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キャッシュレスの時代に苦言。 [社会・生活]

 最近、「お金とは何か」と考えてしまうことがある。

つい先日、家電量販店で買い物をした時、店員からクレジット方が現金払いよりもポイントが多くつきますよと説明され、これまで極力現金主義で通してきた私だが、つい損得が働きカードで支払った。それを買うために、前日、銀行でお金を下ろしてきたけど結局使わず仕舞い。その日は時代の変化に翻弄されてしまった。ひと昔前まで現金は絶対的な存在で、クレジット払いをする人は支払い能力が低いというレッテルで観ていたが、いまはそうではない。

もう現金を持って買い物をする時代は過去になりつつあり、電子マネーやスマホ決済が主流になるのは時間の問題のようだ。令和になり新しい紙幣の発行が発表されたが、生活のための紙幣というよりも、むしろ記念紙幣の意味合いが強いように感じてしまうのは、ちょっと寂しい。

 いま思えば昭和の終わり頃、就職で一番安定した企業といえば金融関係の企業で、学生たちは競って銀行や証券会社に就職したものだ。あれから数十年が経ち、バブルの崩壊、リーマンショック、そして現在のキャッシュレス化など一番世の中の試練を受けて、激変した業種ではなかっただろうか。第一勧銀、富士銀行、三菱銀行、住友銀行、三井銀行、日本興業銀行など、超一流と言われた銀行は合併の合併を重ね、いまでは一部の銀行がかつての名残を残すのみで、この業界はすっかり変わってしまった。

当時、入社した人たちの人生も同じように激変を味わったことだろう。これも経済とお金の概念が変わってしまったからだ。さらにいまはその概念だけでなく、お金そのものの定義や質も変わりつつある。

 これからのオールキャッシュレスの時代、我々は生活にどのような変化を受けるのだろうか。お金を貯めても、使っても実感を持ちにくく、数字だけのデジタル社会になっていくのだろうか。便利で効率的な社会かもしれないが、どこか冷めて生活感が薄れていく気がする。それによって家族の在り方や人の生き方、価値観も大きく変わるように思えてならない。無機質で味気のない人生は嫌だ。

 20世紀は金銭や物品を優先する物質主義とか言われ、いろいろ批判もあったが、まだ実感のある世界であった。今世紀以降はこのデジタル化が進むことですべての価値基準が一転し、そうした世界に自分がついて行かれるか非常に不安になる。いまの若い人たちには当たり前で、明るい未来さえ感じているかもしれないが、何とも言えない将来である。まあ、昔が良き時代に思えるのは年のせいか、できればこれからもアナログ的な生き方でいきたいものだ。


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