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伝統工芸品で楽しむ [趣味・娯楽]

  先日、東京港区青山にある伝統工芸青山スクエアという店にふらり入った。ここは全国各地の伝統的工芸品を一堂に集めたギャラリーショップで、木彫りや竹細工、和紙、陶磁器、着物など、時代を超えて受け継がれてきた匠たちの技や伝統的な日本の美を味わうことができる。いろいろと種類も豊富で、焼き物ものだけでも、九谷焼や伊万里焼、益子焼に赤津焼から備前焼、信楽焼等など、有名どころはすべて揃っている。また、ここのショップの特徴は都心に店があるせいか、古きを生かしつつ現代風にアレンジしたデザインが多く、新鮮でセンスが良い。

 実はこれまでも何回かこの店に訪れ、買い物もしている。

まず、お気に入りの一品が底に富士山を削り込んだ江戸硝子のタンブラーグラスだ。

 

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 このグラスにワインやビール、あるいはジュースを注ぐと、富士のすそ野にその色が広がり、くっきりとした雪景色が映し出される。面白いアイデアである。この写真は赤ワインで赤富士を作ったものだが、よく観るとすそ野のくぼみや山肌も驚くほど実際の形状に近い。おそらく職人さんはグラスの中に本物の富士山を彫刻する気持ちで削り込んだのだろう。このグラスで飲むお酒は楽しく愉快である。

 

 それからもう一つ、葛(くず)で編みこまれた名刺入れ。

 

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 これまでブランドの革製品を使用していたが、この店で手織り葛布の名刺入れを観ているうちに、どことなく惹き込まれて衝動的に買ってしまった。いまは仕事の必需品として愛用している。この手織り葛布は静岡県掛川の特産品で、聞くところによるとこの名刺入れは創業140年の歴史ある織元の6代目(現役)の方が織り込んだ品という。なかなか丁寧に仕上げており、物持ちも良さそうだ。

 

 葛について調べると、土手に生えているつる性の決して珍しくない植物であり、根っこから澱粉をとったものがいわゆる「くず粉」で、漢方薬の葛根湯や和菓子の葛切りの材料として身近に使われているものだ。また、つるの表皮と芯の間にある繊維から撚った糸で織り込まれたものが葛布で、かつては掛川の一大産業として地域の経済を支えていたという。この名刺入れにもその葛布が施されており、表面のサラサラした手触り感とレトロな風合いがこの品の魅力を醸し出している。商談などでこの葛布の名刺入れを使うと、相手の方も気になるらしく、本題の前にちょっと雑談の花が咲き、緊張した空気も和やかに解れていく。ビジネスにおいて、ひとつの武器になるツールといえよう。

 この2品はお気に入りであり、とても良い買い物をしたといまも満足している。


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