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「日米同盟」、オバマ大統領の演説で、未来志向になった。 [外交・防衛・海外]

日米関係、日米同盟は本当のところ安泰なのだろうか。
この件におけるメディアの報道によると、「インド洋給油活動の中止」や「普天間移設合意の見直し」など、前政権時代の決定事項を覆すことでのアメリカ側の不信感や「対等な日米関係」も意味の捉え方で、日本の都合良さだけを強調し、アメリカに不快感を与えるのではないかと日米関係の軋みや隙間を伝えるものが殆どで、全体的に冷ややかな論調のものが多い。

私自身、オバマ大統領が来日するまで、「不安定な日米同盟」という認識に染まっていたが、東京での演説を聞き、考え方が変った。
彼は演説の中で、「日米同盟の深化」という表現で、新しい時代の日米の信頼関係と絆を表し、この同盟がしっかり持続しているのも同じ民主主義の価値観を共有しているからだと強調している。

リップサービスだと言う人もいるだろうが、この言葉を信じたい。
そもそも、この世界、全ての面で利害関係が一致するはずもなく、軋みや隙間だらけである。例え一部で一致しても、恐らく不一致の方が多い。それをあれこれ取り上げて損得勘定してもデリケートになるばかりだ。日本人特有の「重箱の隅」論で悩んでいてもダメなのである。

しかし、オバマ大統領の演説はあらゆるものに前向きで心に響く。
彼は、目指すべき理想の姿、最善のかたちを示し、それが我々にどのように利益をもたらすか、わかりやすい身近な言葉で語る。大きな幹がイメージできるから、小さな幹や枝葉の問題は、神経を尖らせるほどでないと感じてしまう。
とにかく、指導者としては最高のスピーチで、感動してしまう。

40分にわたる演説では、日米同盟の重要さとその協力、信頼関係で東アジア、世界の安定と繁栄に対して何をするべきか、我々にあらためて方向性を示してくれたと思う。
中国も恐れるだけでなく、協力し合う姿勢を持つことの大切さも教えてくれた。アメリカは経済的には協力関係にあるが、政治的、軍事的には敵国に近い。懐の深さを感じる発言であり、実際、中国訪問で実行に移していくのだろう。日本もアメリカと連携しつつ東アジア共同体構想の実現に向けて、努力していかなければならないと考える。

鳩山首相とオバマ大統領との関係は、前首相の時より親近感が高まったように思える。二人とも共通して誠実なイメージで、個人的にも信頼し合える関係が築けているのではないか。オバマ大統領は鳩山首相に対して、自分と同様多くの国民からの支持を得ている指導者であることに敬意を持ち、かつアジアの重要なパートナーとして接している感じがする。たぶん、今までにない日米のトップの姿ではないだろうか。

日本は、この良好な関係の中で色々な難題に取り組まなければならない。しかし、幾ら良好と言えどもスムーズにいかない方が多いだろう。普天間基地移設問題もトップ同士の間で理解があっても、実務レベルで容易に解決するとは思えない。だが、両首脳の絆がしっかりしていれば、少しでも良い方向が模索できる。日米同盟から50年目、良い方向に向けた全体見直しを、基地問題含めて、じっくりやってもらいたい。


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