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ギリシャの悲劇は他人事ではない。 [外交・防衛・海外]

 ギリシャ内閣が信任され、最悪の政治空白は回避された。しかし、危機の火種は燻りつづけ、世界中の金融が、大パニックにいつ襲われるかわからない。

 しかし、なぜ、ギリシャがこんな財政危機に陥ってしまったのだろうか。確かにギリシャの国内にも問題がある。ドイツやイギリスのように大きな企業、また産業がなく、また、農業もそれほど盛んでない。どちらかというと観光が主産業のような国だ。さらに、国民の職業の中で、公務員が占める割合が圧倒的に多く、とても輸出等で外貨を稼ぐ構造になっていない。そんな国がEU参加とともに、グローバル経済の渦に巻き込まれ、致命的大やけどをした。

 一時的には、バブル経済を味わい、国民生活も向上し、良い思いをしたかもしれない。しかし、結末は、財政破綻、これから先の展望が見えないほどの悲劇的状況である。

 アメリカの金融工学が引き起こした巨額のカネ余りが、EUを初め、世界中の国々の経済を狂わせている。最上の目的が利益のみという投資家たちは、国家の事情など関係なく、国債や通貨を売り買いする。それによる損害、被害は尋常ではない。ギリシャもその犠牲のひとつであろう。

 日本は国家の経済力が大きいからダメージが小さいけど、ギリシャなどはひとたまりもない。日本のバブル期にも、真面目な小さな会社が投機対象になり、経営や会社の体質もガタガタされ、倒産に至ったところも少なくない。カネのちからは時には暴力に等しく、恐ろしいものである。

 いま、日本の政治は、TPP(環太平洋経済連携協定)参加を巡って賛否両論揺れている。国内には強い企業ばかりでない。外圧がかかれば、ひとたまりもなく破壊されるところもたくさんある。国民にとって、安い農産物、畜産物が入ってくるのだから、メリットは大きい。しかし、気が付けば、食糧のほとんどを海外に依存する体質になることは間違いない。つまり、アメリカに依存しなければ生きていけない国家になってしまう。それでも良いと国民が望むならば、それもひとつの選択肢だ。しかし、そう望む人は少ないと思う。政治家や業界団体だけでなく、国民を交えた議論を重ねるべきであろう。

 いま、ギリシャ国民が一番苛立っていることは、EUに参加したことで、巨大なEUの力に振り回され、挙句の果てに、EUの主要国の言い成りにならざるを得ないことだろう。ギリシャの失敗は、決して他人事ではない。日本も、もっと真剣にTPP問題に向かい合うべきと考える。


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