新緑も深まり、晴天日には暑さを感じるこの頃である。午前中は絶好の散歩日和であったので、バラ園(神奈川県川崎市にある生田緑地内ばら苑)に、花の鑑賞に行った。

たくさんの品種がある。バラ図鑑のような庭園だ。

ヨーロッパの庭園の雰囲気である。

 このバラ園は、かつて小田急電鉄が経営していた向ケ丘遊園地の跡地にある。遊園地は2002年に閉園したが、園内に整備されたバラ園の存続を希望する市民の声が多かったため、川崎市がそれに応えて買い取り、多くの市民ボランティアの手によって育成管理されていると言う。いまでは530種4700株のバラが開花し、その中には世界中のバラから選びぬかれたバラ(バラの殿堂に収められている名誉あるバラ)の13種が栽培されているそうだ。

 このバラ園の開園は今年は5/19~6/5の16日間、今日は最も見頃とあって大勢の人たちで賑わっていた。特にあちらこちらで、大きな望遠レンズと一眼レフカメラを三脚にセットし、真剣にバラを撮影しているオジサンたちの姿が目につく。きっと、セミプロ並みの腕前で見事な作品が出来上がるのだろう。年をとっても何かに熱中できることはいい。自分はポケットサイズのデジカメで気の向くままにシャッターを切り、バラ園の雰囲気を記録して楽しんだ。

 とにかく、バラの種類が多い。でも、どれを観ても色の美しさ、そこに漂う気品さなど、写真では表現しきれない。また、香りも良い。

 人によって感じ方も色々だ。オバサンたちの集団から、「ほら、このバラ見て、ぼたんに似ているよ。これ椿みたい」など、そんな声が聞こえてくる。でも、言われてみればそのようにも見える。だが、もしも、そのバラが話せたら、「それは心外で失礼だ。自分はもっとエレガントできれいなバラの花だ」と主張しそうでもある。

 どのバラも品格があり、1輪で買ってもいい値段がしそうだ。それがあたり一面バラだらけである。それが楽しめるのも約2週間。すごく贅沢な空間で、とても贅沢な気分を味わえる。

 ちなみに入場料は無料。駅からちょっと遠いが、お薦めスポットである。