大きいからダメージが小さいけど、ギリシャなどはひとたまりもない。日本のバブル期にも、真面目な小さな会社が投機対象になり、経営や会社の体質もガタガタされ、倒産に至ったところも少なくない。カネのちからは時には暴力に等しく、恐ろしいものである。

 いま、日本の政治は、TPP(環太平洋経済連携協定)参加を巡って賛否両論揺れている。国内には強い企業ばかりでない。外圧がかかれば、ひとたまりもなく破壊されるところもたくさんある。国民にとって、安い農産物、畜産物が入ってくるのだから、メリットは大きい。しかし、気が付けば、食糧のほとんどを海外に依存する体質になることは間違いない。つまり、アメリカに依存しなければ生きていけない国家になってしまう。それでも良いと国民が望むならば、それもひとつの選択肢だ。しかし、そう望む人は少ないと思う。政治家や業界団体だけでなく、国民を交えた議論を重ねるべきであろう。

 いま、ギリシャ国民が一番苛立っていることは、EUに参加したことで、巨大なEUの力に振り回され、挙句の果てに、EUの主要国の言い成りにならざるを得ないことだろう。ギリシャの失敗は、決して他人事ではない。日本も、もっと真剣にTPP問題に向かい合うべきと考える。


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TPPは日本にとって、吉か凶か。 [外交・防衛・海外]

  10月半ば、暑さも和らぎ、紅葉が彩る季節がやってきた。振り返れば今年の夏も、酷暑、ゲリラ豪雨、台風が日本列島を襲い、多大な被害をもたらした。まだ、各地で地震が頻発し、予断を許さない状況が続く。本当に心落ち着いて紅葉を楽しむことはなかなかできなさそうだ。

  政治の世界も、同じように落ち着かない。欧州の政府債務(借金)危機、米国の財政赤字、新興国のバブル崩壊の予兆など、数え切れないほどの危機、リスクが迫っている。そうした中、TPP(環太平洋経済連携協定)へ交渉参加を巡って熱い議論が熱を帯び始めた。

  工業製品を輸出する経済界の危機感は強い。日本の主要産業のライバルである韓国は、欧州、米国とのFTA(自由貿易協定)を結び、自動車や薄型テレビ等にかかっていた高い関税が順次撤廃されていく。日本は国際競争の中で勝ち残れるか。日本の高性能・高品質神話も、かつてほどの威光は薄らいでおり、コスト競争で勝敗が決まる可能性が高い。明らかに日本は苦しい。

  一方、農業と医療・製薬業界はTPP参加に強いアレルギーを示している。これまで強い規制のもとで保護されてきた産業である。安い輸入の農産物や医薬品が雪崩込れこめば、はたして生き伸びることができるか不透明だ。農業に関しては、広大な土地を持つアメリカやオーストラリアなどと比べると途轍もないハンディーであり、不公平さが漂う。消費者の懐にとって良くても、日本の安全保障に関わる食の産業が壊滅しては、自立国家としての存続が危うくなる。どこの国でも、必ず様々な内情を保有する。何でも一律な条件で貿易するのは、理想であっても、現実的には難しい話だ。アメリカですら、時には保護貿易の姿勢を示すことさえある。

   90年代、日本の金融業界が閉鎖的であった時も、欧米のグローバル経済に乗り遅れてはいけないと、一部の経済界や気鋭の経済学者、そしてマスコミが散々煽りたて、また、アメリカからの激しい外圧もあり、当時の政府は、そのままグローバルスタンダードを取り入れるに至ったことは記憶に新しい。その結果、すごい勢いで、銀行や大企業の合併が相次ぎ、外資系の金融機関や投資家も続々参入して、日本の証券市場や不動産市場、株主として会社経営までいじくり回した。その結果、弱肉強食の競争が繰り広げられ、日本の雇用制度は崩壊し、いつの間に格差社会と負債の山が築かれた。世界の波に乗ることは、そうしたリスクも伴っているように思える。

  アメリカのもうひとつの顔は世界最大の農業国でもある。日本の食市場を虎視眈々と戦略的に狙っているのは間違いない。その手段としてのTPPならば考えものだ。

   この問題は単に経済だけではなく、外交、防衛が絡んでくるため、急いで結論を出すことは無い。財界や業界団体だけでなく、日本の将来のビジョンの中、本当にメリットがあるかどうか、国民的な議論を交えて、結論を出してもらいたい。


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全米経済格差の抗議デモ。中東民主化運動、欧州経済危機どころではない。 [外交・防衛・海外]

  全米各地でニューヨークのウォール街に対する怒りのデモが勃発している。その抗議デモは首都ワシントンにも飛び火して、とうとう政治的な次元まで発展してきている。この先、どこまで展開していくのか。

  アメリカは紛れもなく世界最大の経済大国である。億万長者の殆どアメリカ人であり、我々日本人からすると、大半のアメリカ人は、大きな家に住み、何台もの自動車を所有し、衣食には不自由することのない裕福な生活をしているという固定概念がある。しかし、デモに参加している若者たちの言葉はそれとはほど遠いものだった。とにかく経済的な苦しさを訴えている。

  いま、アメリカでの経済格差の問題は、日本以上に大きな社会問題になっている。地域によっては、町に仕事という仕事がなく、高校を卒業した若者は進学や就職もできず、軍隊に入隊するしか選択肢がないほど、絶望的な環境になっている。なぜ、豊かな国アメリカでこうした問題が起きたのか、そこにはやはり金融経済の光と影があるようだ。

  ウォール街は世界経済の中心であり、かつ世界最大のマーケットがある。そこに集まった膨大なマネーは投資という姿に変え、シティーバンク、バンカメ、ゴールドマンサックス等の銀行や投資会社、それに有数の巨大企業の間でグルグル回ることで、アメリカ経済を発展させ、かつ支え続けた。しかし、地方の中小企業や個人企業には、その経済は蚊帳の外、お金は常に素通り状態で、その恩恵を受けることはなかった。

  人の体で例えれば、全体を占める割合が一番多いはずの毛細血管にわずかな血液しか循環せず、殆どが大動脈と大静脈しか流れないという歪(いびつ)な状態が起きているのだ。血液の流れない毛細血管、いわゆる地方の弱小企業などは倒産や廃業に迫られ、その一方で、カネ回りの良いウォール街では桁違いの高給を手にする者も大勢いたという。その超経済格差への怒り、そして、ウォール街の欲望が引き起こした様々なローン破たん等、庶民の生活を大苦境に陥れた怒り、それらの怒りが爆発するのは当然の流れだったと言える。

  「かつてのアメリカは、一生懸命働けば、いつかは夢がかなう。そんな希望があったが、今は微塵もない。」 デモの参加者がそう語っていたことが印象深い。この輝かしい国も数十年で全く違う国になってしまったようだ。

  私は、この問題の根本的原因のひとつに「自由のはき違い」があると考える。アメリカは自由の象徴的国であるが、一部のエリートたちがその自由を自分の都合の良いように使い、民主主義を破滅に追い込んだ。おそらく、アメリカ中の大半の人達がそう実感したことだろう。

