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あやしいぞ。食の安全 [医療・厚生・食品]

 新聞に「食の安全」がまた揺らぐような記事が記載されていた。

 その記事は、目立たないところにひっそりと載せられ、その下に企業からの謝罪とまだ安全を確信していると言う趣旨の文章があった。テレビのニュースなどで大きく取り上げられなかったが、実は食品の世界にも大変な事態が起きている予感が漂う。

 その記事は、花王で発売されている「健康エコナ」という商品で、その中に含まれているグリシドール脂肪酸エステルという物質が、発ガン性に変化する疑いがあるというのだ。この商品は、中性脂肪の上昇を抑え、体に脂肪がつきにくいという効果から、厚生省の特定保健用食品の許可を受けてもいる。また、「健康エコナ」というネーミングも世間に受け入れやすく、宣伝の上手さなどもあり、結構評判が高い商品であった。

 私も中性脂肪やコレステロールが高いので、我が家ではドレッシング、マヨネーズなどはいつもエコナを使っていたので、この記事を見た時はショックが大きかった。いったい何を信用すれば良いのか、食品のあり方について根本から考え方を覆させられた感じである。昔からの食べ物は、我々の知っている食物を原料、材料を使ってつくられているが、最近の食品は、味付け、見かけ、保存などを良くする為にさらに合成甘味料や添加物などの化学成分を使っている。むしろ、使わない方が少ないかもしれない。害がなければ問題なしという事であろうが、食品の世界において、「技術の進歩」がきわどいところまで来ている感じである。

 毒入り餃子が問題になった頃、中国でダンボールの肉まんの騒ぎがあったが、今の技術を使えば、ダンボールを肉と同じような見かけと触感に仕上げ、味付けを合成甘味料で本物の肉まんよりおいしくすれば、消費者を全く騙すことができるのではないだろうか。もし、ダンボールを食べても人体に害がないというならば、それも今の食品安全基準では通ってしまう気がする。これは昨年起こったサブプライムローンと仕組みが良く似ている。リスクの高いボロ証券を金融工学で駆使して、見かけ上価値の高い証券に生まれ変わらせ、あとは大手企業や評価機関の信用をつけて売りさばく。買う方は細かいことはわからない。信用と割安感があれば手を出す可能性が高い。

 今の食品の世界も同様に、実は金融工学ならぬ食品工学というものがあって、とんでもない食品が大量に出回っているのではないだろうか。最近話題の激安ビールや激安ラーメンなど、たしかに美味しいが、本当に大丈夫かと疑いたくなる。

 今回の健康エレナの商品が、どこまで化学成分が入っていて危険性の度合いがどのくらいなのか、実際のところよくわからない。ただ、花王という企業は化学会社だ。食品を対するモラルや開発プロセスなど、一般の食品会社と同じなのだろうか。それも気になる点だ。デフレ傾向が高まる中、消費者が安いものを求めるのはしかたがない。だからと言って安いものをつくるためや儲けるために、そういう手段に走ることは是非やめてもらいたい。

 食を提供する企業やそれに携わる人々も、今の時代、厳しいことはわかるが、利益追求だけ走らず、本当の意味での「人にやさしい食品」を第一として、「食の安全」に取り組むことが重要だ。今回発足した消費者庁の管轄になると思うが、食の安全に対する基準も多角的な面からチェックできる体制を築いて、国民が安心できる食品行政をやってほしい。


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