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中国反日デモ、日本と中国どちらも悲惨なだけだ。 [政治・政局]

  中国での反日デモの拡大が収まらない。日系企業の被害は甚大なものだ。愛国心を掲げながら、一部のデモ隊が暴徒化し、略奪や破壊行為が繰り返されている。

  これから国の将来を担う若者たちが、笑いながら建物に石を投げたり、火を放ったりしている。これが今日の中国人の姿として、その映像が世界中に配信されている。中国の指導部は、その国家の恥さらし行為を観て、どう考えているのか。領土問題以前の問題である。

  領土問題については、世界中のほとんど国が苦慮している。お互い言い分はあるし、妥協もできない。しかし、そうした問題を乗り越えて、外交努力することが、成熟した国家同士の暗黙の了解である。

  これまで中国は、愛国教育で、日本を徹底的に悪者にしてきた経緯がある。日本人は小人で、略奪やコソ泥のようなことを平気でやり、この世で最も軽蔑すべき人種であると、憎しみを込めて叩き込んできた。中国共産党の正義を讃えるために、悪役日本は非常に都合よかったからだ。しかし、過度の偏見に満ちた教育は、かえって自国の若者の思考回路を歪め、とんでもない方向に走らせてしまったようだ。

  中国はひどい格差社会である。貧しい人たちにとって、今の共産党特権階級は、富と権力を独り占めし、自分たちを苦しめている元凶でしかない。結局、その不満や怒りは反日から反政府へと向かい、その感情も日本に向けられていたものと同じ過激さに変化している。今回のデモの被害対象が日系企業だけでなく、共産党施設に及んでいるのも、その一歩である。

  今後、尖閣諸島は日本の政治姿勢からも、緊張が益々高まることが予想される。ただ、中国には、広い視野と世界観を持った知的階層の人たちが大勢いるはずだ。彼らは、若者たちの暴徒行為が如何に情けないか、政治に何を訴えるべきか十分認識している。であるならば、そうした声をもっと、国中に浸透させてもらいたい。このデモは国民の中からブレーキをかけるしかない。そうでなければ、彼らのレベルで中国の政治がひっくり返ってしまう恐れさえある。

  これから中国は間違いなく大国の道を歩んでいく。アジアのトップリーダーとして、力ずくで物事を解決するのではなく、民主的に平和を築いていく義務がある。面積では中国本土の一点にも値しない無人島1つに、青筋立てるのもどうかと思う。また、日本も国際法を盾にした正論も良いが、あまり自己主張ばかりするべきではない。両国のリーダーとも、次の世代がお互い仲良くできるように橋渡しすることが義務であり、そこに全力を尽くすことが最大の外交であろう。お互い一歩引き平和的解決する道を探すことが必要であると思う。


タグ:反日デモ
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