  しかし、現実を変えることは難しい。現在のアメリカは、まだウォール街中心に回っており、また回り続ける構造になっているからだ。これから先、いかに経済を立て直すことができるのか。今までのようにドル基軸のシステムがいつまで続くかわからない。世界の工場は中国をはじめとするアジアに完全に移っている。オバマ大統領はアメリカを輸出大国にすると宣言したが容易いことではない。

  いまは静かなデモ行進をしているが、いつまで冷静な抗議デモでいられるか。中東の民主化運動、ギリシャなどの欧州経済危機による暴動ばかり報道されているが、アメリカ自身も他人事ではない。民主主義のグラつき、そして経済危機、中身はさほど変らない。これをどう乗り切るか、オバマ大統領の今後の手腕次第で、世界は大きく変りそうである。


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領土問題、国は真剣に対抗姿勢を示さなければいけない。 [外交・防衛・海外]

 日本の領有権が危うい。つい数週間前にもロシアの政府高官が北方領土の国後島に踏み込み、現地の実質支配のアピール、そして日本の返還要求を全否定する姿勢を強調した。同じく南方でも、尖閣諸島付近に巨大な軍事力を背景にした中国がわがもの顔でうろついている。中国は日本だけでなく東南アジア海域全体を脅かしている。また、近年激しく対立している竹島問題は、相変わらずの韓国実行支配で、日本は手の出しようがない状況だ。

 日本の波風を立てない外交が、隣国の戦意を覚悟したあら手の外交戦略にジワジワ押され、取り返しのつかない状況になりつつある。いまや日本の領土と言えども、無事に辿り着くことさえできないほど、遠い存在だ。日本政府は、繰り返し領有権を主張し、国際法上、相手国の主張を認めさせない戦術に終始しているが、それだけでは領有権を奪還するどころか、守ることさえ、さらには主張することさえ危うい。

  北方領土を除けば、いずれも人が住めるような島でもなく、土地そのものの価値はない。しかし、その島ひとつで、領有海洋域は大きく塗り変わる。いま、海は漁業資源だけでなく、天然ガスやレアメタルなど産業資源の宝庫として注目度が高まっており、国益を考えれば決して引くことはできない。

  資源の乏しい日本にとって、その潜在的資源宝庫は途轍もない魅力である。やすやすと手放すことはできない。それから、損得だけでなく、心情的にも譲れないものがある。いずれの島々は歴史的に日本固有領土として所有していた期間は長く、人々の生活の場としても記憶に刻まれている。敗戦直後、領土の線引きが曖昧になった時点に、その隙を隣国が虎視眈々と漬け込んできた。その時に、日本は毅然と立ち向かうべきであったが、政治と外務省の対応が軟弱過ぎて、今日の体たらくを招いてしまった。自分たちの土地として本当に愛着を持っていた漁民の人たちにとって、この情けない現状は無念の一言だろう。

 そもそも、領土問題は複雑で、解決が難しい。歴史を見れば領土の奪い合いで戦争が繰り返されている。平和が保たれている現在、こんなことから武力衝突し、人の命を落とすことになれば、あまりにも馬鹿げた展開だ。だが、話し合いだけで解決する見込みは100%あり得ない。

 ならば、経済大国の力、お金で解決することはできるか。それは当然膨大な金額を吹っ掛けられ、それに見合う経済的価値を見出すことはできないだろう。結局のところ現状のように領有権を主張しつづけ、実質手放しているのと変わらない状態を続けるしかないのだろうか。 しかし、このままでは対馬や沖縄など完全に日本の領土としている場所まで、領有権を主張されるかもしれない。

 それだけではない。日本本土の水源地が中国資本に狙われているという話を聞く。海上の小さな島ばかりにカリカリしているうちに、日本の最も大切な地域で中国領土の所有権が生じている可能性もあったのだ。こんな事は絶対あってはならず、国は真剣に対抗しなければならない。とにかく、日本国民にとって、最も重要な領土に対して脇が甘過ぎるのだ。しっかり対抗姿勢を示し、毅然と立ち向かってほしい。


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イスラム圏の無秩序化に歯止めをかけれるか。 [外交・防衛・海外]

 中東、北アフリカのイスラム圏に無秩序国家が広がっている。

 イラク、アフガニスタン、そして最近ではチュニジア、エジプト、リビア、いずれも長期的で強力な独裁体制から、欧米諸国が民主化の実現のため軍事介入した国々である。前政権は崩壊したものの国全体がバラバラになり、治安は以前の独裁体制よりひどくなっている。

 市内では常に自爆テロや武力闘争が勃発し、人々は安心して暮らせる状況ではない。町の中は常に不安と恐怖に満ちている。

 さらに行き過ぎた軍事介入、政治介入は、欧米諸国に対する国民の怒りと憎悪を高め、ますます不安定な世界情勢に突き進ませている。

 今回のカダフィー政権崩壊後、新生リビアの暫定政府が発足した。欧米流とは違う民主国家を目指すという。そこにはイスラム法を源泉とする国家らしい。

 しかし、アメリカを中心とする欧米諸国が単に民族の民主化運動を推し進めるために、多大なリスクを負って、軍事介入したとは考えられない。歴史的石油利権の奪還が主目的であることは当然見え隠れする。単に新しいイスラム国家の建国を促すとは思えない。

 暫定政権発足後、欧米の動きが迅速である。アメリカ、イギリスは優先的に権益を得るだろうが、フランスやイタリアの動きも早い。膨大な資源の権益を得ようと各国が群がり始めている。日本は軍事的介入はしていないが、復興支援を元に権益を得ようと試みているみたいだ。

 結局、この戦争の真の目的は、独裁者による石油の不公平な分配に腹を立てた欧米諸国が、「アラブの春」の民主化運動に乗じて、政権の仕組みを変えてしまおうという強い意図があったように思える。たしかに民主化は必要であるが、いつも行き過ぎた結果をもたらしている。

 そもそも、中東諸国にはこれといった産業がない。石油を売ることしかないのだ。しかし、その石油の権益をほとんど外国に持っていかれたら、アホみたいなもので、昔の植民地と変らない。中東と欧米の対立を突き詰めればそこにある。 今回もアブドリジャリル議長らが打倒カダフィーで欧米に軍事介入を依頼したツケがどのような形で返ってくるのか。リビアに平和と石油による富の分配がなされないかぎり、また内乱が続きそうである。

 イスラム圏の国民は民主化に慣れていないし、そうした思想は無い。自由と権利を急に与えれば、ものの考え方をはき違える。無秩序と暴徒化に歯止めを効かすのは難しいだろう。

 結局、カダフィー独裁政権の時の方がマシだったということにならないよう、いままでの教訓を活かし、上手くやってもらいたい。中東の政情不安定は、日本にも大きく影響する。まずは、欧米が欲をかかないようにすることがカギとなるだろう。


