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米アップル、韓国サムスン電子の特許訴訟合戦、どこまで続く? [産業・企業]

 米アップルと韓国サムスン電子と特許訴訟合戦が激しさを増している。

 ここまで来ると負けた時の影響は計り知れないのか。どちらも強気で徹底抗戦の構えだ。アップルも1企業に過ぎないが、この10年間、世界のIT社会を変え、かつ熱狂的なマックファンを抱えたスーパー企業だ。まさにアメリカの中のアメリカの企業である。ただ貪欲に儲ける企業体質、あらゆる広域にかかる特許などあまり評判が良くない一面もある。さらに天才スティーブジョブス亡きアップルに陰りを感じる空気も否めない。

 一方、サムスンはいまでは紛れもなく世界的な企業である。現在はアップルと対立するグーグル率いるアンドロイド系のスマートフォンで巨額の利益をたたき出しており、半導体やスマートフォンの世界では怖いもの知らずの存在にも観える。ただ、企業基盤は決して盤石とは言えず、製品寿命が短いハイテクの世界では数年で業績が天から地に転げ落ちることさえある。

 今回、米国際貿易委員会(ITC)でサムスン電子がアップルの特許を侵害したと認めサムスンの一部製品の米国への輸入と販売を禁止する命令を出した。また今月米通商代表部(USTR)はアップルがサムスン特許を侵害したというITCの命令を覆しており、アメリカの中ではやはりアメリカ企業の優勢さがにじみ出ている。

 ただ、この特許紛争でサムスンに正当性はあろう。しかし、これまでアップルに製品を納入することで今日の巨大企業へと成長の道を歩んでこれたのではないのか。日本企業ならば恩を受けた相手に牙を向けることはできようか。韓国企業ならではの凄みを感じる。

 また日本企業は特許に石橋をたたくような慎重さで対応するから、このような訴訟に至ることはあまり考えられない。日本を除くアジア系企業はあまりにパクリが多すぎる。知的所有権に対する考えが軽すぎることは以前から問題視されていた。

 アップルの特許戦略もやり過ぎの面もあるが、言い分もあるように思える。iponeやipadなど、これまで観たことのない独創的なデザインスタイルの製品が世の中に出現したかと思えば、いつの間にそれとそっくりな製品が世の中に溢れかえっていた。素人からすると機能やデザインがちょっと変わっただけで殆ど同じ製品に観える。先陣を切ったアップルは相当幅広い特許を押さえるのは当然だ。後陣のサムスンが特許で優位になるのはちょっと考えにくい・・・。同じように日本企業は訴えられていないところを見るときちんと特許料を支払っているのだろうか。

 一方、サムスンは電子通信技術の特許で訴訟している。そもそもアップルは自社で技術開発や製造している企業でなく、様々な部品をマック仕様で海外の企業に委託し製造・組立をさせているに過ぎない。サムスンが保有する技術を無断で使用したというが、サムスン以外でその技術を製造している委託企業があるということなのか。そこがちょっと良くわからない。ただ、こうした先端製品は特許的な技術の塊であり、一つ一つの技術に企業の命運をかけるような特許紛争の駆け引きが起これば、企業はウカウカと新商品など出すことはできない。

 この争いの結果次第では、2社だけの問題ではすまないのではないか。

 さて、まだ序盤で、お互い体力はあるようだ。どちらかが倒れるまで戦うのか、ここまで来るとメンツを懸けた戦いかもしれない。ただ、企業同志の争いを超えて、国の威信をかけたものにも発展しそうな気がする。

 日本は蚊帳の外だが、今回は観戦しているのが一番いい。 


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