SSブログ

原発解散で、ヨーロッパのような環境保護の市民派政党が躍進? [政治・政局]

 菅首相の打たれ強さに与野党疲れ果てている感じである。 一定のメドとなる3条件の法案を成立させ、早くは現政権を終わらせようという動きも加速している。一方、その当事者の菅首相はいたって元気であり、政権に対する意欲は一向に萎えていない。ただ、国会全体はゲッソリ衰え、すべてが空回りしているのは深刻な問題である。そんな中で、この国はどうなるのか、非常に心配である。

  昨日も、また菅首相の口から混乱を引き起す言葉が出た。原発の「ストレステスト(耐性試験)」である。政府の方針で既存原発の再稼働を進めてきた経済産業省やそれを容認した自治体は突然ハシゴを外された状態で、またも先が不透明になった。トップの朝令暮改でまたひと揉めだ。

  このストレステスト、原発の安全性をさらに高いレベルで確かめる試験であり、これに異を唱える人は少ないと思う。ただ、なぜ今頃こんな重要な話がでてくるのか、それが問題である。既にヨーロッパやアメリカでは福島原発事故を踏まえて、もっと過酷な条件で安全を評価しなければならないとこのストレステストをすべての原発で実施する方針を打ち出している。それが国際的な流れだ。ところが事故当事者の日本ではどうだろう。そうした報道が全く無く、くだらない内輪もめの話ばかりに終始、本質的な安全性の話は置き去りにされている。結局、今回の首相発言で経済産業省の官僚ペースで進まず、皮肉にも良かったように思える。

  そんなガタガタで、震災から5カ月が過ぎようとしている。いつまでも初期モード体制でいられては困る。そろそろ、様々な難しい問題に腹を括らねばならない時期に来ている。

 この原発について、私なりに整理すると次の3つのアプローチが必要と考える。

 ① 福島原発の完全な撤去。(恐怖の解消)

 ② 既存の原発はより安全性を高めつつ、徐々に代替エネルギーに転換させる。(不安の解消)

 ③ エネルギー全体の効率化と自然エネルギーの拡大。(安心できる未来への展望)

 ① については誰も異論はない。しかしながら困難極まる課題である。また、②と③について、政治家だけではなかなか方針が定まらない。現状重視の経済界とより安全性を望む住民の意思は大きな対立軸になる。ただ、経済界の中でも、風力や太陽光、スマートグリットなど新しいビジネスに期待をかけている企業も多く、必ずしも一枚岩ではない。また、住民の中にも電気代や消費税の値上がりにつながることに反対する意見も根強い。すべての人が満足できる答えはない。枝葉末節の議論ばかりしていても、話は拡散するだけだ。

  結局、進むべき道は次の2つであると思う。

 一つは、原発のさらなる安全性を追求し、共存を図る社会(電力コストは安いが安全に対するリスクが高い)。 もう一つは自然エネルギーを中心とし、現在の消費型から脱却する社会(電力コストや税の上昇、電力供給量の制約など)。

 そのどちらを国民が選択するか。そろそろ、国民に問うのもいいだろう。まだ時期早々という意見もあるかもしれないが、情報が有り過ぎるのも偏見が伴う。むしろ、直感で何が大事かで判断する方が良い選択ができるかもしれない。

  今、国会では解散を巡り、色々駆け引きされているが、もし、この原発のテーマで解散総選挙になったならば、従来のような民主党対自民党の構図ではなくなるような気がする。今度の選挙ではドイツの緑の党のような環境保護団体が支援する市民派政党体が誕生するのではと想像する。日本の政治の中心は相変わらず経済であり、環境に対する意識が薄い。だが、今回の福島原発で少し、有権者の意識も変化し、政治の方向性も変わりつつあるのではないだろうか。既成政党も現在のように政局争いでウダウダやっていれば、市民派政党に多くの票が流れる可能性がある。そうなれば、政治に緊張感が出てくる。ある意味、期待したいところだが、素人集団が入ることでさらなる混迷もありそうだ。

 ”市民派政党”の台頭。そう考えると、この前成立したNPO、NGOの法改正が、次の総選挙では意外と大きな威力を発揮するような予感がする。


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント