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働き方改革は日本を豊かにできるか。 [社会・生活]

 「働き方改革」はいま最も関心事のひとつになっている。では、本当にこの改革で日本は豊かな社会をもたらすのか。
 今日の日本における「労働」には様々な課題が山積している。正規社員と非正規社員の格差、異常な残業時間、特に人手不足は大企業のみならず中小企業にとって死活にかかわる深刻な難題といえよう。これらはワンパターンの解決方法では到底片付かない問題である。
 ところで、日本の人手不足には、どこか不自然なところがないだろうか。確かに少子高齢化や熟練者の高齢化による問題はよくわかる。しかし、社会全体をよく観ると非常に不効率になってはいるような気がする。例えば、ショッピングセンターに行くと同じような店舗が立ち並び、そこには似たような商品が溢れている。とてもすべてが売り切れるとは考えらず、時期が来ればその多くは在庫処分行きのように思える。これだけの商品を作るには機械化が進んでいるといえども生産・販売過程で多くの人がかかわっている。食べ物についても同じで、日本で廃棄される食品は年間約621万トン、実際、製造される約1/3が食品ロスと聞く。当然、その廃棄される食品にも非常に多くの人たちが携わっているのだ。つまり、無駄なことに貴重な労働力が多く使われていることに、事の本質があると言えよう。
 資本主義、自由競争主義は消費者にとって良い製品を安く得られるというメリットもある。しかし、現在の日本のように過剰な競争主義が進むと、市場のバランスは失なわれ、格差社会や人手不足、そして大量消費型で無駄の多い社会をつくり出す結果になったのではなかろうか。
 働き方改革の精神は重要であるが、本質的には、「無駄のない社会づくり」いわば格言にあるような「足るを知る」社会に本格的に腰を据えることがもっと大事なことと思うのである。

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