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沖縄基地問題、このまま萎(しぼ)めてはいけない。 [政治・政局]

 沖縄の基地問題が萎みはじめている。

 つい数か月前は、この問題が民主党政権を崩壊させるのではと思うほど強烈であったのに、いまは台風が過ぎ去った後に吹く、わずかな残風に似ている。

 この沖縄基地問を簡単に終わらせてはならない。それは日本の国家の安全に関わる根源的な問題だからである。敗戦からずっと続いている日米同盟、日米安保条約、アメリカの核の傘、これが日本の平和と安全を保障してきた。でも世界は一刻一刻早いスピードで変化し、アメリカがかつて示してきた絶大な影響力もいまは違うものになっている。特に中国の軍事的台頭、イスラム諸国の反米化、北朝鮮の暴発しつつある状況など、これまで対ソ連、ロシアでとってきた方法では抑止力の効かないパターンである。またアメリカ自体の国力にも陰りが見えはじめ、いつまで世界の警察を自負できるのか、そんな疑問さえ漂ってきている。そんな中、日本が取るべき道は何か。いまは真剣に考えなければならない時期にきているのだ。

 日本の安全のあり方、防衛について考えると次の4つのパターンが思い浮かぶ。

①日米同盟、日米安保の継続、現状維持
 これは今までと変わらない政策、これからも世界の状況は変わらず、またアメリカが覇権国家であることが前提である。だが、これでは沖縄基地問題は一向に解決は進まず、相変わらず沖縄住民への犠牲を強いることになろう。

②八方美人的外交
 これは日米同盟を基軸として、憲法9条を順守しつつ、世界の何処の国とも仲良くやろうという政策。これがいまの日本人が描いている理想的な考え方ではないだろうか。しかし、世界が平和である間は良いが、ひとたび争いが起き、ルールや秩序は壊れた段階になるとリスクの高い。

③アジア同盟へのシフト、中国との平和的外交
 今後、中国が間違いなくアジアの覇者になり、アメリカと対峙する時代がくる。現在のアメリカ一辺倒路線から、アジア、中国への安全保障の切り替えに舵を向けるかどうか、また、EUと同じようにアジアで同盟連合をつくるか、大きな選択肢がある。ただし、現在のアジアはタイ、パキスタンなど火種も多く、宗教や民族、そして経済格差も大きく、ヨーロッパ連合のようには簡単にいかない難しさもある。

④防衛の自立(軍事的自立)
 「自分の国は自分で守る。」という1つの原則論がある。しかし、日本は平和憲法により戦闘能力のある軍隊の所有が認められていない。したがって、他国からの攻撃があったとしても、憲法上での制約が多すぎて現状の自衛隊の力では国を守るだけのことはできない。つまり、防衛の自立に踏み切る場合には、憲法改正の大議論をしなければならない。

 以上、方法論はこれだけでなく、まだまだパターンはあり、それぞれをもっと深く考える必要がある。避けてはならないのが、④の「防衛の自立」であろう。先の大戦で、日本は大変な過ちを犯してしまった。防衛力はすなわち軍事力に直結するものであるから、その扱いは非常に難しい。また、軍事力を高めることは経済的にも大きな負担であり、現在のような不況の中でそんなことができる余裕はない。

 また、もうひとつ重要なのは憲法9条の抵触である。どこまでが防衛として抵触しないのか、また、「平和憲法」と「防衛の自立」を両立する道はないのか。このあたりの議論は聞いたことがない。専門家を交えながら大いに議論を深めてもらいたい。

 かつての国の指導者たちは、いまの憲法は進駐軍が作成したもので、いつかは日本人の手で憲法を創り直さなければならないと言っていた。我々は現憲法に慣らされたのか、あるいは良くできたものっだのか、結構満足しているように思える。だが、気がつけば日本人の心や思考はすっかり欧米化し、国の安全もアメリカに依存しきる国に変わってしまった。良くも悪しくもアメリカの忠実な従属の国家になったと言えよう。

 ここらで、一歩立ち止まり、このままアメリカと共に歩むべきなのか、あるいは現状から脱するべきか、沖縄基地問題を一緒に考えて、進むべき道を選択しなければならない。

 まずは民主党代表選挙が終わったら、政府はこの問題に目を背けないで、野党としっかり議論しながら、日本の安全と沖縄基地問題の解決に取り組んでもらいたい。このままでは日本も沖縄も不幸な道を歩むことになりかねない気がする。国民はもう一度声を大にしてこの問題を訴えるべきであろう。

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