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岸田総理の「新しい資本主義」キャッチフレーズはいいが・・・。 [政治・政局]

最近、岸田総理のよく口にする「新しい資本主義」、国民はこれをどう受け止めているのだろうか。
先日のテレビ放送でも「様々な社会的課題は障害物でなく、それを成長のエンジンとして捉えて、持続可能な力強い経済をつくっていきたい」と語っていた。とても耳障りがよく、なるほど逆転の発想か!・・・うまい語りに思わず頷いてしまう。
 
ただ、冷静になって考えると???がついてくる。
そもそも、社会的課題が成長エンジンになり得るものか?・・・
  
例えば、いま最も関心が高い社会的課題である「格差社会のひずみ」を取り上げてみると、本当に「成長エンジン」として捉えることができるか。
いや、いくらこじつけても無理がある。まず素直に障害物とみなして、それを無くす努力が先決であろう。
 
そのためには、賃金の処遇や働き方、非正規雇用の問題、教育格差、さらに能力主義や成果主義などその背景にある様々な問題を掘り下げて、一つ一つ丁寧に解決していかなければならない。
少子化問題も同様、若い世代の経済不安や子育て環境の整備の遅れ、若者たちの結婚離れなど、その障害となる原因を明確にして、その壁を突き崩していく必要がある。やはり、「エンジン」でなく「障壁」そのものだ。
 
岸田総理は「成長」が、明るい未来を呼び起こす原動力のような訴えをしているが、逆に成長がもたらす負の作用こそ、社会的課題の原因であり、我々はしっかりそれを見定めなければいけない。
 
ここでひとつのキーワードがある。
「成長」でなく「脱成長」
   
マルクス学者の斎藤浩平さんが「人新生の資本論」という本で、この概念を提唱し、大きな反響を呼び起こした。「経済成長を求め続ける間は、労働条件も、地球環境も悪化し、生活は豊かさを奪われる一方で、飽くなき成長を求める資本主義から脱出した方が、99%の私たちは豊かになれる」という。
いわゆるグローバル資本主義の限界を、マルクスからヒントを得た「脱成長コミュニズム」という発想で痛快に批評しながらも、新しい道しるべを示している。とても読み応えのある内容で、硬派の新書本で30万部を超える異例のベストセラーで、2年前に出版されたが、いまでも店頭に置かれている。私もこの本の影響を得ているせいか、岸田総理の言葉には違和感を感じてしまうのだ。
  
もうじき、参議院選挙がある。日本は投票率が低いのでわずか10%増の人たちが選挙に参加するだけで、大きな番狂わせが起きる。
 
生活に行き詰まってる人、社会のひずみに苦しんでいる人は、選挙で自分の想いが通じそうな政党や候補者に投じれば世の中が変わる可能性がある。しかし、選挙に行く人たちは、資本主義の勝ち組の人たちが圧倒的に多く、そして勝ち組の政策の継続を願う。一方、負け組の人たちの多くは、政治に無関心であり、選挙に行かない傾向が強い。この構図が変わらない限り、政治は変わらない。
 
いまの自民党の保守政治が悪いと言っているのではないが、勝ち組の人たちを優先した政治になっているという事だ。ここに抜本的な問題が潜んでいる。
 
世の中を変えるには、自分に与えられた1票の重みをしっかり受け止め、選挙に行くことが何よりも大事だ。変えられる可能性は、それしかないのだから。

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