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道端のつくし、苦労しながら生き生きと。 [旅行・散策]

天気の良い散歩道。道路端の街路樹の植え込みから、つくしの穂が顔を出しているのを見つけた。
こんな場所に、つくしが・・・!
と少々驚きながら眺めると、結構な数が生えている。普通、田畑の畔や川の土手、あるいは広い野原に、いっぱい群生している印象が強いが、それとは対照的に、ここのつくしは、所狭しとほかの雑草を押し退け、ひしめき合うように生えている。
 
しかし、このつくし、よく観るとどこか違う。
かたちの上では、紛れもなく「つくし」だが、一般的に連想する、健やかでスクスク育つ、子供たちの童謡の世界に似合うような伸びやかなイメージではない。どちらかと言うと、ゴツゴツ苦労しながら、まわりの雑草群に負けじと懸命に生きている姿に映る。場所柄、当然土壌は良くないだろうし、車の排気ガスで空気も悪い。そのせいか、てっぺんの穂の顔つきも厳(いか)ついて、春のほのぼのとした表情に観えない。
 
良く言えば「たくましい」が、こうした環境に生きていかなければならない宿命に、妙な親近感と同情心を覚えてしまう。でもつくしは見ていると、どこか楽しい気分になる。
 
さて、話は変わるが、つくしを漢字で「土筆」と書く。
知らない人も多いと思うが、当て字であるから仕方がない。筆をあたまに土に差した姿からそうなったと言うが、当て字なら、もう少し愛嬌のある漢字であってほしかった。
 
また、花言葉は「努力」「向上心」「意外」「驚き」という。思いのほか地味である。でも、このつくし、案外この言葉に当てはまるかもしれない。
つくしは、桜と同様に春の代名詞、寒い冬からあたたかな季節の移り変わりを告げてくれる。
しばらく眺めていると、最初は厳しそうに観えた表情も、あたたかな春の陽気を浴びているせいか軽やかに楽しんでいる様子に観えてきた。うららか日和の春の散歩道、いろいろな発見があるものだ。
  
IMG_0364.jpg
  道端のつくし群。

タグ:つくし
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