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日本アニメは強力な文化外交戦略だ。 [外交・防衛・海外]

 10月10日ハリウッド版アトムが上映される。
いまや日本のアニメは世界を席巻している。アジアだけでなく欧米諸国まで、その浸透の仕方が幅広い。驚いたことに、我々と同じようにガンダムや宇宙戦艦ヤマトを見て育ったフランス人もいるのだ。まさに、アニメが彼らとの共通文化になりつつある。
 
 先日、クレヨンしんちゃんの作者の臼井さんに不幸な出来事があった。春日部を舞台におバカなギャクを連発する超ローカル的なアニメだが、世界中から臼井さんを惜しむ声が聞かれ、ここまで日本のアニメが浸透しているのかと改めて驚いた。とにかく日本のアニメを原本で読むため、日本語の勉強をしている若者がいるという話もあるくらい、日本のアニメ信仰は根強いらしい。

 以前、どこかの記事にあったが、中国の温家宝首相が「私の孫はウルトラマンばかり見ている」とか、中国のある大学で10年前に10人足らずで日本アニメサークルを発足したが、現在は600人に膨れ上がったなど、反日が強いと言われる中、日本文化はアニメを通して着実に彼らの若い世代に浸透しているようだ。
 
 政治、経済、軍事になるとお互いの利害関係が阻み、意思疎通は難しくなる。そして、そこから信頼関係を築きあげることはとても難しいことだ。しかし、このようなアニメによる文化交流は、知らず知らずの間に、日本人の考え方や性格などを相手に理解させ、国民レベルで信頼を高める役割を果たしてくれるのではないだろうか。政治にできないことが、いつの間にかすごい勢いで進んでいるのかもしれない。
 
 こうして考えるとアニメの発信は、産業としてだけでなく、文化的外交戦略1つとして捉えるべきものである。麻生政権はアニメの殿堂などピント外れのハコモノ政策でなく、もっと本質的なところに税金を注ぐべきであろう。
 
 アニメ作家は、これだけ注目が集めているが、経済的にはまだかなり苦しいと聞く。これからも、若い世代が夢を持てるすばらしい仕事に育て上げるため、新政権は情報発信という目的だけでなく、クリエター達が望む、有効な支援策を行ってほしい。
 ただ、国が介入しすぎると逆効果になる可能性もあるので注意も必要だ。
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