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LED照明は蛍光灯、白熱球に替われるか。 [環境・自然]

  電力不足、電気代値上げなどにより、節電の取組が一層求められる中、その切り札としてLED照明に大きな注目が集まっている。このLEDの歴史はまだ新しく、ローソンが業界に先駆け、店舗照明をLED化して世間を驚かせたのは2009年、まだ3年前のことである。それから、この分野の技術革新や普及は目覚しい。いまでは新築やリニューアル物件の多くにLED照明が採用されている。

     はたして、このLED、どんなに優れものなのだろうか。よく言われている特徴は、消費電力の低さだ。従来型の白熱電球60Wに対して、同じ明るさの電球型蛍光は12W、さらにLED電球では7W、なんと白熱球の8分の1である。また、耐久面では、蛍光灯の10倍、白熱ランプの約40倍の長寿命ある。それだけで比較すれば圧倒的にLEDが得である。しかし、コストが高い。60Wの白熱電球は130円、同等の蛍光灯は700円、LEDは2100円とズバ抜けている。でも、このイニシャルコストもランプ交換を加味すれば数年で回収でき、経済性においてもメリットがでてくる。

  では、LED照明は本当に白熱電球や蛍光灯に替わることができるのか。これはなんとも言えない。話によると白熱ランプは、数年を目処に全世界で製造が終了されるらしい。蛍光灯もLEDに劣らず優れた商品であるが、やがてはこの技術革新の波に呑み込まれる運命にありそうだ。

   ところで、ここまでLEDの良い面ばかりあげてきたが、なにか他に問題点はないのか。ひとつは「まぶしさ(グレア)」。蛍光灯や白熱球のような柔らか拡散光ではなく、目にキツイ光である。最近は商品のバリエーションも増え、配光性、演色性もだいぶ良くなってきた。いずれはこの問題も、技術的に解消しそうだ。

  もうひとつは「熱」。LEDの最大の弱点だそうだ。効率が非常に高いものと言われているが、実は電気の約30%を排熱として放散している。この熱を上手く逃がさないと、LED内部の回路にダメージを与えてしまうらしい。LEDの寿命は発光体でなく、その回路部分で決まるようだ。無名メーカーの商品で、寿命が8万時間、10万時間という表示を見かけるが、実用化されてまだそんな時間が経っていない。大手メーカーが一律表示している4万時間がやはり妥当だ。誇大表示に騙されてはいけない。

   さて、こうした様々な特徴、特質の中で、LEDと従来のランプと決定的に違うところは何か。それは、自由な形状の照明(ランプ)を製作できることだろう。粒状の発光体を集めてできているので、ベース部分の形状を変えることで、さまざまな形に対応できる。蛍光灯や白熱球は基本的にガラス管を真空引きしてつくられるので、その大きさ、形状は機能的に決まってしまう。つまり、LEDでは建物の形状に合わせたオーダーメイドも可能で、照明計画の可能性を大きく広げることができる。

  それから、もう一つ。様々な発光体を組み合わせることで、光の演出ができる。たとえば朝はスッキリした白色、夕方はリラックスできるように暖色系の色にするなど、雰囲気に合わせた光環境を作り出すことができる。また、LEDはデジタルなので制御性が良く、明るさなどの調光と合わせるとその応用範囲は広い。こうした面もLEDの大きな特長であろう。

  まだ始まったばかりのLED技術、次に有機EL照明なども商品化されつつある。光る天井や壁が当たり前の時代がやってくるかもしれない。今後、照明技術が大きく転換し、我々の生活空間はガラリと変わる、そんな時代がすぐそこに来ているような気がする。


タグ:LED 省エネ
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