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普天間基地移設問題。メディアの報道に狭さを感じる。 [外交・防衛・海外]

  メディアは政治に対して、中立であることは重要である。
しかし、最近のメディアは中立性を保っているのだろうが、何を軸にしているのかわかりにくい。
特に安全保障に対しては、自国に軍を持ち自ら国を守る考えから、社民党が主張しているような憲法9条護憲主義まで幅広い思想がある。

  いま、問題になっている普天間基地の移設についての新聞、テレビの報道は、沖縄県民の立場側を第一に意識したものばかりで、なぜ、米軍の基地が必要なのか、日本の防衛はどうあるべきかという観点からのものは殆ど皆無に等しい。普天間周辺の方々にとって飛行機の騒音、墜落の危険性、治安の面からも、どこかに移転してほしいというのは当然のことだ。ただ、メディアはそこばかり報道して、日本の防衛の不安、日米同盟の弱体化する懸念など、あまり関心がないように思える。もし、県外、国外に移設した場合、日本の安全は問題ないのか。沖縄の米軍が全部国外に撤退しても日本の安全は維持できるのか。そんな視点での報道があってもいいのではないか。残念ながら、この件は防衛問題というよりも、沖縄の自治・社会問題としての扱いになっているように感じる。

  現在、日本を取り巻く環境は厳しい。北朝鮮のミサイル、あるいは侵略の可能性、また、中国の軍事力の増強、すでに日本海域内に潜水艦等入り込んでいる。また、全く次元の違うテロ組織(アルカイダをはじめとする武装勢力)への対策は、日本だけでは防御しきれないものかもしれない。特にテロには国家外交をする手段がなく、彼らの目的は先進国の消滅だ。日本も彼らの消滅リストに載っているという。実に恐ろしいことだ。
  戦争のない世の中を望むことは大事なことであるが、現実の世界は大きく違い、あらゆるところに紛争の種がある。こうした、危険に満ちた世界の中で、いかに日本の平和を維持するのか、そう容易なことではないだろう。

  戦後60年以上、アメリカの軍事力依存の中で日本全体が平和ボケしてしまったが、そろそろ本当にボケを直さなければならない時期にきている。いくら経済や社会が良くても、国の安全が常に脅かされていれば、国民は安心して生活することはできない。

  この普天間基地の移設は、そうした日本の安全保障にかかわる大きな布石となる問題である。沖縄の方々の苦しみや怒りも当然伝えるべきと思うが、もっと、国の安全の全体像が見えるかたちでの報道が必要だ。それには、肝心な事をぼかした中立性でなく、勇気をもって自国の軍事力で国を守る考えや憲法9条護憲による徹底的な平和主義で外交頼りの防衛、中国との安全保障の模索など右から左の幅広い思想、考え方のメリット、デメリットを表し、その中での中立的な姿勢で国民に情報を提供することが重要と考える。
  
  そうした報道がなければ、いつまで経っても国民は平和ボケが続き、米軍基地問題を単に地域住民の騒音・治安の目で片付け、本当の意味で国の安全を考える機会にすることはできないだろう。
  メディアは、一歩、二歩踏み込んだ報道が必要だ。
  




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