SSブログ

使用済み核燃料を処理できない現状の原発システムは大欠陥だ。 [環境・自然]

  政府は、30年後の原発の割合を「0%」「15%」「20~25%」の3つの選択肢で、世論の動向を探った。その結果、「0%」が圧倒的多数を占めた。

  しかし、今回のこのアンケート調査にも疑問がある。そもそも、災害時の安全性やテロ対策などのリスクを懸念する以前の問題として、現在の原発は、発電後に発生する危険な使用済み核燃料棒を処理できないという、システム上の大欠陥がある。いままで、この不完全なシステムで稼働していた為、すでに国内に1万4千トンの使用済み核燃料がたまっており、その殆どが各原発内に保管されたままの状況である。福島第1原発の事故でも、核燃料プール内に保管されていた大量の核廃棄物が非常に危険な状態にさらされた事は記憶にあたらしい。

  本来、これらの使用済み核燃料棒は、青森県六ヶ所村に建設された再処理工場で再処理されるはずであった。しかし、度重なる事故や不具合等で、その目途は一向に立っていない。そんな状況の中、原発が全稼働すれば年間約1千トンは排出されるという。そんな取り返しのつかない重大な問題が公(おおやけ)にされず、そんなズサンな状況が継続されていたとは信じがたい事だ。

  結局のところ、原発の割合がどうであろうが、核燃料を処分しなければならない。現状は地中直接処分(地中遥か深く、しかも放射能が無害になるまで10万年間管理するという現実を超越した方法)の方向で検討されているが、その処分地の目途は立っていない。一般廃棄物の処分場でさえ、住民の反対で設置ができないのに、危険極まりない高レベル放射性廃棄物を、だれが受け付けようか。この問題の解決だけでも数十年かかりそうだ。

  まだ相変わらず産業界では日本のエネルギー不足を懸念しているが、そうした次元で判断するべきではなさそうだ。たとえエネルギーが高騰しても、原子力は使うべきでないというのが、即結論だと思う。

  あとは、政府が「原発ゼロ」をしっかり表明し、それに向けた対策案を整え、国民への協力を呼びかけていくしかない。国民の「原発ゼロ」は、そうした政治を望んでいるのではないか。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント