SSブログ

温室効果ガス25%削減は無謀な数字か。 [環境・自然]

温室効果ガス25%削減は無謀な数字か。
新政権が、2020年温室効果ガスの90年比25%削減を打ち出してから、各界からの反響はすごい。今日の新聞でも、高速道路無料化と環境問題の政策矛盾をテーマにした記事や経団連会長の懸念を表した記事など大きく取り上げられ、今までと違った関心の高さになっている。 
しかし、地球温暖化やCO2削減などは、すでに耳慣れした言葉であるが、実際、ピンとくる人はどのくらいいるのだろうか。温室効果ガスと言っても、廃棄ガスのように臭いがあるわけでなく、直接、人体に有害性があるわけでもない。世界中で起きている異常気象の原因が我々の排出する温室効果ガスといわれてもなかなか実感が湧いてこないのが現状だ。
こうした中で、盛んに言われているのが環境対策に対する経済的負担である。前政権での試算によれば、温室効果ガス25%削減の対策を施せば、一世帯あたり36万円の家計負担増になると言う。怪しい試算と感じていても、庶民としては、実感がでない温室効果ガス削減に対して、そんなに金額がかかるならば異論を唱えたくなる。
また、経済界でも日本経済に大きくブレーキがかかるような否定的な意見が目立ち、推進賛成の声はあまりでてきていない。実際、メリットがある企業もあると思うのだが・・・。
25%削減は、本当は不可能な数字なのだろうか。
ある温室効果ガスの年次推移の資料によると、2006年度の排出量は1990年度に比べて6.2%上回っている。その内訳は、家庭が30%増、オフィス等の業務関連が39.5%増、運輸関係が16.7%増、工場関連は4.6%減であった。
この結果をみると、この20年間で、家庭や職場の環境がエネルギー消費型に大きく変化したことがわかる。確かに、殆どの建物にはエアコンが装備され、あらゆる箇所に便利な電化製品が充実されてきた。我々は快適な生活を得ることができたが、その引き換えに大量のエネルギーを消費して、温室効果ガスを排出する社会をつくりあげてしまった。
これとは逆に、生産関連である工場が意外にもエネルギーの減少傾向にあった。理由として中身を分析しないとわからないが、省エネに取り組みや海外への工場移転が考えられる。ただ、昔の公害のように、工場がガンガン排出していたわけではなさそうだ。
以上を踏まえて考えると、我々の普段のライフスタイルや仕事のスタイルを改める事がカギかもしれない。人が少ないオフィスで、部屋中冷房され、誰もいないところで照明が付けっぱなしになっている光景はめずらしくない。それは家庭でも同様だ。また、24時間営業のコンビニや町中いたるところに設置している自動販売機なども、本当にそこまで必要なのかと疑問になることがある。たぶん、そんな状況から、エネルギーの30%くらいは無駄に使われているのではないだろうか。
毎日、小さな「無駄省き」をごみの分別のようにコツコツやっていけば、驚くほどのエネルギー削減ができるかもしれない。また、太陽光発電や燃料電池などのエコ技術が向上し、計画的に普及していけば、温室効果ガス削減もそんなに難しい数字でないのかもしれない。


nice!(1) 
共通テーマ:ニュース

nice! 1

Facebook コメント