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中国高速鉄道事故、民主化のうねりを期待する。 [外交・防衛・海外]

 中国の高速鉄道事故から10日以上経つ。衝撃的な事故処理から、一転して中国共産党は国民の批判をかわすのに懸命のようだ。

 「本当に行方不明者がいなかったのか」、映像を観ていたすべての人たちはそう思ったに違いない。あれだけ潰れた車両の救出活動を数時間で終わらせることは絶対考えられない。乗車客の名簿があるというならば照合作業にも時間がかかったはずだ。しかし、車両はすぐに潰され、埋められてしまった。その後、また掘り起こされ、調査が再開されたものの、真実は闇に葬られたままで止まっている。

 今回の事件で、注目すべきことは、メディアがはじめて反政府側に立って報道を始めたことだ。メディアに民主化の灯がともった。それは、この事件と同じくらい驚きべきニュースである。

 国家が情報をいくら隠そうとしても、インターネットの普及で阻止することは不可能だ。規制をかけようにもリアルタイムで情報が拡散しているのが現状の世界。すでにインターネット大国である中国で、昔のような情報操作を続ければ、逆に民衆を怒らせ、政府批判の大きな火種をつくってしまう。国家幹部の時代錯誤の古い頭が、この問題を大きくゆがめてしまった。

 それはさておき、民主化への道に、第一歩が踏まれた。これからの中国はどうなるのか。

 現在の中国は羽振り良く、勢もある。高度に繁栄した大都市には、超高層や大地下街、商業施設など桁違いに大きい構造物が立ち並び、かつ最先端の技術で溢れている。一方で、その中で暮らしている人々は、本当に幸福で、自分達らしい生活をしているのか、非常に疑問である。おそらく、大半の人たちはその繁栄を享受できず、またついていけていないのではないだろうか。いま、経済格差、生活格差など、本来の共産国の思想ではありえない姿が拡大している。

 その絶頂である中国も、やがてバブルのように弾ける時が来るだろう。もしかしたら、現在、建ち並ぶ超高層群も空きビルになり、商業施設もシャッターが降りたままになるかもしれない。あまりの早いスピードの成長には歪も生じやすい。その時は、すべての不満や怒りが爆発する。民主化に目覚めつつある人々は、やがて政府に目を向け、そして、大きな力で反発するだろう。かつて、天安門広場で起きたうねりは、もう、すぐそこまできている、そんな気がする。

 そうした意味で、中国の今回の列車事故処理は、中国共産党にとって、国家を左右する大試練である。「国家が大事か。それとも人ひとりの命が大事か。」その答えを、真摯に出さなければ民衆の苛立ちはとても納めることはできないだろう。

 日本も対岸の火事で観ているが、原発事故で同じようなことが言える。「隠ぺい」に「やらせ」、中国とそうたいして変らない。

 人間にとって、何が一番大事なのか、それを真剣に考えなければならない。経済や組織を守る事ばかりでは、日本も決して民主化とは言えない。


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TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、米国の罠が仕組まれていそうだ。 [外交・防衛・海外]

 経済のグローバル化がもてはやされた時代もあったが、リマーンショック以降、その言葉は条件反射的に警戒するものとなった。

  これまで米国が世界中の金融を意のままに動かしていた。国家信用のある米国が国債や債権を発行すれば、世界中の国々がそれを買ってくれ、それで入ってきたお金で海外から物を買い漁る。そんな図式で、米国経済は活性化していた。ところが、サブプライムローン事件で、その歯車は大きく狂い、打ちでの小槌のように、振れば湧き出るお金が無くなった。アメリカも普通の国と同じように真面目に物を作って、海外に売らなければ、経済がどんどん沈んでいく。超大国の面影はいまは無くなりつつある。

  それにしても、最近の米国の財政赤字はひどいの一言だ。景気を回復させ、税収を上げなければ危機的状況が続く。それを立ち直らせるべく、オバマ大統領が5年間で輸出を2倍にする政策を打ち出している。 ただ、それを実現させるためには、何か仕掛けが必要だ。

 その1つに、TPP(環太平洋戦略的経済連係協定)があるようだ。 TPPとは広い太平洋周辺の地域でお互い関税のない自由貿易圏を作ろうという構想である。菅政権もこれに積極的な参加を表明し、新聞などでもTPPに今すぐにも加入しなければ、日本は自由経済から取り残され、国益を大きく損ねてしまうという、いわばTPP賛成論調が目立った。しかし、海外への輸出産業の促進とは裏腹に、これまで過保護状態に温存されていた日本の農業が心配である。もし関税が撤廃されれば、防波堤が決壊するがごとく、アメリカやオーストラリアなどの安い農産物や乳製品に押しつぶされ、壊滅的打撃を受けるのが容易に想像される。

  一方、農業保護に対しても厳しい見方もある。米の関税が778%、小麦が250%、これを聞くと一般の人でも、ちょっと考えが変わる。数字を見る限りでは超過保護と言うほかない。そこまでしなければ農業、あるいは農家を守れないのか。日本の農業の国際競争力の低さに嘆いてしまう。しかし、そうは言っても、食料は日本の安全保障に通じるものである。守るべきものは守らなければならない。

 いま、アメリカが虎視眈々と狙っているのは、日本の巨大な内需であり、その中で、最も魅力的な市場が食需要だ。恐らく、徹底的に攻撃を仕掛けてくるだろう。

 いまでもドル安(円高)になれば、スーパーマーケットなどは円高還元セールが始まる。もし、関税が撤廃されれば、小売業は大々特価をやり続け、さらにドル安を促進されば、もう日本の国産品は太刀打ちできない状況に追い詰められる。国内農業が壊滅した後に、アメリカの得意な為替操作を仕掛けてドル高になったらどうなるか。考えただけでもゾッとするシナリオだ。

  そう考えると、TPPは原発問題と同様に国家の将来を左右させる大きな問題である。どんなメリット、デメリットがあるのか、また、アメリカの思惑をしっかり研究する必要もあろう。もっと国会で議論を深め、本当の国益を睨みつつ戦略的に舵を取ってもらいたい。


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普天間基地の行方は、どうなるか。 [外交・防衛・海外]

 仲井知事が当選し、これから沖縄普天間基地の問題はどのように展開していくか。相変わらず、世間は政府の批判ばかり繰り返している。確かに、その内容にうなづけるものは多いが、この問題は複雑で簡単には答えが出ものではない。戦後65年の累積した難題が、この基地問題に凝縮されている。また、激しく動く国際社会の中で、どのように国の安全を確保し、発展しつづけられるか、その試金石になろう。

  そこで、もう一度、この問題の複雑さ、難しさを整理してみたいと思う。まず、米軍基地の必要性について、YES、NOの議論が分かれる。但し、YESの考えを持つものにも次のような考え方があるだろう。

