コロナウィルスは本当にワクチンで制圧できるのか。生物学者の話を聞くと、たとえワクチンを開発しても、すぐそれを超える耐性ウィルスが発生し、殆ど効き目がなくなると言う。確かにインフルエンザも、毎年ワクチン接種をしているけど、本当に効いているかどうか分からない。ただ予防したという安心感でそのシーズンを過ごしているが、振り返ればひどくはならない程度で数年に1回はかかっているような気がする。ひどくならないのはワクチンのおかげなのか、それとも自分の免疫力なのか、これもよく分からない。もしかしたら、殆ど効かないワクチンを気休めで接種しているだけなのかもしれない。 

ただ、今回のコロナも世間の人たちは、ワクチンさえ開発できれば、安心して経済活動ができると信じる人も多く、ほとんどがその期待に賭けているように思える。これまで歴史的に観ると人類はスペイン風邪やペスト、コレラなど強力なウィルスや細菌との戦いで、その都度克服してきており、悲観することはないと信じたいが、やはり今回のウィルスは手ごわい。ワクチンや薬の力だけで克服するのは無理がありそうだ。  

しかし、このウィルスにも大きな弱点がある。人に感染させなければ自滅するという性質だ。感染してから3~4日人に会わなければそこまでである。つまり、①感染したことがわかること。②感染したら、人に感染させないこと。この2つを徹底すればこのウィルスを撲滅することは可能だ。②は、よほど素行に問題のある人以外は十分注意して対処するだろうが、問題は①である。いまはPCR検査に頼っているが、もっと簡易的で価格も安く、すぐに検知できる方法が望まれる。日本の英知をかけてできないものか。ワクチン開発もよいが、まずは検査システムを充実させることに力を注ぐ方が、この感染撲滅に向けて有効なのではないか。