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iPhone5、アップルも独創性よりも機能重視? [産業・企業]

  先日、米アップルiPhone5が発表された。

  画面サイズは3.5インチから4インチに拡大し、形状はやや長めになったが、厚さは18%薄く、重さは20%軽くなった。そして、次世代チップの搭載や最新の通信サービスLTE(ロング・ターム・エボリューション:国内で使用する800メガヘルツと1.8ギガヘルツを含め、5種類の周波数帯域サービス)の対応で、データ処理の高速化や幅広い情報サービスが可能になるなど、機能面でiPhone4から大きく進化した。

  しかし、そんな優れものの商品でも、市場の評価はきわめて冷静であった。これまでのアップルは、跳びぬけたサプライズを世界に放ち、他社の商品を圧倒させてきた。ipodでは音楽をCDからネット配信の世界を変え、iPhoneは電話を聴くものから、観て触るものに変え、ipad はパソコンを置いて使うものから、持って使うものへ変化させた。次々に、ゴチゴチの固定概念をひっくり返す商品を発表し、我々を興奮させてくれた。

  すべては創業者スティーブン・ジョブスの独創性によるところが大きかった。

  そのカリスマ的な彼がいないアップルは果たしてどうなるのか、いま世界中が注目している。現在の業績、株価共に最高潮に達し、今回のiphone5も予約が殺到している。当面はジョブスの影があり、その路線を歩めば順調にいくが、それだけではジリ貧化する。アップルファンは優秀な商品よりも、むしろ世の中を変えるほどの独創性に期待している。つまり、一番厳しいユーザーといってよい。

  今回の商品から観えてきたのは、リスクを伴った冒険は抑えられ、より現実的で実用的なものへの追及である。アップル哲学があったとしても、企業は成功を第一に、いや失敗が許されないとなれば、結局、そうした方向に進まざるを得ない。

  もし、ジョブスが生きていれば、今何を考えていただろうか。icar(車)なども意欲を燃やしていたと聞くが、きっと度肝を抜く、新しいコンセプトで、世界中を驚かせていただろう。現在の携帯が電話だけでないように、車がクルマでない、すごい商品が現れたに違いない。

  今回のiphoneは、以前ほどの他社商品との差異は無くなった。機能だけの競争になれば、技術的ノウハウを持つメーカーが優位である。そうなると価格競争になり、今ほどの収益性を得ることが難しい。これからは新興国も参入し、結局、薄型テレビのようにスマホもタタキ売りが始まるような気がする。

  消費者にとってはうれしいが、企業にとって厳しい消耗の年が始まろう。日本企業も現在儲かっているスマホに選択と集中してきているようだが、危険な予感がする。シャープの二の舞にならなければよいが。

  日本は原発ゼロという世界でも稀な国家に進もうとしている。自然エネルギーの活用、省エネルギーなどの分野でも、まったく新しい独創性があるはずだ。もしかしたら、スティーブンジョブスも環境について深く考えていたかもしれない。環境でも固定概念を打ち破る新しい発想や技術もあるだろう。日本企業はそんなところに活路を見出すことはできないものか。iPhone5の商品発表から、話が大きくズレたが、ジョブスのあたらしい発想はあらゆる分野に活かしてもらいたい。


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