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事業仕分の課題、地域主権会議でしっかり反映してほしい。 [自治・行政]

 事業仕分けにより、行政の様々な事態が明らかになってきた。

 独立法人の数、類似した事業の数々、天下りの仕組みに高額報酬、プールされた基金、チェックされない行政機構、まえから指摘されていたが、今回の事業仕分けで、そのありさまが国民の前に晒された。宇宙飛行士の毛利さんも、現在日本未来科学館の館長の立場で、事業の意義と必要性を説明していたが、苦しい立場に追い詰められ、観ていて気の毒であった。ただ、毛利さん本人も2、3重になっている財団のあり方には疑問を呈していた。

 この仕分けから、次のような問題点が見えてくる。まず、事業(予算)が認められると、まず最初に、ある独立行政法人(天下り先)に一括丸投げされ、その法人が自分たちに都合よく事業を組立て、その個々の事業をファミリー企業や団体、あるいは特定企業などに分配する。その中で、天下り官僚の高額給料や癒着企業、団体への高額発注など行われ、また、事業自体も当初の目的や意義からかけ離れたものに変えてしまうケースもあるようだ。例えば、人の教育に予算が与えられても、結果は教育するための施設と運営費に殆ど費やされ、実際人への教育は極めて少額であったりする。

 つまり、霞ヶ関自体の問題もあるが、それ以降の行政システムがデタラメなのである。これを是正する事は、そう容易な事ではなさそうだ。

 かつて、日本の流通システムでも同じような欠陥があった。生産者から末端の小売業者へ行き着くまで、数箇所の問屋(中間業者)を経なければならず、そこで中間マージン、価格調整され、最終的には倍になるほどの価格に膨れ上がる事も珍しくなかった。今では、産地直送、在庫ゼロなど徹底した流通改革が行われ、品質、コストの面でも世界で最高水準にある。

 しかし、その流通改革も、思えば1970年代、ダイエーの登場から始まり、ここまで来るのに40年の年月がかかっている。既存のしくみから一歩変えることは非常にエネルギーがかかる。また、既存のものにも良い部分が含まれていることを忘れてはならない。古いものを全否定して、新しいものにすり替える手法は、郵政事業でも失敗したばかりだ。まずは、現状をよく分析して、一歩づつ変えていくほかないだろう。

 その地道な変革に地方への移管がある。
今後、地方分権が進めば、今回の仕分けで問題になったようなものの殆どが、地方に任されていくと考えられる。しかし、現状の地方行政は、国と同じであらゆる利権のしがらみの中にある。仕分けで独立法人を切っても、地方で癒着企業にお金が流れれば何の意味もない。この日本はあらゆるところに利権と癒着の病原菌がはびこっているから、実にややっこしいのだ。

 17日、地方主権戦略会議が立ち上がった。税の地方移譲の話ばかり関心が高まっているが、地方自治体が正しく自立でき、自ら行政を正しく監視できるシステムの確立が最も重要な課題である。霞ヶ関が犯した過ちを繰り返さないように徹底した議論で、本当の無駄遣いを撲滅させてほしい。
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