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次の首相は復興財源を曖昧にしてはいけない。 [政治・政局]

 また、日本の首相が替わる。もう誰も驚かない。毎年の恒例行事のひとつである。

 政治は脆弱だが、官僚の世界はビクともしない。世界騒乱の中、日本が比較的健全に生きているのは、官僚主導によるところが大きいかもしれない。決して国民に目を向けた行政をしているとはいえないが、少なくとも省益を守るため、その延長線上で国益は考えているようだ。

 しかし、政治はいつまでたっても無責任である。今回の民主党代表選でも、復興、復旧財源は、まず建設国債ありき、60年償還で政治がしっかり責任を持てば良いと、またいつもの先送り論を繰り返している。とにかく税に関わる論議を避けた発言ばかり目立つ。

 建設国債は、赤字国債と違って、国会の承認手続きがいらないとしても、建設国債も赤字国債も同じ借金にかわりない。国家の財政バランスシートではマイナスが膨らむ。マイナスが出るならば、プラスを補うのは当然のこと、マイナスだけで済まされるならば、政治家はいらない。

 そもそも国債を発行するならば、借金と言えども、大きなお金が国民の生活の中に入ってくる。せめて、今の世代は、その膨大なお金を、ただ使い果たすのではなく、早く借金の返済に努力するべきである。これまでも、赤字国債(約900兆円)の恩恵を散々受けてきたのだ。次の世代に対して、あまりにも申し訳ないはずだ。デフレを言い訳にしてはいけない。

 現在のデフレ経済の原因は、お金が流通しないことにある。 

 ギリシャやアイスランドをはじめ世界の殆どの国では、国家の財産が不足して、お金が流通しないことから不況が生じている。ところが、日本は膨大な資産(約1400兆円)があるにもかかわらず、結局、貯め込み過ぎて流通するお金が少なくなり、不況に陥っている。よその国から観たら、実に不思議な国である。

 日本人の思考は内向きで、自分の将来の心配、財産の確保に対する執着は大きい。特に高齢者に、その傾向が顕著に観られる。統計的に観れば60歳以上の貯蓄残高が異常に高い。中には社会保障である年金をひたすら貯金している人もいるという。それではお金が止まったままだ。経済としては資本ストックとしての流通より、消費によるフローの方が経済に元気がでる。デフレ解消には、この歪を是正することが第一であろう。いずれにしても、高齢者の消費マインドを高める政策が一番効果がありそうだ。

 いずれにしても、復興の為の財源を確保しなければならない。デフレ脱却の目途が立たなければ、復興財源の税と言えども、なかなか国民の同意を得るのは難しそうだ。どうしても、この高い貯蓄に手をつけたくなるが、それは国債発行につがる。やはり、消費税でカバーするべきなのか、目的税で集めるべきか、なかなか難しい問題である。 

 財政は借金で破たん寸前。もう選択肢は限られている。残された手段は、あらゆる知恵を絞って、デフレを脱却し、税の負担を軽減することだ。それには高齢者にお金をたくさん使うことが、最大の解決策かもしれない。


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paco

高齢者の消費マインドが低いからデフレになっているのではなく、デフレだから消費マインドが低いんじゃないですか?

つまり国が震災復興あるいは旧態化したインフラ整備の為に積極的に国債を発行し、円を市場へ流通させることが第一になるはずです。

そもそも日本の財政を破綻寸前と言う事自体がナンセンスです。


ご存知でしょうが、日本の借金と言われているものは、円建てでほとんど海外には流れていません。

それがなぜ破綻寸前と言えるのでしょうか?
by paco (2011-11-17 09:15) 

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