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「無縁社会」を考える。 [社会・生活]

 昨日、NHKで無縁社会の特集番組を観た。
だいぶ前にもこのテーマが取り上げられ、第2弾となる。

無縁社会

無縁社会

  • 作者: NHK「無縁社会プロジェクト」取材班
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/11/12
  • メディア: 単行本


 この問題はひとごとではない。
いまは地域、会社、家族など、多くの人に囲まれていても、
いつかひとりぼっちになる可能性は、誰にでもある。

 現在、その孤独に苦しんでいる人が大勢いる社会になってしまった。
中には、自分自身で周囲との縁を切り、孤独に陥っている人もいるかもしれないが、
配偶者の死別や離別、家族との生き方の違い、病気や離職など、
不遇の問題から、孤独になるケースが多い。
いずれにしても、人はひとりでは生きられない。

 周囲との縁があり過ぎる時は、その煩わしさから逃げたくなる事もあるが、
それが無くなった時、はじめて「縁」のありがたさを感じるものだ。
人の縁は急に築けるものでない。普段からの人のつながりを心がけることが大切である。

 いま、私の住む近所には、おせっかいおばさん達がいる。
何かとうるさいが、そのおばさんんが目を光らせているおかげで、
ここの地域は、空き巣もなく、孤独死するような家もない。
だから、おせっかいも大切なことだと感じている。

 しかし、こうしたおせっかいな人達も、今の日本ではだいぶ姿を消したのではないか。
まして、最近のマンションなどでは絶対いなさそうだ。
昨日の番組では、どうしたら無縁社会を変えられるかというテーマで番組が進められていたが、
なかなか決定打はない。
だが、そんな中でも試行錯誤、できることをやっている人達の話を聞き、心強さを感じた。
公的にすべてを補うことは、財政上難しい。
やはり、公と民が一緒になって取り組まなければうまくいかないだろう。

 こうした話なると、制度や取り組み方などの技術論的な事ばかりに重点がおかれ、ちょっと本質から離れてきてしまっているような気がする。
そもそも、無縁社会をつくりだしたのは、日本人の生き方の変化が大きい。
特に、無縁という冷たい空気は、日本の核家族志向、経済中心、合理主義、道徳教育の軽視など、その結果から生じてきたものではないだろうか。

 理想の国とはどういうものなのか、国がどういう制度をつくるかではなく、一人ひとりがどのような心を持つかが重要で、それが根本の問題だと思う。

 みんなが一人では生きられないと自覚し、助け合う姿勢が強ければ、この問題はもっと小さくなるはずだ。とにかく、この問題は身近なところで温かさを感じられなければうまくいかない。
どんな立派な制度よりも、1人の人間の温かさの方が、心の支えになる。

 そう考えると、時間がかかるかもしれないが、道徳教育で、日本人の心を変えていくことが必要なのかもしれない。道徳といえば戦前の愛国心の洗脳を思い浮かべてしまうが、そうではなく、本当の民主主義、善良な国家としての道徳をしっかり次の世代に伝えていくことが重要なことではないか。

 国や民間で、サポートすることは重要なことであるが、やはり限界がある。
せめて人としての尊厳を失わせないしくみまでであろう。あとは心の問題である。そのためには、周囲の人の温かさしかないだろう。


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