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トヨタの再生は、日本の再生につながる。 [産業・企業]

 今年はトヨタの試練の年である。

 昨年は自動車の販売数で世界一を達成し、攻め捲くる年であったが、今年は一転して守備の年になってしまった。だが、守りばかりでは、どんどん攻められるだけで、苦労して築き上げたブランドイメージも総崩れしてしまう可能性がある。当初、豊田章男社長はアメリカの公聴会に出席することをためらっていた様だが、逆に、出席して、議会から矢面に立されることが、結果的に良い印象を与えることができたと思う。

 最初は頼りなく思えた新社長であるが、議員たちの激しい追求にも、臆することもなく、また弁明じみた感じもなく、苦しく、辛い場面もあったが、懸命に立ち向かうその姿勢は好印象であった。真摯でまじめな姿は、アメリカ人が最も苦手とするタイプのようで、豊田社長に対する批判は少なかったように感じる。

 アメリカ人は、決して甘い態度はとられないだろうが、利益がすべてと考えているずる賢いCEO達とは一線を画す人物と見えたのではないか。もちろん、実行が伴わなければ、そんな評価もすぐに吹っ飛んでしまうので、有言実行でしっかりやってもらいたい。

 しかし、経営者はやはり若い方がいい。若さで、経験がなく、未熟な分、一生懸命さと熱意でカバーしようとする姿勢がでている。年をとると、どうもその熱意が薄れてくる。これが、企業の老化かもしれない。外側から元気が無く見える会社は、自分たちは気がつかないものだが、老化か、病気が進んでいるのだ。

 老化を防ぐには、トップの交代。病気を治すにはリストラである。ただ、トップ交代でも、自民党の政権時代のように、さらに年取ったクセのある老人たちが出てきて、縄張り争いをくり返し、組織の老化を促進させる場合もある。また、リストラでも病気の基である部署が逆に頑張ってしまい、せっかく育ってきた新しい部分を切り取ってしまうケースもある。実際は改革とは難しいものだ。日本の政治、経済、企業の元気の無さは、本当はそんなところにあるのではないだろうか。

 ある意味で、トヨタは若い社長に変わり、また、社内の組織改革、リストラも自分自らでなく、外側のアメリカの強い圧力で手術をさせられている感じである。非常に厳しい状況だが、今後のトヨタを考える上でラッキーなことだったのではないだろうか。

 豊田新社長は、いまや世界中で一番顔の売れた経営者になった。顧客への信頼、品質・安全の向上という大義名分のもとで、大ナタを振るい、名実ともに世界で一番自動車会社として再生してほしい。
トヨタの再生は、きっと日本中の企業の手本になり、「日本の元気」を創るキッカケとなると信じる。
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