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これからは環境が基軸の時代だ。 [環境・自然]

 鳩山首相が温室効果ガス90年度比25%削減を宣言し、産業界から大きなブーイングの嵐が起きた。
 25%削減と言われても我々一般人にはピンとこない。また、どうやって、CO2を計るのか、初歩的なことからわからない。だが、温暖化の波は急速に進行し、北極の氷河の融解や海水温が上昇していることや、日本でもゲリラ豪雨等、今までにない異常気象が頻繁に起きので、環境対策が待ったなしの問題であることは、よくわかっている。
 
 そういう状況の中、これまでの日本の環境対策はいまひとつであった。たしかに、不況の真っ只中、産業界の反発もわからないこと無い。しかし、GDP世界第2位の日本が環境問題の足を引っ張ることは、他国から見れば、無責任で自己主義にしか見えないだろう。

 温室効果ガス排出の4割を占めるアメリカや中国が削減目標を曖昧にしているからと言って、日本もその傘の下でいいのか。世界をもっと見なければならない。特にその影響がまじかに迫っていえる北欧諸国にとって、CO2削減は国の存亡すら危うくする問題であり、かつ、自国の努力だけでは防止できるものではない。世界的な協力が必要なのだ。

 今回の新政権の宣言は、久々に世界中から賛同を得られ、環境に前向きな欧州との関係を深くすることができ、外交的にも非常に大きなメリットがあると考えられる。日本の環境技術は先進国の中でも特に優れていると言われつつも、近年、国の環境に対する取り組みの鈍さから、そのイメージも後退しつつあった。

 かつて、日本の省エネルギー技術が世界でトップクラスになった原動力は、石油危機であり、自動車の厳しい排気ガス規制である。無理難題を突きつけられることで、大きく進化することができたのではないか。今回の厳しい削減目標は、日本再生のチャンスになる可能性も秘めていると考える。

 我々はすぐに経済的な数字で、国のメリット、デメリットを判断する傾向にあるが、数字で表すことのできない面も多々あり、環境については特にそういう点が重要であろう。

 21世紀は、経済、軍事だけでなく、環境は間違いなく基軸になる。そんな中で、日本がどう進むべきか問われている。今回の環境に対する宣言は、日本のものづくりの進むべき方向が示され、本当の意味で環境技術立国にチェンジするきっかけが作られたと考えられる。経済大国の日本は、もう過去形だ。これからは環境先進国、環境大国という道を歩むべきであり、最もふさわしい姿ではなかろうか。

 今後、環境を基軸とした諸外国とのネットワークは、益々重要な外交手段になり、世界と上手く連係できれば、安全保障の観点からもメリットの高いしくみとなると考えられる。ぜひ、環境対策は強力に推し進めてもらいたい。


タグ:環境 基軸
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