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内閣改造、まだ続く政治の停滞、民主主義の限界か。 [政治・政局]

 政治がまたウロウロしている。大問題が山積している中、厳しい国会運営を乗り切るため、内閣改造に走る模様だ。

 1年半前の政権交代から、そろそろ若葉マークが外れてもいい頃だが、一向に運転がうまくならない。何回交通事故に遭いそうになったことか、助手席には安心して乗ってられない民主党政権である。

 一方、自民党の評価も民主党と同じように落ちてきている。強い野党の目指したのだろうが、まったく迫力も感じられず、また、国民が期待するような政策、意見も出てこない。そんなことから存在感は薄れ、いまでは新聞に谷垣総裁の写真が載ることも滅多にない。

 いつから、こういう政治になったのか。自民党時代は派閥争いで首相のたらい回し、これからは、政権の弱体化、あるいは政権再編が頻繁に起き、みんなの足の引っ張り合いで首相が変わる構図になるのか、いずれにしても不安定な状況が続きそうだ。

 ある意味、日本は「言論の自由」、「権利の尊重」など、隣国の大国では得られない民主主義の基本が根付いていると言える。しかし、どうもそれにブレーキがかかっているように思えてならない。

 言論の自由、主義主張することは大事なことだ。でも、相手を倒すことを目的にして、徹底的な批判を繰り返し、それほど差異のない政策、考え方でも、天国と地獄との違いがあるように表現する。最悪の考えと批判された方も黙ってはいない。目には目をで相手の弱点を見つけ出し、また同じように批判合戦を続ける。そんなことばかりしているのが今の政治の現状だ。

 結局、聞いている方もプラス要因が観えず、どちらに進んでもマイナスしかないと冷めた気分になり、希望すら持てなくなる。ここに国民から政治が離れていくメカニズムがあるのではないか。

 権利の尊重、これも大きなブレーキがかかる。一度得た既得権を手放すのは、損得勘定から判断して絶対許せないという心情は分らないこともない。しかし、それでは全体の枠組みが歪んでしまうのだ。国民もちょっと自分に不利になる様な事が起きるとすぐに権利を主張する傾向がある。政治の世界も同様に権利を守ること、さらに広げることが専らの関心事のように見える。権利の尊重は、あまり公には使われない言葉であるが、日本人、そして日本の政治の中では、暗黙の最上位の概念のように思えてならない。それがこの国の政治を重くしている。

 この「言論の自由」と「権利の尊重」、民主主義の基本であるが、これをちょっとひっくり返して、こうしてみたらどうだろう。

 「言論の尊重」と「権利の自由」である。

 「自由」には責任があるとよくいわれる。言論も同じで話した言葉には責任がある。当然、相手も色々考え、良い事も言っている。すべてを批判して、引きずり下ろすことだけが目的ならば無責任としか言えない。やはり、良い意見ならば讃え、問題があるならば正す。そうした姿勢が大事だ。政治家は国家の舵取りを担う大事な役割を果たさなければならない。そこで喧嘩ばかりしていては、その船は荒波の中で止まるか、沈むかしかない。

 権利については扱いが難しいが、「尊重」と「自由」のバランスをうまくやらねばならない。力のあるものは、それほどの権利に固守する必要ない。しかし、本当の弱者はある程度の権利を尊重し、認めることが必要である。しかし、権利はどうしても利益と結びつき「権益」になる。そして、自分たちの生活を守るために、特別な権利を主張する。いまだに日本の政治が手こずる元凶はそこにあると言っていい。民主党政権時に騒がれた八ツ場ダム問題は象徴的な事例であろう。いまでは地元住民への権利の尊重に政治が動いているようだ。それが正しい方向か甚だ疑問である。

 民主主義はすばらしい仕組みである。しかし、それを扱う人あるいは意思によって、状況が白と黒の違いにもなる。正月にNHK特番でハーバード大学サンデル教授の白熱授業の再放送をやっていたが、やはり、哲学も政治も行きつくところは道徳、人の精神によるところが大きい。おそらく教授もそのように示唆していたように思える。

 1つの考え方であるが、日本の政治を良くする方法は、政治に道徳の精神を入れることかもしれない。政治家にただ能力の高い人を選ぶのではなく、道徳心、本当の意味での教養のある人、論語で言いう君子にあたる人を選ぶことが、民主主義のかじ取りをうまくできるのかもしれない。いまのような官僚的思考ではどうしても息の詰まる方向に進む。

 最近、子どもたちに道徳の授業を取り入れるべきとの論調が高まっている。私は大いに賛成だ。日本の再生には長い道のりが必要と思うが、まずそこから始めることが肝心であろう。


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