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花粉症対策は「花粉汚染防止法」の制定で対策を! [医療・厚生・食品]

 最近、新聞やテレビも原発の放射能の話ばかで、花粉症にあまり目を向けられていない。しかし、今年の花粉は異常なくらい猛威を奮っている。

 まず、今年の花粉飛散量は例年の10倍と聞く。我家の車のボンネットをひと拭きしただけで、黄緑色の粉末状のものがベッタリ付いてくる。目に見えないが、こんなものが空気中に大量飛散しているとなればタダ事ではない。現在、軽い症状の人まで含めれば、日本全国で1/4の人達が花粉症に苦しんでいるという。大変なことだ。

 花粉症はインフルエンザと違って、すぐに死にいたる危険性はない。ただ、アレルギーによる呼吸困難を引き起こす可能性もあり、決して軽く考えてはならない。幸い自分には花粉症らしきはっきりした症状はまだ出ていないが、職場を見渡すと、防塵マスクが目立ち、時折、止まらなクシャミ、鼻をかむ音が聞こえてくる。みんな大変な苦労をしているようだ。

 最近では、アレルギーに効く薬も、色々販売されている。主に内服薬、点鼻薬、点眼薬があり、花粉の症状によって使い分けが必要になる。花粉症について調べてみると、花粉などのアレルギーの原因物質(アレルゲン)によって、体内でヒスタミンという物質が発生し、それによって神経や血管が刺激され、アレルギー反応が引き起こされるらしい。その症状は、クシャミ、鼻水、目のかゆみ、のどの痛み、皮膚の乾きなど、人によって様々という。薬の種類・成分も、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、ステロイド薬など軽いものから強力なものまであるから注意が必要とのことだ。

 抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬は、アレルギーの原因となる体内でのヒスタミンの発生を遅らせたり、放出を抑制させる効果があるもので、市販の薬にも多くある。一方、ステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)は症状がひどい人に処方するもので、人工ホルモンでアレルギーを抑制する効果があり、クシャミ、鼻水などの抑制に即応性があるため重宝されている。しかし、反面、副作用の危険性も隣り合わせであるので、病院での診断に頼らなければならない。

 薬は一般的に病気を治すという概念がある。しかし、厳密にいえば薬と言うものはそういうものではない。効力のメカニズムをみると、人間の免疫機能を刺激するか、止めるか、つまりON-OFFで症状をコントロールしているだけである。したがって、強力に刺激し続けたりすれば、当然、他の組織にもダメージを与える可能性が高く、それが副作用と言う形で、別の症状を引き起こす。

 また、薬の成分は本来人間の細胞内にない異質の物質である。それが体内で蓄積することは好ましくない。建物で例えるならば、少量の灯油を保管することはさほど問題ないが、それが徐々に溜まり部屋中が灯油だらけになったらどうだろう。もし、引火したら直ぐに大火事になってしまう恐れがある。それと同じことが人間の体内で起こっているのだ。つまり、薬に頼ることは極力避けなければならない。

 そこで花粉症の抜本的な対策として、花粉の発生量を抑えることが重要だ。

 現在、日本の森林はスギだらけである。最近、低花粉スギ(一般スギの20%以下)、無花粉スギの植林が進められているらしい。しかし、全体からみると、焼け石に水に近い状態である。日本の人工林の面積は約450万ヘクタール、そのうち毎年伐採しているのが5000ヘクタール。つまり、現在、日本の林業は全体の0.1%しか手を付けていないのだ。外国産の木材に押されて、国内産のスギやヒノキがほとんど商品にならないことに問題がある。つまり、花粉発生を食い止めなければならないスギ林がさらに雑然と繁殖・拡大する一方なのである。

 花粉は自然のものだから仕方がないと野放し状態になっているが、実は高度経済成長期に問題になった排気ガス、工場からのばい煙と同じ大気汚染の一種であると考える。そもそも、花粉はスギ林がしっかり植林管理されていれば、こんなにひどい状態になることはない。国の林業政策のズサンさにあるように思える。

 これだけ、国民がアレルギーで苦しむのに政府が何も対策しないのも非常におかしい。厚生省も花粉が及ぼす健康被害に対してきちんと調査すべきである。また、環境省もモニタリングだけでなく、花粉の規制値をつくり抑制するべきだ。花粉対策は林野庁任せでなく、環境省、厚生省、国土交通省、自治体を束ねる総務省、そして経済が絡んでくるから経済産業省、これらの省庁が連携して進めなければならない。

 これは放射能や排気ガスなどと同じ汚染物質と捉え、大気汚染防止法、土壌汚染防止法と並ぶ「花粉汚染防止法」を新たに制定する必要がある。これによって、林業のあり方を抜本的に変え、花粉症撲滅と林業の発展につなげるべきである。製薬会社には有難くないことかもしれないが、これは絶対やらなければならないことで、こうした方法しか花粉症問題は解決できないと思う。


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