 ① アメリカの軍事的抑止力は絶対必要である。在駐米軍がいなくなれば、その抑止力も低下し、特に北朝鮮、あるいは中国の侵略に対する防御に不安がある。

② 米軍が撤退した後は、当然、それを補うべき防御体制が必要である。現憲法下では自衛隊防衛による防衛に限界があり、かつ憲法改正の必要性もある。いずれも、日米安保を国の防衛の基本に置き、それが最大限有効に発揮できる体制を望んでおり、なるべく日本は軍事に関わらない方がよいという考え方が根底にあると思う。

 次にNO、必要ないと考える理由について

 ① 少数であるが、武力がなくても、外交を上手くやれば、平和は保てるという考え。

 ② 国防のことよりも、基地の存在(治安の悪さ、騒音、物騒な存在)にアレルギーを示す考え

  これは、国防を殆ど視野に入れておらず、現状の社会問題として捉えている傾向がある。判断の軸が完全にずれてしまい、議論が混沌とする。 しかし、この問題は無視できないのも事実である。 次に沖縄について考えてみたい。米軍基地は果たして沖縄でなければいけないのか。これは日本、これも本土と沖縄、それからアメリカの3つ立場、視点で観えてくる世界が違ってくる。また、それぞれが合意できなければ、この問題の解決は成り立たない。

 まず、本土の視点で観た場合、たぶん、沖縄にはこだわらないが、自分達のそばにこない事が大前提になるだろう。 これは沖縄住民と同じ感情である。本土には人がいない地域はない。また、基地の分散案もあるようだが、これもアメリカの軍事計画上困難であろう。また、アメリカは日米同盟で日本を守ることだけを考えているわけではない。

 沖縄の立地条件を見れば、東南アジアあるいは中東を含めた西アジアまで睨んでいるだろうから、そうなれば、単純には話がまとまらない。 ひととき、グアム等国外に完全移転の案もあったが、日本から米軍が撤退することを意味し、戦力的な抑止力が大幅に低下するのは間違いない。これは日本国民全体が望む方向ではなく、かつ、アメリカの軍事戦略を無視した案であったような気がする。

 いま辺ノ古案実施に伴い8000人の海兵隊が移ることでも、軍事的抑止力の低下を不安視する人達もおり、それに替わる日本の国防をしっかり考えて進めなければならない。したがって、単に沖縄から基地を無くすことだけに焦点をあてた議論は的外れで、国益を考えると危険なことである。

  しかしながら、沖縄住民の視点は非常に複雑である。まずは「国防としての基地」と「社会問題の基地」を分けて考えなければならない。なぜ、沖縄だけが、日本の安全の負担を一身に受けなければならないのかと当然の疑問だ。とにかく、危険で、騒音はうるさく、治安も悪い。毎日の暮らしに支障がでている。だから、国外か県外にしてほしいという主張は当然の事である。

  結局、この問題は立場によって、主張がかわり、いくら議論をしてもグルグル廻りつづける。結論を求めるには、その中のどこで止めるかである。政治的決着となれば、いちばん騒ぎが小さいところであろう。そう考えると、沖縄県普天間基地の機能を辺ノ古に移す事が一番、現実的のように思える。

 では、本当にこれでいいのか。でも、沖縄の人達はそれを簡単に認めることは無さそうだ。 そうなると、また、議論をグルグル回る。そのうち、アメリカが怒って、普天間基地は現状のままで落ち着くのではないか。その可能性も否定できない。

  結局、すべてを満足させる答えなど無いのだ。選挙目当てで、政策を立てているから、こんな状況が続くのだろう。もういい加減に、こうした政治から脱却してもらいたいんものだ。

国防の論点―日本人が知らない本当の国家危機

国防の論点―日本人が知らない本当の国家危機

  • 作者: 森本 敏
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2007/02
  • メディア: 単行本


タグ:普天間基地
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米韓の合同軍事演習は適切な行為なのか。 [外交・防衛・海外]

 黄海で米韓の合同軍事演習が始まった。その狙いは、北朝鮮への軍事的抑制の効果にあるらしいが、本当にそれが適切な行為なのか。これまで、北朝鮮は数々の約束を裏切り、そして最近では核保有を正当化しようとする動きもあり、それを阻止するためにも強硬な手段を選ばなければならないことも一理ある。

  しかし、戦前の日本を振り返れば、追い詰められるほど、その対応は状況は悪化の方向に進んでいった。現在の北朝鮮の中には民主化の芽は育っていな。また、そうした思想が芽生えれば、すぐに摘み取り処罰しているのが現状である。外界からの威圧は、そうした非人道的な行為をさらにエスカレートさせる恐れもある。

 ではどうしたら、この状況を変えられるのか。どの新聞にも書かれていることであるが、北朝鮮と最も親密な中国の動きに大きな鍵があると言えよう。

 中国はこれまで北朝鮮を、外交カードとして、日本や韓国、あるいは米国へのけん制の手段にしていた。でも、中国は経済大国の道を選んだことによって、国家体制に違いはあっても日米韓との協調は否定できなく、経済の世界でみれば同じ船に乗ったも同然である。したがって、アジアの実力国として、世界の平和維持のために当然役割を果たす義務がある。

 中国が本格的に北朝鮮に対して異を唱えれば、米韓が武力で威圧する必要もなく、また、中国の近海に戦闘機を乗せたアメリカの空母が航行する必要はなくなる。いまの北朝鮮は中国の後ろ盾なしに存続はできない。つまり、中国からの怒りを一番恐れているはずだ。

 ただ、アメリカは、この軍事力を見せつけることで、極東はアメリカが平和を維持しているとアピールする狙いもあるかもしれない。それに対して中国は神経をとがらし、逆にアメリカに対する非難で、解決に向けた行動をこう着させているようにも見える。結局は大国間のメンツのぶつかり合いで、本質的な平和解決は置き去りにされているようだ。

 それにしても、日本の政治はどうだろう。近隣諸国で戦争勃発まできているのに、いまだに大臣の問責決議案やら、審議拒否やらで、緊張感が全くない。メディアも評論家たちも、ゴチャゴチャしたことばかり言って、まったく事が進んでいない。徳川幕府末期の内憂外患の状況に似ている。ただし、その時は討幕側にキレがあったから、新しい時代の幕開けを感じられた。でも、今の野党には、悲しいけどそれがない。

 与党が頼りなければ、野党はそれをしのぐ良い案をどんどん出すべきであるが、たぶん同様にパッとしたものがないのだろう。それで、与党の足元をグラつかせる戦術ばかり取っているように思える。そんな目で国民は政治を冷ややかに見ているのを両党とも自覚し、反省して改めるべきであろう。

  アジア大会のメダル数でも韓国に負け、経済でも新興国に迫られている。ちなみに1人当たりのGDPは23位というから、もう先進国と胸を張れるような状況ではない。なんとか、踏ん張らないと国際的地位、経済的地位、そして文化的地位もすべて、世界で中流国になってしまう。せっかく、先人達が苦労して築きあげた資産をすべて失ってしまうのだ。

