タイガーマスク、伊達直人は永遠のヒーロー。 [社会・生活]
タイガーマスク、伊達直人の輪が、全国に広がっている。
政治も社会も閉塞感だらけの昨今、ひさびさに、こころ温まる話題である。
初めに、伊達直人を名乗る人から、児童養護施設にランドセルが寄付されてから、わずか数日間で実に多くの人たちがこの運動に関わっているようだ。中には現金で高額の寄付も送られてきたり、文具、スポーツ用品や食べ物など、様々な支援へのかたちにつながっている。
こうした運動のひとつに「あしながおじさんの支援」がある。ただ、あしながおじさんは金持ちで、紳士のイメージが強い。一般庶民では善意があっても、あしながおじさんを名乗るのは気恥ずかしい気持ちになる。だが、伊達直人は違う。孤児院で育ち、熾烈なプロレスの訓練を受け、やがてヒローのタイガーマスクとなる。彼は苦難を乗り越え、金持ちになっても、そのこころは常に孤児院の子供たちに向いていた。当時、少年雑誌「ぼくら」に連載され、テレビでも放映されていたが、そんなタイガーマスクの伊達直人にあこがれた子供達は多かったのではないだろうか。
いまのタイガーマスク運動の支援者は、おそらく、そんなに裕福ではなく、むしろ、お金や物を大事に使っている人達ではないかと想像する。それは寄付する品々に何か愛情のようなものを感じるからだ。手紙には書かれていなくても、ランドセルや文具も大事に使ってくださいというメッセージが込められているように感じる。そんな心ある人たちが、いまの日本にもたくさんいることに、まだまだ捨てた国ではないと希望が持てる。自分も微力ながらひとりの伊達直人として何か力になりたい。
児童養護施設もただ国からの補助金や無名の寄付では、人とのつながりが見えないが、「伊達直人」は愛情や夢のある物語が広がる。世間から疎外されがちな、こうした子供たちにとっても、人の温かさや感動、感謝の気持ちを学ぶ良いきっかけにもなる。
このタイガーマスク運動、できれば終わらせたくない。一時の過熱ブームではなく、静かにいつまでも続いてほしい。そのためには、タイガーマスクを永遠のヒーローにしなくてはならない。
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