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オヤジバンドで「夢」と「熱中」を教えられた。 [文化・歴史・芸術]

 NHKで「熱血オヤジバトル」という番組があった。オヤジバンドの東日本大会である。

 年齢は若い人で40才前半、グループ平均年齢が70才後半というグループもあったほどだから、上は80才台もいたのだろう。まあ、驚きである。

 全体的には50~60才台のオヤジ達が主体で、しっとりしたフォーク調から、激しいロックまでジャンルは様々。やはり、演奏する音楽は、その人達の青春時代である1960~70年代に流行ったスタイルのものが多かった。カッコ、雰囲気もその時代そのものである。

 番組では、エピソードも交えながら、彼らの歌を紹介していたが、普段の姿とそのステージで歌い演奏する姿の大きなギャップが面白い。殆どの人は普通のサラリーマンや公務員、自営業、中には学校の校長や副校長で組んでいるグループもあった。これまた様々でユニークである。おそらく、普段の仕事からは想像できないパフォーマンスだろう。

 彼らの共通しているのは、若いころ音楽にめちゃくちゃに熱中したけれど、やがて就職し、音楽とはかけ離れた世界で仕事づめ。でも、音楽は忘れきれず、気がつけば人生の後半。そんな時に、もう一度、好きな音楽をやってみようと発奮し、同じ想いの仲間を集めてバンドグループを結成。そして、この大会に臨んだ人達も多いようだ。みんな立派なオヤジだが、彼らの想いは若者というよりも、ガキに近いのではと思うほど夢とエネルギーに満ち溢れている。

 彼らの音楽はプロと比較すれば、まだまだ未熟な域だろうが、プロから味わえない様々な人間味が伝わってくる。それは音楽を職業としているミュージシャンとは違い、自ら楽しみ、そして、みんなと楽しくやろうとする素人的サービス感だ。こちらも歌や演奏のうまさよりも、その人たちの人生観や充実感みたいなものを意識してしまう。そこも、素人オヤジバンドの魅力の1つであろう。

 近年、無気力で覇気がない若者が増え、「夢」とか「熱中」という言葉さえ、どこか遠く感じる。夢も安全、安心なものばかりで、熱く、熱中するものは敬遠されがちだ。そこでオヤジ達の熱いバンドがガンガン若者と競い合い、大きな刺激を与えてくれれば、少し世の中が面白くなってくる。

 若者だけでなく、仕事に疲れきり、しょぼくれたオヤジ達も多い。この人達にも刺激的なカンフル剤だ。年をとっても、まだ青春は続く。そんな証明を、彼らはやってくれている。 

 夢は若者だけの特権ではなく、年齢にも関係ない。また、自分でつくるものであり、抱き続ける大事さを、この熱きオヤジ達から教えられたような気がする。


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