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電子書籍時代の幕開けであるが・・・。 [産業・企業]

 12月半ば、世の中はすっかりクリスマス、忘年会モードで、街の中は年の瀬に向かい賑わいを様している。 今年の年末商戦はどうであろうか。先月、エコポイント締め切りで大勢の人が殺到し、ある家電量販店では前年比の5~6倍売り上げがあったと言う。そのひずみなのか、最近は人が溢れ返っていた薄型テレビ売り場の前でも、お客さんの姿はまばらだそうだ。この先苦戦が続きそうな感じである。

  それに対して、いま熱いのが、電子書籍である。今年の秋にアップルのipadが日本に上陸して、大きな話題になったが、今月に入り、いよいよ国産勢のソニー、シャープが新製品を投入してきた。  特徴としてはソニーが書籍の読みやすさを追求した「リーダー」、電子インクの技術を応用し、目が疲れないものらしい。一方、シャープの「ガラパゴス」は多機能性を追求し、ゲームや音楽なども楽しめるという。いずれも日本の高い技術力を駆使した優れものだ。

  しかし、我々が期待していた電子書籍とちょっと違う点もある。と言うのは、その電子書籍を使えば、あらゆる本や雑誌、新聞などが読めるのではない。ハードと出版社との契約があり、ハードごとに読める書籍の対象が異なるのだ。これでは、せっかくの良い商品もなかなか消費者の心を掴む事は難しいのではないか。 また、そんなことでグズグズしている内に、日本や世界の市場を韓国や中国などにあっという間に席巻され、日本の優位性はなくなってしまいそうである。心配しすぎかもしれないが、ガラパゴスも本当のガラパゴスになってしまう可能性もありえる。 

  日本はものづくりに対しては、好奇心、チャレンジ精神が旺盛であるが、どうも文系的思考になると極端に保守的意識が強すぎる傾向になる。自分達の権利と縄張りを守る事ばかり執着しては、結局のところ「置いてけぼり」が落ちである。 今後、ソニー、シャープだけでなく、様々な家電業界が参入し、激戦を様するであろうが、コンテンツサービス分野でもそうなることを期待する。

 たぶん、電子書籍の世界を制するものは、すぐれた製品の性能・技術ではなく、むしろ消費者のニーズを掴む事が、最大の勝算といえるだろう。これはかつてのベータ、VHSのビデオ戦争の時と同じだ。その教訓を十分活かしてもらいたい。

電子書籍の時代は本当に来るのか (ちくま新書)

電子書籍の時代は本当に来るのか (ちくま新書)

  • 作者: 歌田 明弘
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2010/10/07
  • メディア: 文庫


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