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不況の克服は、イチローが手本だ。 [政治・政局]

 リーマンショックから1年。世界、そして日本政治も経済も大きく変動した。
いったい、我々にとって、何が変わったのだろうか。1年を節目に整理してみる必要がある。

①我々の生活はどうなったか。
 大半の人達が苦しさを感じてるのではないか。派遣切り、残業代カット、賃金引下げなど、収入面ではいい話がない。収入が厳しくなれば、当然節約に走り、いままでのちょっとした贅沢も我慢の対象になる。まだ家計のやりくりができる人達はいいが、家賃や医者にかかる費用が払えなく、生きていくための食費にさえ困窮している人達が増えたことは、非常に憂える社会である。
 また、庶民と違う世界に住む投資家たちも、大きな損失をして、直接的あるいは間接的に負の影響を社会に与えていると考えられる。
 「いま底なのか。さらに次があるのか。」と不安な生活が続くのが現状の姿であり、閉塞感が漂う毎日である。

②企業は変わったか。
 ひとことで言えないが、殆どの企業が経営の見直しを迫られ、工場の閉鎖や人件費の見直しなど実施されたのではないか。トヨタやキャノン等の日本が誇る超優良企業でさえ、大胆なリストラが断行されたようだ。また、中国、韓国をはじめ新興国からの追い上げも激しく、不況とダブルで打撃を受けている。企業は、今までのようなサクセスパターンも見えにくくなり、本当の意味での試練を受けている。変わったかといえば、いままでのやり方では本当にダメだと悟ったことではないか。

③デフレになったのか。
 家計の観点からすると、収入が減り、節約のため安いものを求める。安い物ばかりしか売れなければ、売り上げが減り、従業員の賃金も減る。今はこんなデフレスパイラルが始まりつつあるのではないか。金を持っている人達(日本では殆どが65歳以上の高齢の方)が、消費に回ってくれれば経済の流れもよくなるのだが、年金問題や医療費等の将来の不安から益々貯蓄から抜け出せないパターンだ。内需の観点から言えば、現在はやっぱりデフレ傾向にあると思える。

④国の対策は適切だったか。
 日本も世界の歩調に合わせ、大胆な金融と財政対策を実施した。その成果がどうでているか。経済評論家の話では、15兆円の補正予算を組めばどうであれ、経済効果に寄与といっている。ただ、予算の使い方に問題があり、その事は、今回の選挙の争点でもあった。とにかく、財政対策の中身は実にいい加減だった。目の前の対策ばかりで、将来の国のあり方のビジョンがほとんど固まっていないところで、莫大なかつ貴重な税金が割り振られている。畑で例えるならば、ほとんど意味のない雑草に、いたるところ肥料をあげ、本当に成長させなければならない作物には肥料が足りなくなているというのが実態ではなかろうか。今度の新政権では生活重視の観点から、税の配分を変えるとマニュフェストで宣言している。既成の財源枠からの変革で抵抗も激しく難しいだろうが、是非、頑張ってもらいたいところだ。
 
以上、限定した点からの見方であるが、大きく言えば、今の日本は政治、経済の転換期であり、また、国民ひとりひとりが意識改革をしなくては、この難関を乗り切ることはできないと思える。意識改革とは何かと言うことになるが、おそらく、その答えは誰もわからないだろう。

 大リーガーのイチローが言っていたが、どのようなバティングをすればヒットが打てるかという問いに対して、その答えはないと言っていた。常にどんな球が来ても対応することで、そのために入念な準備をすることと話していた。みんなが知るところであるが、彼の日常の練習や体の調整は並々ならぬ努力がある。今の日本は、安直な景気回復の手引書ばかりを探すのではなく、イチローのように思慮深く、かつ忍耐強く、普段からの積み重ねであのような偉大な成果を生み出している。日本人は、忍耐強く、コツコツ努力することができる国民性であり、この不況もチャンスに変えていく力もあると思う。そのための意識改革が必要だ。

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