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ガセネタで大恥をかいた自民党。小沢神話に懲りないマスメディア。 [政治・政局]

  大震災直後に大人しくしていた政治家たちが、急に元気になり始めた。 ただ、この国家危機をどう乗り越えるかを議論するのではなく、国家元首を替えることのみ、情熱を上げている。そのあと、どのようなビジョンで復興、再生するのか、また不況が続く日本経済をどう立て直すのか、具体的な姿を示すことなく、ひたすら倒閣運動に精を出している。

  民主党の中は、相変わらず小沢氏の存在が大きいようだ。あれだけマスコミや国民からイエローカードやレッドカードを突きつけられても、なお健在である。不思議なのは、いつまでも小沢神話を壊さないマスコミは何なのだろう。代表選のころは小沢政治と決別すべきとはっきり書いていた新聞社が、いまでは小沢氏の発言や行動をひときわ持ち上げている。報道や論評の質にブレがあるのではないだろうか。

  それから、自民党であるが、官僚からの海水注入中止のガセネタに踊らされて、谷垣総裁が大恥をかかされた。いや、倒閣を急ぐあまり、そのガセネタに飛びつき、大やけどをしたといっていい。東電の情報管理の問題もあるが、それ以上に自民党の浅はかさが恥ずかしい。少なくとも谷垣総裁を中心とする執行部は、無能呼ばわりしている菅政権と五十歩百歩であることが証明されてしまった。

 来週、野党は内閣不信任案を提出する予定らしいが、次の内閣が現内閣より能力以下になることも、国民は十分覚悟しなければならない。いまより、決してマシという保障はまったく無い。新聞をはじめ、すべてのマスコミは、現政権を引きずり降ろすことばかり誘導する空気が強いが、そのあと、どうなるか、あまり触れられていない。何かリスクの高い方向に進まされているようでならない。

  よく首相の強いリーダーシップを期待するというコメントを目にするが、衆参で過半数とれていない政権では、それを期待することは無駄だと思う。今の日本では、野党は同じような政策、意見、考えでも、何か差異をつくり反対する。そうしないと自分たちの存在感がなくなるからだ。だから、小いさい事でも大議論になり、迅速に事が進まない。「民主主義の罠」とでも言おうか、各党が協力してひとつの仕事を成すことができにくい仕組みになっている。平和な時はそれでも良いが、いまのような国家危機に瀕している時には、もっと大人の対応が望まれる。

  所詮、いまの日本の政策は、民主党、自民党、どちらが政権を担っても、官僚が大筋のシナリオを書ている。彼らが政党の好むように脚色しているだけで、どこかで上手くバランスを取っている。だから、政治家のパフォーマンスで180度違って聞こえる政策も、実は5度、10度程度の違いで、本質的なところは殆ど変っていないことも多い。そう考えると、政権や首相をコロコロ替えるメリットは、果たしてあるのか、非常に疑問である。

  いまの政権には決して満足していないが、この時期に敢えて変えなければならない理由は、よくわからない。むしろ、協力を拒み、何も成果を出せない野党の責任を追及することも、政治不信を払拭する一つの選択肢ではないか。約半数の勢力を持つ野党がしっかりしなければ、日本の国家は片肺と同じである。マスメディアは、そうした見地で厳しく報道しなければならない。

  百年に一度の国家危機、この大事な時期を無駄にしないように、我々は冷静に、そして、しっかり事態をみつめることが必要といえよう。


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