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終戦記念日に思うこと [社会・生活]

  台風の嵐の中、終戦記念日を迎えた。国民のほとんどが戦争を知らない世代になり、本当に歴史上の出来事になってしまった。毎年8月を過ぎるとテレビは、戦争の重々しい番組が多くなり、気分的にちょっと暗くなりがちであったが、今年はいつもの年よりその数が減ったような気がする。 

 

 いまの若い人たちにとって、昭和初期の戦争は遠い過去の出来事で、ほとんど実感のないものだろう。戦争のイメージも、ゲーム感覚でしか考えられないかもしれない。しかし、世界中を観れば、至るところで紛争が絶えず、戦争のリスクは日に日に高まっている。日本だけは平和であり続けると思っている人が大多数であろうが、果たしてそれを信じても良いものか。

 

日本の周囲も決して穏やかではない。北朝鮮は定期的にミサイルを打ち続け、中国やロシアは軍事境界線を越える行為を頻繁に繰り返している。また、同盟国であるはずの韓国は相変わらずの反日運動で、戦後最悪の関係に陥っており、とても安心できる環境ではない。第二次世界大戦が勃発した時のような切羽詰まった状況はないが、一歩間違えれば紛争に発展するような空気は常に漂っている。

 

問題は、いまの若い人たちが平和をどのように考えているかだ。今年で戦後74年、これまで昭和世代が終戦の空気を感じつつ、戦争体験者の声を聞きながら、平和に対する姿勢をそれなりに引き継いで来たと思う。しかし、平成以降の世代は違う。全く平和で安全、そして豊かな国に生まれ育っている。その中で厳しく、つらい戦争体験など実感できるはずがない。恐怖や不幸を煽っても、危機感がなければズシンと心に響くことは難しい。

 

しかし、若い人たちへのそうした平和の受け継ぎが絶望的かといえば、必ずしもそうではない。例えば、現在、日韓関係は政治レベルでいがみ合っているが、アンケートによると日本の若い世代は必ずしもそれに引きずられていない。韓流やK-POPなどの韓国文化が好きというのが政治的な感情よりも優先され、あまりポピュリズムに陥らない傾向がある。つまり、心の交流であり、平和を維持する大きな力でもある。

 

 国と国どうしは、どうしてもメンツとパワーゲームになりがちであるが、やはり個人同士の意思の疎通や交流がベースになることが望ましい。かつて中国でも反日運動が激しい時期もあったが、これだけ多くの人々が観光で訪れ、日本人や日本文化に触れあうことで、今日の日中関係は様変わりしたように思える。まだ根強い反日感情もあるが、大きな意味での相互理解が生まれている。

 

ただ、最近の日本の若い人たちに心配なこともある。あまり海外旅行もせず、邦画ばかりで海外映画もあまり観ないと言われている。生活もスマホ中心で世界観が限られ、やや閉鎖志向が強いことだ。安全、安心の世界にはまり良くない傾向である。

 

やはり、色々な人たちと交流し、さまざまな価値観を共有していくことが、平和の根源ではないだろうか。戦争の悲惨さを伝えることも大事であろうが、そうした本質的な精神をいまの若者に広めていくことも我々昭和世代の責務かもしれない。

 


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