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戦後70年、平和への節目 [社会・生活]

 終戦から70年。戦争を知らない世代にとって、それは遠い過去の歴史である。 これまで、戦争の悲惨さを知る世代が日本の平和を守り抜いてきたが、これから次の世代が受け継がねばならない。戦争を実体験していなくても、平和の有難さは十分知ることができる。何事もない平凡な暮らしこそ、最高の平和の証であり、我々はこの「当たり前の平和」に対して、不感になってはならない。
 
 しかし、社会における日常の様々な不満や怒り、外国からの挑発や威嚇、また民族的なナショナリズムなど、人々の心が平和から揺さぶられる要因が多々ある。 最近、以前の日本では考えられない事件が毎日のように勃発しており、遣り切れない気分になることが多い。他人への思いやりや協調性など、これまで大切にされていた精神が薄れてきている。競争社会、個人主義化が原因なのか、こうした空気は平和な社会を少しづつ蝕んでいくように思える。
 
 また、国家の行方も気になる。安全保障関連法案もうまく使えば、戦争の抑止力になるかもしれないが、一歩間違えれば戦争法案に化してしまう。これは原子力と同じで、利益と大きな危険が表裏一体にある、とてもハイリスクな法案である。いま与党が利益面だけ都合よく強調して説明しているが、これをそのまま信じ込んではいけない。この法案は、原発と同様に2重、3重のセキュリティーが必要であり、暴走しないための抑止力をもっと強化しなければならないと考える。
 
 いまの政治は、物事をすべて国益で判断する風潮が強い。欧米や中国、ロシアに対しても国益をもっと主張して対等な交渉で臨むべきで、いつまでも敗戦国のレッテルを張られたままではいけないという機運が高まっている。 しかし、日本が戦争に突き進んだのもこうした国益主義であり、そのとき軍部が力を持ったことにある。何か戦前の日本の空気に似てきた感じがしてならない。 毎年、戦争と平和のこのような話も8月始めから2週間ほど、テレビや新聞などの特集で深まるが、8月15日の天皇陛下の慰霊のお言葉で締めくくられ、それを境にピタリと日常の生活に戻る。 この期間にどれだけの人たちが戦争と平和について考え、何かを思い、感じたか。
 
 国家の平和はやはり国民一人ひとりの心にある。特にこれからの若い世代、そして子供たちに伝えていかなければならなく、心の中にしっかり残していかなければならない。 戦争を知る世代から受け継ぐバトンは実は平和を守るための「心の掟」のようなものかもしれない。

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