 とにかく、政治に対する注文として、小手先の事にこだわらず、大局で攻めてほしい。また、国民も辛抱強く、見守る姿勢も大事であろう。今回の隣国の火事は、他人事ではない。もっと緊張感をもって政治をしてもらいたいものだ。

 


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中国の横暴。政治的未熟は内側から自壊する。 [外交・防衛・海外]

 中国の横暴が目に余る。
日本が弱腰なのか、それとも中国が強引なのか。それは後者であろう。
政府の対応にも問題があるかもしれない。しかし、何をやっても想定外の威圧で日本を脅かし続けるような気がする。
それが政治姿勢だとすれば、まともに相手をしても敵うはずがない。
これは日本だけでなく、東南アジアから西南アジアにいたる、ほぼ全域の隣国と政治的摩擦をつくっており、世界中から批判を浴びている。

 いま、中国は破竹の勢いで成長し、アメリカと並び、世界経済の中心になりつつある。その影響力は極めて大きく、それが現在の自信に繋がっているのだろう。しかし、市場経済主義の中に入ってまだ間もない。ただ、カネを持っているだけでは、世界から相手にされるものではない。いまの世界は、たとえ、どんな大国でも、他国との協調なしでは生きていけない仕組みである。中国の自国中心主義が簡単にまかり通るほど、世界はあまくないはずだ。

 また歴史は、大国主義の最後がどうなるか、何度も示している。
どんなに国家に富と権力があっても、そこに住む人々に幸せがなければ、その国は滅んでいる。

 中国の貧富の格差はひどい。これだけグローバルな世界経済の中で生きていながら個人の思想はかなり強制されている。一人ひとりが自分の意思で、考え始めれば、自国の政治や思想の色々な矛盾を感じるはずである。その輪が大きくなれば、政治や国家を圧倒する力となるだろう。

 話は全く違うが、ちょっとこれと連想させる事がある。
それは自分の住んでいる街の出来事であるが、ある時、大手のショッピングセンター建設された。しばらく、そこに人が集中し、地元の商店街はすっかり寂れ、多くの店がシャッターを閉めた。しかし、数年後、人の集まるショッピングセンターの周辺に激安のスーパーや専門店が出来始め、人の流れが変わった。すると今度はショッピングセンターの中で店舗の撤退がはじまり、店じまいの箇所が所々目につく。大きくて力のあるところが、すべて勝つと思ったけど、必ずしもそうではない。結局は一人勝ちは長く続かないのだ。

 中国も今は勢いがあり他を圧倒しているが、いずれ周辺の諸国も成長し、やがて経済面で競い合い、苦しい局面も間違いなくでてくるだろう。それらの国々が政治的、経済的に連携してくれば中国の対抗勢力になり、インドの出方では状況は相当変わってくる。いずれにしても、こんな横暴がいつまでも通用できるはずがない。

 日本は焦らず、また安易に中国にへつらうことなく、大人の対応が肝心だ。
長い目で見れば、おそらく、中国は内側から自壊していくだろう。

 最近、日本に来ている中国人の話を聞くと、驚く事がある。それは日本人の考え方とそっくりになってきていることだ。日本の文化、思想が、中国政府の意に反して、凄い勢いでジワジワと浸透し始め、中国の日本化が進んでいると思うほどである。特に知的階級である裕福層がそうなれば、現在の自国の政治判断も異議を唱えても不思議でない。いや、そうなってくるだろう。

 時間がかかるかもしれないが、日本は真摯な態度で接していけば、意外と自壊は早まるかもしれない。最後はやはり民衆の力である。だから、日本は中国の政治家ばかり見るのではなく、一般の民衆を味方にすることに一番重点を置くべきだ。外交の視点はそこを原点にすべきであろう。

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中国外交、これからが勝負だ。 [外交・防衛・海外]

 いま日本と中国との関係がデリケートな状況である。
沖縄県尖閣諸島沖の衝突事件で、日本は逮捕した中国人漁船船長を釈放した。しかし、そのシコリは消えそうにない。

 日本ではこの尖閣諸島は自国の領土であると確信しているが、中国も同様に領土権を主張している。今回の事件は中国側からすれば、日本の巡視船が勝手に領土内に侵入し、民間人を不法に逮捕したという話だ。そう聞けば、ほとんど中国国民は、日本の理不尽な行為に腹を立て、感情的になるのは必然だ。それでなくても、先の大戦での反日感情がまだ残っている。せっかく、これまで両国が経済や文化面で築きげてきた友好の絆を、そんなことでひびを入れてはならない。お互い良い結果は得られない。

 先日、ある民放の報道番組で、尖閣諸島の近くの石垣島の漁師達に話をしている場面があり、その中で、非常に引っかかる事があった。それは何かと言うと、漁師に「最近、尖閣諸島へ行ったことはあるか」と取材者がたずねると、彼はあっさり「行っていない。」と答えた。「あそこはあぶないから」という理由なのだ。また、「そこには外国人が来ているのか」と聞けば、「中国人と台湾人がいるよ」と平然と答えを返してきた。彼の表情には、既に怒りや不満を通り越して、諦めが漂っているようにさえ感じられ、この問題の深刻さがよく表れていた。

 つまり、現状は既に中国側の支配領域になっていて、一般の日本人が寄りつけないということなのだ。それでは本当に日本の領土と主張しきれるのか。まったく、ため息が出てしまう話である。

 日本は竹島もそうだが、あまりに外交対策が未熟である。実行支配されてしまえば、いくら正しい主張でも、その立場は殆ど不利な状況だ。尖閣諸島には中国の潜水艦が姿を見せるという話は時々耳にする。しかし、実際、地元の人たちが入り込む余地がないほど、その島は日本から遥か遠くに離れていることを意味する。実に嘆かわしいことだ。おそらく、いままで国はこの問題を軽視し過ぎたか、あるいは避けてきたかに違いない。そのツケが今から大変な重しになってくる。

 しかしながら、海底資源、海洋資源を考えれば、日本は一歩も引くことはできない。尖閣諸島は中国に譲れない砦でもある。ただ、それがもとで変な争いが生じなければ良いが、その可能性も否定できない。今後、政府は慎重に事を進めなければならない。

 とりあえず、起こるべくして起きた事件であるが、中国が世界に領土を主張したのと同様に、日本も、いまや大国である中国を取り締まったことは大きな意義がある。あとは、相手のメンツをつぶさず、かつ日本が毅然とした態度を示しながら、両国にとって最も良い道を模索するしかない。

 一方が正しく、他方が悪いという論理は、この件には適用できないだろう。難しいことは百も承知であるがうまくやってもらいたいものだ。まあ、ここからが前原大臣の外交手腕の見せ所であろう。


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沖縄の基地問題は日本の防衛・外交姿勢を抜本的見直さなければ解決しない。 [外交・防衛・海外]

 普天間飛行場先の問題が県外・国外から一転し、また元の辺野古に戻ってきた。
地元の人たち、また沖縄県民の思いは完全に踏みねじられた状況だ。

 前回のブログでも書いたが、そもそも日本は国家の安全をアメリカに依存しすぎている。憲法9条の縛りから軍事的自立はできない。しかし、防衛面で何もかもアメリカ頼みの政策では、沖縄の基地問題を日本主導で解決することはとても難しい。こうした結果ははじめから予想できたことだ。

 だが、この数ヶ月間の基地問題で揺れた日々は、ある意味無駄にはなっていない。それは、国民の目が沖縄に集中することで、基地問題にまったく無関心だった人たちにも少しは考える余地を与えたことだ。沖縄の基地問題を地域から日本全体の社会問題として取り上げられたことは一歩前進と評価はできる。しかし、それで終わってはならなず、沖縄から基地を無くす努力はあきらめてはならない。それには、日本の防衛、外交を抜本的に見直さなければ、いつまで経っても状況は変わらない。

 現在の日本は、欧米を中心とする自由経済主義の世界に生きている。明治維新以降の約140年、いつも意識する世界と言えば欧米社会であった。ところがここ数年、世界の情勢は大きく塗り替わり、アジアの躍進が目覚ましい。特に中国の台頭は著しく、軍事面でもアメリカ、ロシアと肩を並べるほどの実力国に成長している。やがて、アメリカは最大敵国の対象をロシアから中国に移す可能性すらあり、親米路線を取り続ける日本にとって、中国外交も単純にはいかない状況がでてくる。つまり、日本はアメリカばかりに目を向け、国の防衛もアメリカ中心で考えられているが、本当にそれが正しい選択なのか、検証すべき時期にきていると言える。

 日本はアメリカと違って、中国とは非常に古くからの繋がりがある。一時は日中間で不幸な関係にあったが、基本的には同じアジア民族で同胞でもある。日本の文化、宗教、思想もルーツを辿れば、そのほとんどが中国から来ていることが多く、この国を敵国とするのは、大きな間違いであり、かつての過ちを犯してはならない。ただし、現在の中国共産党の政治的戦略、思想の面では受け入れ難いところも数多くあり、アメリカのような同盟を築くことは難しい。でも国民、企業などの民間レベルでは、政治の世界とは別に、良好で密度の高い関係も進んでいる。そう考えれば、中国は同じ仲間として歩むべき相手であろう。

 やはり、日本は八方外交といわれるかもしれないが、日米、東アジア、太平洋とすべての国々と友好関係を結ぶことが、自国の安全に最も大きくつながるのではないか。なぜか、あのイラン、イラクのような中東諸国も日本を嫌いではないみたいだ。

 アメリカは世界の中心国であるが敵も多いのも事実である。アメリカ側と同盟を組むことは、政治的に運命共同体になることを意味する。つまり、アメリカを敵する国は、日本の意思とは関係なく、同盟国というだけで日本を敵国の対象にする可能性もあり、非常に危険を招く恐れもある。そのように考えると、アメリカ一辺倒に偏るのは安全と危険が同居しており、必ずしも安心とは言えない。

 これからの時代は、中立、自立の姿勢で外交を進め、日本の存在感を示しながら生きていくことが、最も国の安全を維持できるように思えてならない。そのためには、安保の見直し、憲法改正といった大きなハードルを乗り越えなければならない。つまり、日本国民は「自分たちで国を守るか」、その覚悟が問われているのだと思う。

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普天間基地問題は日本人の覚悟が必要だ。 [外交・防衛・海外]

 普天間飛行場の移設先の方向性が決まらない。地元の人達の総意から県外、国外移設以外で話がまとまる事はないだろう。結局、この数ヶ月間で、振り出しに大きく戻ってしまった。この状況に多くの国民は怒っている。だが、異論はあると思うが、これは本来もっと早い段階に踏み込むべき道筋を歩んでいるに過ぎないのではないだろうか。

 沖縄の現状は、誰が見ても米軍基地の町であり、アメリカの占領地である。本土の安全の為に沖縄が犠牲になっている事は否めない。これを見直すことは当然であり、日本国民全体がこの事実をしっかり受け止めなければならない。この問題の根本的な難しさは日米同盟の安定的な継続を維持しつつ、アメリカの意向に反する事を実現させようとしていることである。また、それに対する国民の理解と協力の薄さも解決を遅らせている。いわゆる国全体が無関心なのかもしれない。

 今のマスコミの論調は困難に立ち向かっている鳩山政権を支える姿勢はなく、全ての面で批判ばかりで、かつ支持率低下を面白がっている。世論をこのように導けば、アメリカは強気に出て益々解決の糸口が見えなくなる。もし、日本全体が沖縄の人達のことを思い、日米同盟自体の見直しまで覚悟したならば、アメリカの態度は慎重になってくるはずだ。アメリカにとって、中国やインド等、得体のしれないアジアを相手にするには日本という強力なパートナーが必要である。損得を考えれば、アメリカはむしろ多少の軍事的協力でも、国益から考えれば、日本を蔑ろ(ないがしろ)にすることは絶対にあり得ない。つまり、日本は覚悟を決めてしっかり自立する姿勢を示せば、この問題の展開が変わっていたような気がする。

 いつまでもアメリカの下で平和が保障される訳ではなく、アメリカの国力も以前のように絶対的な強さではない。世界は中国、新興国を中心に目覚ましく発展する一方、アフガニスタン、イラン、イラクなど中東では紛争が絶えず、タイやミヤンマー等も政局が非常に不安定である。世界のいたるところで戦争やテロの火種が燻っており、世界の力関係も変化しつつある。こうした中で、日本はどのように国の安全を確保し、国益を守るか真剣に考えなければならず、国民全体が腹を据えて、舵を取っていかなければ、この大きな波に巻き込まれてしまう可能性すらある。つまり、いつまでも平和ボケを続けていられないのだ。

 それゆえに、この普天間基地問題にどう向き合うか、日本人の覚悟が試されているのではないだろうか。
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日米同盟の絆にリスクがあろうと、沖縄問題はしっかり取り組んでもらいたい。 [外交・防衛・海外]

 普天間基地を巡る問題は混迷を極めている。
この問題に対して、沖縄住民、日本国民、アメリカの思惑が全て一致することは100%有り得えない話で、特に沖縄住民とアメリカ国家の意思は正反対に向いている。

 沖縄の人達にとっての基地は、戦闘機やヘリコプターの騒音、墜落の危険性、また駐留米軍が起こす事件など、治安を含めて、永年悩まされ続けている問題である。また、国内にある米軍基地の75%が沖縄に集中しているのは異常な事で、沖縄への負担はあまりに大きい。そうしたことを考えれば、住民が県外、国外の移転を訴えるのは当然で、政府はその事をしっかり受け止めなければならない。

 では、アメリカにとって、沖縄への思惑は何か。そもそも、沖縄の米軍基地は、単に日米同盟、日米安保のためだけの軍事施設ではない。立地的には中国、ロシア、インド、パキスタン、さらに西アジア地域のアラブ諸国まで睨みを効かし、対アジア政策を強力に進めるには欠かすことのできない絶好の地理的ポジションである。そうしたことから、普天間基地の機能を単純にグアムに移転するなど考えられる話でなく、アメリカが太平洋地域において覇権を維持する為に必要不可欠な拠点であり、そんな大事なものを簡単に手放すはずがない。

