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今年の夏、東京電力管内は原発ゼロの実証実験だ。 [環境・自然]

  連日30度を超える猛暑が続いている。それでも、東京電力、関西電力の電力需給量は約85%。おおむね安定している。

  振り返れば昨年の夏、計画停電がいつ実施されるか、毎日のニュースで使用電力量を観ながらヒヤヒヤしていたのを思い出す。あの時も確かピーク時に85%くらいで推移していた記憶がある。不思議だが危険水域を越えることは無い。国民の節電努力の賜物か、それとも電力会社の懸命な働きか。いずれにしても、混乱なく過ごせることはありがたい。

  しかし、産業界では危機感が強い。電力不足やエネルギーの値上げが続けば、日本経済や国民生活は致命的な大打撃を受ける。早い段階で原発再稼働すべしとの主張を繰り返している。橋下大阪知事もそうした声を無視できず、結局、大飯原発の再稼働を認めざるを得なかった。 

  現在、殆どの原発は休止状態で、国全体の電力は火力発電で大半を補っている。いまのところ、資源の確保や高騰で大きな問題は生じていないが、これから先どうなるか、誰も予測できていない。ただ、厳しい状況が待っているのは間違いないだろう。

  いま、政府では2030年後の原発比率をどのくらいにするか、国民を交えた調査を実施している。それを踏まえて、日本のエネルギー政策を進めていくようだ。けれど、どうもしっくりいかないところがある。電力会社から、きちんと電力需給の実態データがでてきているのか。供給者側の論理でどこかぼかされているのではないか。そんな疑いを抱いてしまう。 

  今年の夏、東京電力管内は事実上原発ゼロである。少なくとも、この状況下でのテデータを第三者機関家がしっかり分析して、それを国民に提示することが大事である。公正なデータがなければ正しい判断はできない。

  一方、国民にもある程度覚悟は必要である。「原発は嫌だ。」「エネルギー不足は困る。経済が悪化してはいけない。」「電気代の値上げは生活に影響があるからダメ。」 こんな主張ばかりしていれば政策はまとまらず、結局、役人や電力会社ペースで、その中間あたりの落としどころで話が決まってしまう。そうならない為にも、何が大事かをしっかり考えなければならない。

  将来、高齢化がさらに進み、ますます厳しい社会が待ち受けている。この目標ターゲットの2030年、大きな政策転換を考えれば、それほど時間はない。ある経済予測では、その年代の日本のGDPはインドに抜かれ、インドネシア等の途上国にも脅かされるほどと言われている。いつまでも豊かな国が続くというのは夢物語、そろそろ目を覚ます時期に来ている。

  3.11で、人類は原子力を扱うことの難しさを思い知らされた。恐ろしい核は戦争に使う爆弾だけではなく、平和利用の原子力発電も同じ類であることを多くの人が認識したはずである。ひとたび核が牙を剥き出せば、理屈に関係なく、どちらも同じ「核」なのだ。そうした中で、唯一の被爆国である日本が、世界に唱える核廃絶には、「原発廃止」を入れるのが筋ではないだろうか。そうなれば、必然的に原発比率はゼロにしなければならない。これが日本の選択すべき道と信じる。

  東日本大震災以降、日本はまだ苦しい状況が続くが、さらにいばらの道を進むことは、日本にとって決して間違った選択ではない。未来の子供たちが幸せに暮らせる社会づくりこそ、現役世代である我々の責務といえよう。


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