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竹島問題、ガキのケンカは辞めよう。 [外交・防衛・海外]

  日本と韓国が国のメンツと意地をかけて、不毛な争いをしている。お互い侮辱し、傷つけ合い、何ひとつ良いことはない。こんな事では、両国の多くの人たちが力を注いできた日韓親善の努力が空しくなる。

  今回の発端は、韓国の李明博大統領が歴史問題と慰安婦問題を掲げて、竹島に上陸したことから始まる。まだ、そこまでなら日本も従来の枠組みの中での対応であっただろうが、天皇への謝罪のひと言は、国民感情を一気に逆なでさせてしまった。そこから政治レベルでのガキの喧嘩が始まった。

  しかし、冷静に考えてみると、韓国側にとって大統領の竹島訪問で得たものは何だったのだろうか。

  これまで韓国の竹島の実行支配に対しても、日本は極めて冷静に対応を続けてきたと思える。今回の件で、日本政府は改めて自国の領土であることを強く主張せざるを得なくなり、世界に対して日本の立場を発信することになった。結局、韓国に帰ってきたものは「不法占拠」という腹ただしくなる言葉と「国際司法裁判所への共同提訴」という最も避けたい「突きつけ」である。

  韓国側がいくら不当な言動、行為だと主張しても、それはあとの祭り。言えば言うほど、国際社会は冷たく観る。(両国とも思っているほど同情してくれる国はない。)特に国際司法裁判所への共同提訴は一種の「踏み絵」である。勝ちの勝算がない者は絶対に避けたい。「既に自国の領土であり、裁判をやること自体意味がない」と言い切っているが、第3者には理解できない。結局は裏付け根拠が弱く、真面にやれば勝てる見込みがないと観られてしまう。何しろ裁判所というのは嘘を暴くところだから。そういう意味でも共同提訴し、勝つ自信があるならば、そこで日本を打ち負かせばいい。

  それから、ロンドン五輪で韓国のサッカーの選手が「独島はわが領土」とアピールした件があったが、これも彼らの思惑とは逆に、世界中に日本と韓国が領土問題で紛争していることを宣伝したに過ぎない。「自国の領土で、まったく日本が関与する余地がない」というならば、世界中の人たちのいる前で、あのような大げさなパフォーマンスをすること自体矛盾している。たぶん他国の多くの人たちの目には、「日本が島を支配していて、自分たちの領土を返せ」と訴えているにしか映らない。皮肉にもその程度だろう。韓国メディアはこの件を賞賛しているが、結果は大きな誤算だったと思う。

  こうして考えると、無理に事を進めれば、逆の方向に大きく進む。日本も韓国も同様であるが、自国の政治的ミスを相手に押し付けて、国民感情をいたずらに刺激している。韓国メディアの「自国がすべて正しく、相手国が一方的に間違っている」という論調は、どこか戦時中の日本を思わせる空気が漂っている。これは韓国が最も軽蔑する思想であるが、いつの間にかそれに蝕まれているようでならない。日本も気を付けなければならない。

  結局、この問題は以前より複雑、かつ難しさが倍増した。日本も経済的な対抗措置など、一種の嫌がらせのようなことも視野に入れている。やれば必ず自分に跳ね返るだけでなく、アジア、あるいは世界経済にも迷惑をかけることは必至である。慎重に対応してもらいたい。

  過去の歴史問題や領土問題は国民感情が絡んでくる極めて難しい問題だ。たぶん、うまい解決が不可能に近い問題である。日本も韓国も妥協できない点は最初から分かっている。だが、それをどう扱いながら、友好関係を維持し、お互い利益を享受していくか、それを中心に考えなければいけない。国のトップはそれを国民にどう説得しながら、国民の平和と暮らしの安全を確保するかが問われている。両国ともアジアの主要国として、冷静な政治体制に舵を切り、お互い思いやりの心を持って外交を進めていけるよう努力してほしい。


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