 それでは仮に、アメリカの主力部隊が日本から完全に出て行くとすれば、日本の国益にどう影響してくるか。日本の安全は保てるか。そうしたシミュレーションをしなければならない。少なくとも日米安保の体制が後退するのは間違いない。従来のように国家の安全をすべてアメリカに委ねる訳にはいかなくなる。ある意味で日本も自立を迫られ、自衛隊も現在のように軟弱な組織ではいられない。そんな覚悟があるのか、我々は問われているのだ。

 いずれにしても、アメリカの世界戦略、日本の国家防衛を大きく左右する問題であり、簡単に答えられるものではない。メディアは政府に早く答えを出すように急がしているが、本当にそれでいいのか立ち止まって考える必要がある。もし、前政権どおりの日米合意を遵守するならば、多少負担は軽減されたとしても、少なくとも50年、沖縄から基地の開放はありえない。たとえ、リスクが大きくても踏み込み、アメリカとは粘り強く交渉するべきではないだろうか。これで日米同盟が終わるような話ではない。

 アメリカも世界の中でいつまでも圧倒的な力を保持する国とは限らない。独立国家として、自国の平和をどのようにして守るか、真剣に考える時期に来ていると考える。国会では与野党の枠を超え、大いに議論してもらいたい。

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日本は外交でもっと自信を持っていい。 [外交・防衛・海外]

 外交に対する議論は様々あり、自分も確固たる考えを持っている訳でない。ただ、基本的には日本の安全(安定)と繁栄のためどうしたら良いかという視点で見ることが大事であると思う。どこの国とも上手に付き合うのがベストであるが、お互い国益を守る事を第一とするため、ほとんどの場合に反発する要素が多い。実際はどこの国とも上手くいかないのが実態であろう。

 今回、オバマ大統領の中国訪問での胡錦濤国家主席との会談を見て、非常に気になった事がある。2人とも笑みを浮かべながら、和やかさを装っているのだが、どうもしっくりした感じがなく、心の底のお互い警戒心が滲みでている。これは政治的、政策的な会談の内容で対立しているだけでなく、もっと奥深いものを感じる。
国家の外交を感覚的に捉えるのは問題があると思うが、あえて言えば、国家として、個人としてお互い好感、信頼を持つことができず、損得だけで付き合うことしかできない間柄ではないだろうか。特に中国はチベット問題などから人種差別を国家で平気でやってのける国だ。根本的思想、哲学の面でもお互いの距離感は相当あるのではないか。

 日本との外交はと言えば、不思議な事にどの首脳とも和やかで、個人的にもお互い信頼感が漂って見える。日中関係は、基本的には過去の問題、現代の問題、ギクシャクしていると思うが、あの胡錦濤国家主席でさえ、いい顔をしていた。鳩山首相の醸し出すキャラクターなのか、あるいは「日本」、「日本人」に対するものなのか、ちょっと不思議さを感じる。

 今、マスコミの多くは、日本について、「経済一流国からの凋落」や「外交では殆ど主要国から相手にされていない」とか自信を無くすような内容ばかり報道している。現実だから仕方が無いと思ってしまうが、しかし、必ずしもそういう見方ばかりではなさそうだ。たぶん、日本には経済、政治や軍事力だけで計れない、もっと違う「羨ましいもの」が国力としてあるからではないだろうか。

 1つは、世界で最高の品質と技術を誇る技術大国である。先端技術分野では日本無しでは考えられないぐらい世界で最重要な国になっている。
 2つ目は、国民自体の勤勉さ、礼儀正しさ。中国や韓国など反日意識はあっても、現代の日本人に対するイメージは違う。特に儒教の精神は、発祥の地である中国より根付いている。そんな事も共感の思いを持ってくれるのではないだろうか。
 3つ目は世界で独特な日本文化である。ミッシュランで三つ星レストランの数が世界で一番多く、世界的な有名俳優も日本へ美味しいものを食べに来るという。また、ファッション、アニメも世界をリードし、歌舞伎や能など歴史的伝統文化も現代の中でしっかり共存させていることに先進国の評価は高い。また、西洋の要であるクラッシック音楽などでも、毎年のようにコンクールで日本人の優勝者がでるなど、あらゆるところで日本の活躍が目立っている。

 今まで、マスコミは経済と政治ばかりに日本を評価してきている。しかし、他国が日本を見る眼は多様である事を忘れてならない。人に対して言えば、お金を持っていなければダメのレッテルを貼られるわけではない。教養、人柄、性格、趣味など数字に表せない方がむしろ大きい。

 日本は戦後60年、経済の発展だけを目標に頑張ってきたのではない。我々は強く意識していないけど、同時に社会的あるいは文化的な資質も大きく引き上げてられているのだ。また、日本には先祖から受け継いでいるすばらしい文化、精神もあり、そうした社会的なソフト面が現在の日本の中で総合的に熟成され、1つの日本文化となっている。日本人にとってあたりまえと思っていることでも、実は外国人にとって、「驚き」や「憧れ」になっているのはそうした文化の力であろう。少し、飛躍しすぎているかもしれないが、日本人はもっと自信を持っていいのだ。

タグ:外交 中国
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「日米同盟」、オバマ大統領の演説で、未来志向になった。 [外交・防衛・海外]

日米関係、日米同盟は本当のところ安泰なのだろうか。
この件におけるメディアの報道によると、「インド洋給油活動の中止」や「普天間移設合意の見直し」など、前政権時代の決定事項を覆すことでのアメリカ側の不信感や「対等な日米関係」も意味の捉え方で、日本の都合良さだけを強調し、アメリカに不快感を与えるのではないかと日米関係の軋みや隙間を伝えるものが殆どで、全体的に冷ややかな論調のものが多い。

私自身、オバマ大統領が来日するまで、「不安定な日米同盟」という認識に染まっていたが、東京での演説を聞き、考え方が変った。
彼は演説の中で、「日米同盟の深化」という表現で、新しい時代の日米の信頼関係と絆を表し、この同盟がしっかり持続しているのも同じ民主主義の価値観を共有しているからだと強調している。

リップサービスだと言う人もいるだろうが、この言葉を信じたい。
そもそも、この世界、全ての面で利害関係が一致するはずもなく、軋みや隙間だらけである。例え一部で一致しても、恐らく不一致の方が多い。それをあれこれ取り上げて損得勘定してもデリケートになるばかりだ。日本人特有の「重箱の隅」論で悩んでいてもダメなのである。

しかし、オバマ大統領の演説はあらゆるものに前向きで心に響く。
彼は、目指すべき理想の姿、最善のかたちを示し、それが我々にどのように利益をもたらすか、わかりやすい身近な言葉で語る。大きな幹がイメージできるから、小さな幹や枝葉の問題は、神経を尖らせるほどでないと感じてしまう。
とにかく、指導者としては最高のスピーチで、感動してしまう。

