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いまの日本は「足るを知る」が必要 [哲学 思想 名言]

企業というものは、常に規模拡大と利益向上を目指して活動を続けている。これは日本だけでなく、全世界共通の認識で、資本主義経済の宿命ともいえる。しかし、その当たり前の社会・経済に疑問を感じることがある。
 

私が知る50年間、日本の風景はガラリと変わった。都心には高層ビルが林立し、郊外に残っていた田畑や雑木林などの土地も、住宅地や商業施設、駐車場などに開発され、コンクリートだらけの無機質な景色に変わった。この数十年間、日本の人口は減少化傾向を辿り、リーマンショック以降の経済成長率はゼロに近く、日本経済はずっと低空飛行が続いた。それにもかかわらず、その開発一辺倒の構図は変わるどころか、むしろ促進しているように見える。そして、不動産会社や建設会社は、今回のコロナ禍でやや鈍りはあるものの止まることなく、さらなるターゲットを探し拡大成長している感じだ。その姿は、食料を食べ続けて巨大化していく恐竜とが重なる。ただ恐竜の辿った道からすると、食料を食べ尽くし、かつ大きな環境変化に対応できず、絶滅の運命に至った。現在の日本も同じ危機が溢れているように思えてならない。

 

これからの時代は、中国の思想家、老子の言葉にあるように「足るを知る」が必要と考える。

 

限りある自然、土地、そして自然の恵みを見極め、上手に営むこと。いまの日本の食品廃棄ロス(食べられるのに廃棄される食品)は年間約600万トン、生産量の3割近くが無駄に捨てられていると言われている。食品だけでなく、衣料品や家電製品をはじめ、空き室の多い建物等が過剰につくられて、その結果、大量の無駄が生じている。しかも、売れなければその分が赤字で、経済的にも大きなダメージを被っている。人手不足の問題もこうした余剰、過剰の無駄がなくなれば解消していくように思う。

 

いまの日本の社会や経済は矛盾だらけで、方向転換が必要な時期に来ている。企業はこれからの時代を量の拡大から、質の向上に転換し、無駄のない社会を目指すこと、つまり足るを知る社会の構築に寄与することが大事なのではないだろうか。それには国民の意識の変革がもっとも必要であろう。


タグ:過剰
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