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シャープは技術で負けたわけではない。その精神を捨てなければ必ず再生できる。 [産業・企業]

  シャープは、今年で記念すべき100周年を迎えるが、それと裏腹に会社の内情は大変な苦境に窮し、過酷な試練が待ち受けている。テレビなどの液晶をはじめ、太陽電池、携帯電話など、世界でもトップ水準の技術を数多く保有し、いまやそのブランド力は、ソニー、パナソニックに引けをとらない。そんな優秀な会社が存続の危機に瀕しているから驚きである。

  その致命的な原因は液晶技術への選択と集中。亀山(三重県)、堺の液晶パネル工場などに、巨額の設備投資で大勝負を懸けたものの、それが大きな誤算となった。この数年、リーマンショックや欧州経済の不振、世界的景気の冷え込みが続き、そして急激な円高と強力なライバルである韓国企業がウォン安で有利に競争を展開し、これまで築き上げたシェアも大きく奪われた。結局、製品の値崩れと在庫の山で、会社の業績は急速に悪化した。

  報道で現状を観ると、有利子負債は1兆円を超え、株価は5年前と比べると1/10以上急落、米投資格付会社からの評価も、いつつぶれてもおかしくない「投機的水準」まで格下げされている。工場や事業所の売却や大規模なリストラだけでは自力再建できず、資本提携している台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業グループの買収話がでるほど深刻な事態に陥っている。

  けれども、ひとつ言いたいことがある。「技術力で負けたわけではない。」 現在でもシャープの技術は世界でも一流である。経営陣の判断ミスで商売は大失敗かもしれないが、世の中に素晴らしい商品を生み出すなど、本質的には大成功を収めているのだ。

  創業者の早川徳治は小僧からタタキき上げで、幾多の失敗を繰り返しながら現在のシャープの礎を築いた。「人に真似されるものをつくれ」という徳治の言葉は、現在のシャープの企業精神に生きていると思う。企業は正しい哲学とそれを全うする人たちがいれば、必ず世の中に受けいられていく。シャープは日本のものづくりの代表格であり、これからも先頭を走るべき企業である。この苦難を乗り切り、早く再生し、また大きく羽ばたいてもらいたい。


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