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アメリカ議会でウクライナ軍事支援可決。これが本当に望ましいことなのか。 [外交・防衛・海外]

アメリカの議会でウクライナ支援予算が可決された。
これでまた戦争が続けられ、多くの死傷者が出る。
ローマ教皇がウクライナに対して降伏を意味する白旗を持って交渉すべきとの発言で、この戦争を終結させようと望みをかけたが、それも空しく終わった。
報道では、ウクライナの人々が「民主主義、祖国を守るために戦う」と言っているが、それが本当の姿勢なのだろうか。この数年の戦争で数万人では済まない死者を出しており、徴兵で出兵した若い兵士たちの多くが命を落としている。それでも家族は祖国のために戦いを本当に支持するだろうか。
ロシアは軍事大国であり、アメリカやNATO軍が本格的に前線での戦闘支援しなければとても勝ち目などない。武器やお金だけ支援されても、戦争で犠牲になるのは当のウクライナ人である。
そろそろ、ウクライナの人々もその矛盾に気が付いているのではないだろうか。
そもそも、かつてウクライナはソビエト連邦に属して、いまのロシア以上の共産主義を経験しているはずだ。また、10年前までは親ロシア派の大統領のもとで国が収められており、ロシアとほとんど同じような環境にいたのではないか。極端な話だが、仮にロシアの支配、あるいはロシアの息のかかった政府に占領されたとしても、もとの環境に戻るだけで、一般庶民にとってはさほどの苦痛や不合理な事ないのではないか。彼らには民主主義とか、専制主義とか関係なく、毎日の食べ物と仕事があり、家族や近隣の人々と安心した生活で暮らせればそれ以上望むことはないように思える。
 
ゼレンスキー大統領の演説は非常にわかりやすく説得力がある。しかし、最近は彼の言葉にはアメリカが作った原稿を読んでいるような気がしてならない。現状を冷静に観ると、彼は国民の命を担保に、アメリカや西欧諸国からお金を借りて、ひたすら勝ち目のない相手に対して戦いを挑んでいる状態だ。どこかで妥協を探る方向に行かないのはなぜだろう。得しているのはアメリカと西欧諸国の軍事産業だけだ。
今世界は、アメリカを中心とする民主主義国家、ロシアや中国のような民主・専制国家、中東などのイスラム国家が大きな勢力となり、お互いを牽制しながら国を治めている。決してアメリカが正しく、ロシアが悪というわけではない。また、逆も然り(しかり)である。それぞれの言い分があり、お互い主張し合えば衝突する。ならばお互い妥協する姿勢をとるしかない。本当の意味での民主主義はこうした危機的状況での理解をもった話し合いだ。まず、民主国家の代表格であるアメリカが手本を示すのが筋であろう。
しかし、いまのアメリカは自分の主張が正義であり、それを貫くことが一番ベストであると過信しているようで、他国の言い分を聞く耳をもたない感じだ。また、アメリカの政治的判断基準の中に人道というよりも、経済的な損得も見え隠れしており、非常に危険なにおいもする。いま、日本政府は日米同盟維持のため、アメリカに追随していく姿勢を貫いているが、すべての価値判断をともにすることは大いに疑問だ。
 
日本は古来、和を尊ぶ国であり、それが我が国の精神の源である。
日本は独自の立場で、さらに継続しそうなこの戦争を「和の精神」をもって終結させるため、ウクライナとロシアに対して和平の外交努力をしていくべきではないだろうか。

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