SSブログ

ウクライナ侵攻、かつてのアフガニスタン侵攻を彷彿させる。 [外交・防衛・海外]

ウクライナの戦禍は相変わらず激しさを増している。
ロシア軍の苦戦とウクライナ軍の善戦は当初の予想から大きく外れ、それがゆえに混沌状態が続く。このウクライナ善戦の背景には西側諸国から武器や弾薬が援助という形で送り込まれている事実がある。民主陣営の国家を守るという大義のなかでは道理もあるが、その副作用でどんな問題が起きるか、我々はそこを無視してはならない。
 
最近の新聞記事で読んだが、ウクライナ側はこの支給された武器、弾薬が混乱の中、管理できていないというのだ。つまり、これらの軍事物資が第3国やテロに行きわたる可能性も十分あるらしく、非常に懸念されるところである。この中には最新鋭のミサイルや新兵器などが含まれているからさらに深刻を増す。そうなると、このウクライナ問題だけでは済まされず、もっと違った脅威が生じて、我々の身近な危機問題になってくる。
 
歴史を振り返れば1979年、アフガニスタンにソ連が侵攻した時も、西側諸国の経済制裁やモスクワオリンピックのボイコット、そして戦争をゲリラ戦にもつれ込ませるために、アフガニスタンに大量の軍事物資の支援するなど、現在の構図とほぼ似ている。
当時、それによりソ連は苦戦の末、撤退を余儀なくされた。この地も一時的には平穏さを取り戻したが、その後、どうなったか。農耕もできない、山羊を飼う程度の貧しい温厚な放牧民に、溢れるほどの武器、弾薬が手渡され、そして戦闘訓練でゲリラとして戦った人々は、すっかり生き方が変わっていく。のちのタリバンもここが原点である。そしてアルカイダやイスラム国などにも大きく影響したのは言うまでもない。
そんなアフガニスタンの凄惨歴史を知るにいは、トムハンクス制作・主演の「チャーリー・ウィルソン・ウォー」という映画を観ることをお勧めする。ここでは勝者なき戦争がリアルに描かれ、この問題の本質が見えてくる。
 
21世紀、平穏な生活をしていたウクライナに、突然襲った戦渦の嵐。
容赦ない爆撃で街も家も焼かれ、愛しい家族や友人、知人を失い、苦労して築いた財産も一瞬に消失し、何もかも失った人々に何が残るか。無念さや憎しみ、または怨念、そうした冷たい負のエネルギーが、いずれ何かのカタチになって現れる。戦争が創り出す一番、醜く、そして恐ろしい魔物だ。
アフガニスタンが紛争の地に変貌したように、この地域からも世界を震撼させるようなことが起きないことを祈るばかりだ。そのためにも、アメリカや西欧諸国、そしてロシアも将来を見据えた平和的解決に向けて対処してもらいたい。国家の威厳や存亡よりも、人の存在が一番大事である。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント