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新国立競技場、SANAA案浮上に期待。 [文化・歴史・芸術]

安倍首相の新国立競技場白紙撤回は英断だ。

予算もさることながら、あのデザインが本当に良かったのか。流線型で未来から来た巨大宇宙船のようなイメージは非常に素人受けしそうであり、このインパクトのある建築がオリンピック招致にプラスになったことは間違いない。

でも、このデザインを観て多くの感性ある日本人はどう思っただろうか。ハッキリ言って「好きになれない。日本的ではない。」という意見が多かったのではないだろうか。

このド派手なアイデアを出したのは英国在住のイラン人女性建築家で、これまでも斬新すぎて実現しない建築も多々あるといういう。今回のような予算の大超過、事業中断は初めてではないようだ。

あの巨大な建物も上空から観ればデザインの凄さは伝わるが、人の目線で見た場合どうだろう。あまりの巨大さでただの土木構造物を観ている感じになるのでは。また平和な国、日本を象徴するには威圧感が余りに強すぎる。

今回、国際コンペという透明性、公正性のあるシステムで選ばれた案というが、やはりその時の選定委員たちの基準に「オリンピック招致に絶対勝てるような迫力あるシンボリックな建築」という意識が大きく影響していただろうし、共通認識だったように思える。

ある建築雑誌にコンペで応募された競技場案がズラリ記載されていたが、やはりザハ・ハディッドさんの建築は圧倒的パワフルで、ここで勝ち抜いたのは理解できる。コンペの選定委員長が安藤忠雄さんでなくても、彼女の作品を推す声は多かっただろう。基本的には予算内で建築できることを前提に応募されたアイデアコンペである。今回の問題はデザインと予算、つまり事業性に対するチェックシステムが曖昧であったことだ。ある意味、良い学習ができたこと、また引き返しができたことは今後の良い教訓になろう。

さて、今回のコンペの中には迫力以外の面で、いくつかの秀作がある。特に日本の建築事務所SANAA:妹島和代+西澤立衛の建築は素晴らしい。ザハさんのゴッツイ流線形とは全く別物で綺麗な流線で柔らかくデザインしている。SANAAの建築はシンプルでとにかく美しい。できればこの建築を新競技場として実現することを期待したい。

この建築も実際試算をすれば恐らく予算オーバーする可能性は高い。しかし、設計事務所、ゼネコンも自分たちの儲けよりも、日本のメンツにかけてもひと肌脱いでもらいたい。これはもはや国家の威信をかけた大プロジェクトである。歴史的に残る名建築を、国民の納得のいく形で、またオール日本総力を挙げて進めてもらいたい。


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