40分にわたる演説では、日米同盟の重要さとその協力、信頼関係で東アジア、世界の安定と繁栄に対して何をするべきか、我々にあらためて方向性を示してくれたと思う。
中国も恐れるだけでなく、協力し合う姿勢を持つことの大切さも教えてくれた。アメリカは経済的には協力関係にあるが、政治的、軍事的には敵国に近い。懐の深さを感じる発言であり、実際、中国訪問で実行に移していくのだろう。日本もアメリカと連携しつつ東アジア共同体構想の実現に向けて、努力していかなければならないと考える。

鳩山首相とオバマ大統領との関係は、前首相の時より親近感が高まったように思える。二人とも共通して誠実なイメージで、個人的にも信頼し合える関係が築けているのではないか。オバマ大統領は鳩山首相に対して、自分と同様多くの国民からの支持を得ている指導者であることに敬意を持ち、かつアジアの重要なパートナーとして接している感じがする。たぶん、今までにない日米のトップの姿ではないだろうか。

日本は、この良好な関係の中で色々な難題に取り組まなければならない。しかし、幾ら良好と言えどもスムーズにいかない方が多いだろう。普天間基地移設問題もトップ同士の間で理解があっても、実務レベルで容易に解決するとは思えない。だが、両首脳の絆がしっかりしていれば、少しでも良い方向が模索できる。日米同盟から50年目、良い方向に向けた全体見直しを、基地問題含めて、じっくりやってもらいたい。


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現代の日本、「天地人」と重ね合わせて。 [外交・防衛・海外]

 大河ドラマ「天地人」を見て、現代の日本と重ね合わせてみた。
日本が「上杉家」、アメリカを「豊臣家」、中国を「徳川家」に見立てると面白い。

 戦国時代には上杉謙信率いる越後勢は甲斐の武田と並び最強の軍団と恐れられていた。しかし、天下統一を目指す織田軍に攻められ、窮地に追い込まれるが、本能寺の変で九死に一生を得る。その後、豊臣秀吉とは同盟のような関係を築き、秀吉の天下統一に貢献するとともに、五大老の一角としても存在感を示してきた。やがて、秀吉の死とともに家康が台頭し、そして、権力が豊臣から徳川へと移っていく。

 まさに今の日本は、豊臣家から徳川家へ時代が移り変わる中、自国の安全と独立のためにどう振舞うべきか、思案する上杉の立場と妙に似ている。

 現在、中国は経済、軍事においてアメリカを凌ぐほど力はないが、将来的には間違えなくアメリカに変わり世界でNo.1の座を勝ち取ると予想されている。今の日本はアメリカとの同盟関係は堅持しつつ、大国に成長した中国とも上手くやっていかなければならない。しかし、民主主義国家でない中国に対する懸念も強く、アメリカとの関係を最優先に考えるべきと中国に対する牽制論も少なくない。

 当時の上杉家もまた権力が増大する徳川家にはアレルギーが強く、豊臣家への忠義を主張する者も多かったが、家老の直江兼継が苦悩しつつも豊臣から徳川へと軸足を徐々に移し、上杉存亡ににかける。結果的に上杉は、徳川に屈し、細々と生きていく道を選ぶことになる。

 日本も少子高齢化、経済力の低下などから、いままでのような世界第2位の経済大国として存在を続けることは難しい。アジアにおける中国の存在が巨大化する中で、日本が安全と自立をかけて生きていくには、どうするべきなのか。アメリカとの同盟関係だけで良いのか、中国との関係を深化させる方向に進むべきなのか。どの道を選ぶかで日本の将来が大きく変わる。

 もし、家老直江兼継が現代の日本にいたならば、どういう策を考えただろうか。おそらく、国の損得よりも、国民を思う心で大決断を下すに違いない。歴史と重ね合わせて考えるのも面白い。

タグ:日米同盟
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日本の安全保障、もっと国民の意識を高める必要あり。 [外交・防衛・海外]

 いま、普天間基地移設問題で沖縄が揺れている。
県内、県外、国外、どこで決着するのか。沖縄の方々にどれだけ配慮できるのか。
日米安保は堅持か、見直しか、この先どのような展開になるのか。
この問題は基地という視点でなく、日本の安全保障、あるいはアジア、アメリカとの関係を大きく捉えて考えなければならない問題だ。

 あらためて、日本の防衛はどうするべきなのか、「危機」「軍事力」「外交」の3つのキーワードから、問題点を整理してみる。

まず、現在の状況から、日本に起こる可能性がある危機をあげると
①北朝鮮からの攻撃(現在、最も深刻な問題)
②中国からの侵略(将来的に起こる懸念)
③イスラム勢力等のテロの攻撃

①、②については、もし、アメリカの軍事的抑止力が効かなくなると不安な面がある。③のテロについては、逆にアメリカと同盟国であることが標的になる可能性も考えられる。
こうした危機に対して、日本はどうあるべきなのか。
「軍事力」と「外交」の内容とバランスをどうとるか、それを整理してみると、

「軍事力」における考え方の分類
①従来路線。日米同盟を基軸し、アメリカの核の傘下、軍事力に依存する。
②日米同盟を基軸にしつつ、日本も自立を図る。集団的自衛権の行使を可能。
③日米同盟を維持しつつ、日本の軍事力増強。アメリカの依存からの脱却。
③日本の軍事力の増強。核保有も視野。
④軍事力は必要なし。外交で防衛を図る。

 これらの考え方には、日本の平和憲法の縛り、非核三原則、軍事費の莫大な費用、自衛隊の危険リスクなど、どこにウエイトを置くかによって大きく違ってくる。

「外交」における考え方の分類
①日米同盟中心。戦後60年の継続路線。
②日米同盟の見直し。中国やアジアなどの連携を深める。(ウエイトの置き方を変える)
⑤日米同盟解消。全方位外交。外交でも自立。

  外交では、米国の衰退、中国の台頭が無視できなくなっており、従来のようなアメリカ中心でいいのか、東アジア共同体のように、アジアにシフトしていくのか、あるいは中立的に全方位外交でいくのか、日本の位置づけを見直しすべき時期に来ていると言える。

 そんな中、普天間基地移設は、まさに日本の防衛の進路が問われる問題だ。
県外、国外、基地を縮小というのは、基地の住民にとっては願ってもないことであるが、同時にアメリカとの同盟の見直しにもなってくる。そのとき、日本にはどんな覚悟があるのか。
また、アメリカ基軸の政策を続ける意味はいつまであるのか。
問いただすことは多い。

 いずれにしても、10年、20年後の世界を見据えて、日本の平和をいかに維持するかを考えていかなくてはならない。基地をどこに移転するかだけに終始せず、政府は、もっと根幹的なところを、国民にわかりやすく説明し、この問題における国民の意識をもっと高める必要があるだろう。

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