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日本国債格下げ、なぜ日本は怒らないか。 [経済・財政]

 日本の国債格付けがまた引き下げられた。

 アメリカの民間格付企業の1つであるスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)によって、日本国家の価値が決められた。「AA」から「AAマイナス」へのステップダウンである。ちなみに世界中を金融危機におとしいれ、双子の財政危機を持つアメリカは、AAA(トリプルA)の最上級ランクの格付けである。日本は主要先進国の中で、下から2番目、中国、サウジアラビア、クウェートと同格の位置で、いずれも自由経済、民主主義国家としては後進国である。まあ、ナメられたものだ。

 そもそも、アメリカの格付会社がサブプライムのクズ債権をトリプルAで格付けし、それを信用した世界中の人々が多大な被害を被ったのは記憶にあたらしい。つまり、公正公明な評価基準でなく、何か政治的、政策的の目的に基づいて、評価を決めているのは明らかである。

 そんなデタラメな格付会社が出した日本国債の評価を、日本中だれも怒らない。野党自民党谷垣総裁は菅首相の政治音痴を追求する前に、まず日本人として、そのS&PにNG、もしくはレッドカードを出すべきだ。日本がバカにされて悔しくないのか。メディアも中国ばかり批判するのではなく、こうした横暴なアメリカの姿勢も正すべきである。この国は完全にアメリカに飼いならされている。

 しかし、ひとつ判ったことがある。日本国債の価値は、外からこれだけ大きなダメージを受けても、ちょっとグラつく程度で、本質的にはビクともしない。つまり、最上ランクのトリプルA並みの信用があるに等しい。

 逆にアメリカやイギリスの国債が、日本と同じランクに格下げされたらどうなるだろう。たちまち、大暴落が起き、世界中が、また金融危機の渦に巻き込まれるのは必至であろう。

 この日本国債の信用の高さには、カラクリがある。それは国債を保有する95%が日本人で、あとの5%も海外の優良企業や機関で占められている。つまり、日本国債の債権者は、決してその時の損得で動かない、世界で最も信用できる人達で成り立っているのだ。それに対して、アメリカ国債の債権者は主に日本と中国、そして世界中の国々に広がる。今は中国が一番の債権者になっているため、彼らがこのS&Pのように勝手にランクを変えれば、アメリカ国家をグラつかせることもできる。したがって、信用できる債権者が買い支えている訳でないから、はっきりいってトリプルAの信用できる債権とは言い難い。

 そう考えると、日本は国債に対して、世界でいちばん頭のいい戦略を取っていたのかもしれない。ただ、日本の国債も借金だらけの財政では決して褒められたものではない。早急に財政再建を進めるべきであろう。

 国債の価値は、日々の金融、経済の営みに左右するものあるが、それと同時に国家の安全に関わる大事なものだ。とにかく、海外に甘くみられないように、政治の舵をしっかりとってもらいたい。


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