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ブタの蚊取り線香入れ、実にユーモラス。 [社会・生活]

梅雨頃からジメジメした天気が続くと、蚊が一斉に発生し始める。
マンションの高い階に住んでいる人たちは、あまり気にすることはないと思うが、地面があり、草が茂っているところがあれば必ず蚊がいる。窓にわずかな隙間が空いているとそこから侵入し、気が付けば何カ所も刺され痒みで気が狂いそうになる。とにかく、ちょっとの油断が禁物だ。
 
そこで、蚊取り線香の出番である。
いまの蚊取り線香は薬剤が入ったカートリッジタイプの煙が出ないものが主流になっているが、昔はどこの家でも渦巻き型の蚊取り線香が使われていた。まず、新しく買ってきた蚊取り線香の箱を開けると、金具の線香立てプレートが入っており、それ組み立てて皿にのせ、そして線香をそれに差してからマッチで火をつける。子供の頃、なかなか火が付かず、何本もマッチを擦った記憶がある。ただ、お皿に置いただけでは、火元の注意が必要で、蚊取り線香のそばで遊んでいると親からよく注意されたものだ。
 
そこで、安全性に配慮した蚊取り線香入れが、この陶器でできたブタの容器である。いま、しみじみ観ると実にユーモラスで、実用性にかなった完成度の高いデザインだ。とくにブタの特長的な鼻がないのに、大きな丸い口を開いているだけで、しっかりブタに見える。イヌやのやネコではない。どうしてだろう。とても不思議である。
 
このブタさん陶器は、たまたま、親の家を整理していた時に発見し、家に持ちかえって現在使っているものだ。あまりに愛嬌があるので、我が家では夏以外にもインテリアの1つとして飾っている。日本の工芸品も色々あるが、みやびなものばかりでなく、このような庶民の文化を感じさせるものもいい。私としては、これは立派な伝統工芸品と思っている。
 
このブタの陶器も、煙の出ない薬剤タイプのもの時代に変り、その役目が終わったことで、すっかり姿を消してしまったが、何か惜しい気持ちになる。実用品として生きる道は厳しいが、このユーモラスさと愛嬌を何かで復活できればと思うところである。
 
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