SSブログ

政治の世界、批判と引きずり落とし合戦から、協力・助け合い合戦にならないか。 [政治・政局]

 日本の政治がますます混迷の度を増してきた。

 もはや国民は菅首相の率いる民主党に対して、期待も信用もできなくなっている。いまのままの状況を引きずることは日本にとって不幸としか言い様がない。

 自民党からは内閣不信任案を出す声が上がっている。その動きに民主党の小沢一派が同調する気配も見られ、倒閣する一歩手前のところまできた。おそらく、不信任案を出せば菅内閣は崩壊し、解散総選挙で与野党逆転し、再び自民党を中心とした政権が誕生するだろう。

 国民はそれを望んでいるのだろうか。首相の座は当然立役者の谷垣総裁になると思うが、私の推測では初めの支持率は菅内閣どころか、それを下回り、さらにもっと速いスピードで急降下するような気がする。もう誰がやっても、この日本では批判合戦と厳しい減点評価が繰り返され、どんな優秀な人でも及第点すらとることは困難である。

 私個人としては、菅さん、小沢さん、それから谷垣さん、誰が首相になって不満はない。そもそも民主党と自民党の政策の差は五十歩百歩で、その僅差に大騒ぎをしていると思っている。政策には一長一短あり、すべて納得のいくものになるのは不可能だ。ただ、どの層を手厚くするかだけの問題で、不公平は必ず生ずる。

 いま政局混乱の元凶は、首相のリーダーシップ欠如の一点に集約されつつある。そもそも、国民は自民党の官僚主導政治に嫌気をさし、民主党に政治主導を求めた。その民主党政治で特にそれを実行に移したのが菅首相率いる一派で、その成果もあり政権内での官僚の力が低下した。しかし、その結果、政治と官僚との政治的距離の大きさが、今回の危機に対して、不具合を生じたのは事実である。しかし、それを菅首相一人の責任に押し付けていいものだろうか。

 そもそも、政治の混乱は、もっと根っこの部分にあるのではないだろうか。それは殆どの政治家たちが日本人として、この国を支えようという気構えと身を制する精神の欠如があるからだと考える。つまり、志しや使命感よりも、党や自分の政治生命からの損得勘定が優先になり、リスクの高いものを、なるべく遠ざけようとする姿勢に、政治の膠着さがつくられていると思う。

 もし、今回の危機に対して、立法府の与党や野党、行政府の官僚、そして民間の責任者たちが、原子力発電復旧にあたった名もなき消防隊や自衛隊等のように、使命感と奉仕の精神で事に当たっていれば、もっとスムーズに対処できたはずだ。むしろ、2番、3番の責任ある立場の人達のリーダーシップの無さに問題の本質が隠されているように考える。その中には当然野党第一党の谷垣総裁の責任も重大である。

 将棋の世界には、それぞれの駒の役割があり、すべての駒がその力を発揮して、はじめて勝負が決まる。その戦いでは、各駒はひたすら王を守り、敵を打ち負かしていく。いまの内閣では、敵が来るとみんな逃げるか、ジッとしているかで、王は自ら戦わなければならず、そしてそのブザマな戦いぶりに、観衆から嘲笑されボロボロになっていく。将棋ではすぐに負けが決まる戦いだ。

 いまはトップの資質よりも、国として重要な立場にいる2、3番の責任者が、しっかりその職務の中心になり、国を支える気構えと奉仕の精神で難題に立ち向かうことが重要だ。野球も1人のホームランバッターの活躍よりも、チームのみんなが小さな安打でつないでいく方が大きな得点につながりやすい。

 もう、総理大臣の首のすげ替えは飽き飽きした。ウンザリである。批判合戦とトップの引きずり落としはいい加減にしてもらいたい。そろそろ、発想と姿勢を変えて与野党の協力合戦、助け合い合戦に転じられないだろうか。被災地の方々はすでにそれを実践している。政治にできないことはない。是非、そうした政治になることを願う。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

トラックバック 0