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TPPはやはり問題だ。関税自主権を保つことが独立国家の基本ではないか。 [外交・防衛・海外]

  TPP(環太平洋経済連携協定)を巡って、与野党の混乱が続いている。その昔、明治の政治家たちは幕末時に締結された日米修好通商条約などの不平等条約に苦しめられ、その改正のためには、日露戦争、日清戦争など幾多の苦難を乗り越えなければならなかった。それで勝ち得たのが「関税自主権」である。これにより、やっと日本が西欧諸国と肩を並べられる一等国になれたと、歴史の授業で学んだ。

  しかし、時は変わり、完全に平和ボケした平成の今日、今度は関税自主権を放棄して、あきらかにアメリカ有利な不平等条約の締結を目指している。これを伊藤博文や条約改正に命をかけた小村寿太郎が知ったらどんな思いになるだろうか。それにしても、今の政治家は目前の損得勘定に重きを置きすぎている。それより大事な自立した独立国家であるために、何が大事かと主張する人が少ない。

  今回のTPP参加も、独立自尊の精神を持っていれば受け入れ難い問題だ。だが、日本はアメリカの傘下にいなければ生きていけない。それには多少の犠牲もやむを得ないという思想がどこか根底にあるように思える。沖縄基地にしてもTPPと同様、日本政府は自国の主張をあまりにも譲歩し過ぎて、どうもスッキリしない。

  世の中が、すべて利益優先、利己主義に走る中、長期的視点でものを判断する姿勢が重要だ。常に同じ状況が継続するとは限らず、周囲が一転した時、何が大事か考えなければならない。

  このTPPのメリットは、工業製品の輸出など関税が撤廃されれば新興国との価格競争で大きな強みがでてくること。しかし、それは関税よりも、むしろ円高の問題も絡んであり、TPPにより解決されるものではない。

  しかしながら、食糧は関税が撤廃されれば、ひとたまりもなく、国内の農業は押しつぶされる。特に主食(コメ)の自給が総崩れする可能性が大きいことだ。これは国の一番安全に関わる部分で簡単に受け入れるべきではない。

  たとえ経済力のある国でも、防衛と食糧を他国に依存する国はとても危なく、国民は安心していけない。これからは水や食糧難で苦しむ時代が来るのは間違いない。なおさら、農業などの一次産業は防衛以上に大切ではなかろうか。まず、食べなければ人は生きていけないのだ。

  そういう意味でもTPPは、やっと国民に関心が高まった問題である。これからは国の存亡という観点で、もっと深く議論する必要がある。まして、次の世代に大きく波及する問題であり、その責任は重大だ。まだ、時間はある。国会でしっかりやってもらいたい。また、国民も声を大にしていかなければならないと思う。


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四福神

こんにちは。初めてコメントを書かせていただきます。
日本の食糧自給率を上げることは本当に大事ですよね。
このままだと食糧難の到来時に日本国内がパニックになることが目に見えています。
by 四福神 (2011-11-29 11:39) 

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